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プログレッシブ再生に対応したプレステ2が、ついに発売
−その画質とDVD±RWなど各種ディスクの互換性を検証


SCPH-10420(左)とSCPH-50000(右)
5月15日発売

価格:25,000円


 5月15日、待望のプログレッシブ対応プレイステーション 2「SCPH-50000」(25,000円)が発売された。SCPH-50000で変更された主な点は、以下の6ポイント。

  • DVDのプログレッシブ再生
  • DVD±R/RWとVRモードへの対応
  • 静音化
  • リモコン受光部の内蔵
  • リモコンによる電源ON/スタンバイ/リセット/トレイの開閉操作
  • i.LINK端子の省略
 プレイステーション 2は、初代の発表当初から、DVDのプログレッシブ再生に対応すると明言されており、いつ対応するのかが注目されていた。2000年3月4日の初代発売以来、3年と2カ月余りを経てSCPH-50000で、ついに公約どおりプログレッシブ再生に対応したことになる。

パッケージの右下には黄色地に「+」のマーク 4つの強化ポイントが列挙されている 背面にも主な特徴が印刷されている

 プログレッシブ再生以外も今回強化されたポイントは、まさにDVDを視聴するための機能といえるもの。今回、AV WatchではDVDを視聴するという観点で検証を行なった。


●プログレッシブ再生はなかなかの高画質

 SCPH-50000に搭載されている、DVDプレーヤーのバージョンをチェックすると「3.00」だった。Watchで掲載したDVDプレーヤーのバージョン列挙すると下表のようになる。

 Ver.2.00から約2年半で、Ver3.00にメジャーバージョンアップしたことになる。

2000年3月4日 Ver1.00  最初のバージョン。リージョンチェックを回避できる裏技が発見され問題に
2000年4月1日 Ver1.01  リージョンチェックが強化されたほか、音飛びの低減など、バグフィックスバージョン
2000年12月8日 Ver2.00  リモコン付きの新プレイステーション2「SCPH-18000」に内蔵されたバージョン。リモコン対応に加えて、プログラム再生、A-Bリピートなどの新機能が多数追加された。また、DVD再生のアナログRGB出力ができなくなった
2000年12月22日 Ver2.01  純正DVDリモコンに付属するバージョン。メモリーカードにインストールする以外は、Ver2.00と同じ
2001年4月19日 Ver2.02  HDDが内蔵できるようになった新型プレイステーション2「SCPH-30000」が搭載したバージョン。機能はVer2.00と同じ
2001年7月19日 Ver2.10  プレイステーション2用HDD「SCPH-10260」に添付のバージョン。機能は変わらず

 まずは、もっとも気になるプログレッシブ再生を、プレイステーション2と三菱製の28型ハイビジョン対応テレビ「28W-HR1」を、専用D端子ケーブルで接続してチェックした。なお、プログレッシブ出力を使用するには、D端子ケーブル(純正品:SCPH-10330)か、コンポーネントケーブル(同:SCPH-10100)で、プログレッシブ対応テレビと接続する必要がある。

 取扱説明書ではこの2種類のみをプログレッシブ対応ケーブルに挙げており、AVマルチ接続でプログレッシブ表示できるかどうかについては触れていない。色差対応AVマルチ搭載のプログレッシブ対応テレビを用意できず、実際に試せなかったので確かなことはわからないが、少なくとも現状ではAVマルチのプログレッシブ表示は正式サポートしていないようだ。

 もちろん出荷時の設定ではインタレース出力になっているので、ユーザーが必要に応じてプログレッシブに切り替えなければならない。この操作が結構面倒。具体的には、操作パネル(OSD)を表示し、設定画面を選択。そこから画面設定を選んで、プログレッシブにカーソルを移動し「入」にする。

 これで、終わりかと思うと、さらに本当に切り替えていいか確認画面が出てくる。ここで、「はい」として、やっとプログレッシブ出力に切り替わる。なお、プログレッシブ切り替えは、つづき再生が可能状態では行なえず、完全停止状態にしないとできない。

プログレッシブに切り替えるには、ここまでメニューをたどる必要がある 最終確認画面

 最近のDVDプレーヤーでは、リモコンのボタン1つで切り替えられるものが多いことを考えれば、かなり煩雑な操作だ。最初は、「プログレッシブ切り替えなんて、一度設定してしまえば変更する必要がないので、さほど問題がない」と思った。しかし、理由は後述するが、切り替える必要が結構出てくるので、この煩雑さはなんとかしてもらいたい。

 早速、24p収録の映画DVDを再生。画質を見て見ると、これが思いのほか高画質。もちろん、据え置きDVDプレーヤーのフラグシップ機に肩を並べるとまではいかないが、同価格帯のプログレッシブDVDプレーヤーには勝るとも劣らない。はっきりいって、期待以上の画質だった。もちろん、字幕がスダレ状になるということもない。

 次にビデオ素材(60i)のDVDを再生すると、その印象は一変した。動き検出を含め補間ロジックがあまりよくないようで時折、斜め線にジャギーがでたり、コーミングも見受けられる。見るに耐えないというほどではないが、専用DVDプレーヤーでは一世代前の画質だ。24pのプログレッシブ再生がよかっただけに、少し残念だ。

 説明書にも「ビデオ素材の場合、画像によって映像の一部が不自然になることがあります。その場合は、インタレース方式でご覧ください」とある。SCEI自体も、ビデオ素材のプログレッシブ変換については、あまり自信がないのかもしれない。

 さらにプログレッシブモードにした場合、1つ不具合というか困った仕様がある。プログレッシブモードを選択した場合、TVタイプが16:9に固定され、4:3に切り替えられなくなってしまうのだ。

 スクイーズ収録の映画DVDなどを見るときには問題ないが、4:3のDVDを見ようと思うと、テレビ側でアスペクト比が切り替えられないと、横方向に引き伸ばされて表示されてしまう。少し前のプログレッシブ対応テレビだと、プログレッシブ入力するとフル表示に固定されてしまう機種がほとんどだった。その場合は、4:3のDVDを見る時にはインタレース出力に切り替えなければ、正しいアスペクト比に設定できない。

 それに、ビデオ素材のプログレッシブ変換の質があまり高くないことを考えれば、テレビによってはビデオ素材はインタレース出力で見たほうが綺麗だろう。そこで、問題になるのがプログレッシブ切り替えの煩雑さ。なんとか、1ボタンで切り替えられるようにしてほしいところだ。

 プログレッシ再生以外の、DVD再生機能はほとんど変更されていない。ただ、以前はプログラム再生や、シャッフル、3段階のサーチなどはリモコンのみでの操作可能だったが、Ver.3.00では操作パネルからも選択できるようになった。おかげで、リモコンがなくてもほぼ全ての操作が、付属のコントローラで可能になった。

 また、リセットからDVDが再生されるまでにかかる時間は約18秒(手動計測)だった。従来モデルがHDD搭載した場合約32秒、HDDなしで約23秒だったので、少し高速化されているようだ。

 操作レスポンスもそれほど悪くなく、普通にDVDを視聴する分には不満のないレベルだった。


●RAMを除く記録型DVDに全対応

 今回の機能強化の目玉の1つが、DVD±R/RWへの対応。早速、各種メディアの動作チェックした結果が下表だ。記録型DVDについてはDVD-RAM以外は、すべて再生できた。現在のところ、DVDビデオが再生できるゲーム機でDVD-VRが再生できるのは、SCPH-50000のみであり、その点では一歩リードしたといえる。なお、VRモードで録画したDVD-RWも再生するのにかかる時間は、DVDビデオとほとんど変わらなかった。

 VRモードで録画した場合、オリジナルのタイトルと、オリジナルを元に編集したプレイリストタイトルの2種類があるが、SCPH-50000では選択して再生することが可能。

 しかし、VRモード再生は、強制的にインタレース出力になるほか、スロー再生(逆方向)ができないという制限がある。プログレッシブ出力ができないというのは、かなり残念だ。

 興味深いはPAL収録のDVDを入れた場合、「TVシステムが違います」と表示されること。このメッセージからPAL収録であるということを認識した上で、再生しないということがわかる。

 XboxのようにNTSC変換までしないまでも、PALのまま出力ぐらいはしてくれとありがたいのだが……。

【各種ディスク再生テスト結果】
記録型DVD
DVD-R(ビデオモード)
DVD-RW(ビデオモード)
DVD-RW(VRモード)
DVD-RAM(ビデオモード)×
DVD-RAM(VRモード)×
DVD+R
DVD+RW
CD
レーベルゲートCD
(CD-DA部)
ビデオCD×
CD-R/RW
CD-DA
(CD-RWは不安定)
MP3×
JPEG×
WMA×
ATRAC3 CD
(Sonic Stage Simple Burnerで作成)
×
番外編
DVDオーディオ×
SACD×
PAL形式のDVD×
リージョンが2または
オール以外のDVD
×
※この動作結果は、あくまでチェックした個体での動作状況であり、全ての製品の動作・非動作を保証するものではありません。また、編集部では個別の動作状況についてお答えできません。ご了承ください。


●リモコンで電源のON/OFFが可能に

SCPH-50000(左)とSCPH-30000(右)。SCPH-50000は、電源ボタンとトレイ開閉ボタンの間に赤外線受光部がある

 SCPH-50000は、リモコンの受光部を電源ボタンとトレイ開閉ボタンの間に内蔵している。これにより、受光ユニットでコントローラポートを塞がずにすみ、スマートな形でリモコンが使用できるようになった。

 ただし、リモコン(SCPH-10420、2,200円)は別売り。従来のリモコン「SCPH-10170」(3,500円)と違うのは受光ユニットが付属しないことと、「電源ON/OFF/リセット」、「トレイの開閉」ボタンの2つを装備したこと。それ以外の仕様は同じで、外形寸法は約159×59×17mm(縦×横×厚さ)で変わらず、重量は約72g(電池含まず)。

 「電源ON/OFF/リセット」、「トレイの開閉」ボタンの装備により、やっと専用DVDプレーヤーに追いついたと言えるだろう。

「SCPH-10420」。最上部に「電源ON/OFF/リセット」、「トレイの開閉」ボタンが追加された (参考)SCPH-10170

 なお、リモコンコードは変わっておらず「電源ON/OFF/リセット」、「トレイの開閉」以外の操作は、SCPH-10170でも行なうことができる。その逆にSCPH-10420を使って、SCPH-10170の受光ユニットを付けた旧型プレイステーション 2の操作も可能。しかし、「電源ON/OFF/リセット」、「トレイの開閉」ボタンは機能しない。

 SCPH-50000のリモコン操作範囲は、実際に試した限りで6m程度は普通に操作できた。また、上下左右の受信範囲も広く、受光部を意識しなくても、本体に向けて操作すれば問題なかった。


●静音性は格段に向上

 背面ファンをSCPH-30000と比較すると、口径は同じだが羽根の枚数が異なっており、SCPH-30000が9枚に対し、SCPH-50000は11枚。SCPH-50000のフィンは、軸への取り付け角が急角度になっている。

SCPH-30000(左)とSCPH-50000(右)の背面ファン。口径は同じだがフィンの形が変更されているのがわかる

 SCPH-30000とSCPH-50000の騒音の差は比べるまでもなく、SCPH-50000の方が圧倒的に静か。SCPH-50000を聞いた後に、SCPH-30000の電源を入れると、まるで掃除機のように聞こえたほど。

 背面ファンの真後ろ15cm離れたところから、電源投入からDVDビデオの再生までを録音したWAVファイルを掲載したので、聞き比べてほしい。

稼動音比較
SCPH-50000 SCPH-30000

 SCPH-50000の本体の外形寸法は301×182×78mm(幅×奥行き×高さ)と、SCPH-30000と変わらないが、重量が2.2kgから2.0kgへと軽量化された。また、消費電力が約47Wから、約39Wに低減されている。これにより発熱量が低下し、ファンの回転数を抑えることができ、静音化へも貢献していると考えられる。

 もちろん、SCPH-50000でもファンが付いている限り無音ではないが、やっとAV機器レベルになった。DVD再生だとドライブの駆動音も小さいので、前面から少し離れていれば気にならない程度だ。

 なお、比較したSCPH-30000は発売直後に購入したものなので、経年劣化している。そのため、新品に比べると、騒音がひどくなっている可能性がある。ただ、発売時の時に聞いた時と、それほど変わっていない騒音という印象だった。


●CDプレーヤーもバージョンアップ

 その他にも地味ではあるが、CDプレーヤーもVer2.00にバージョンアップされた。従来のCDプレーヤーは、コントローラの方向キーで操作を選んで決定するという形式で、リモコンの再生ボタンなどは使用できなかった。

 Ver2.00ではリモコンのダイレクトボタンから、再生や、曲送り/戻し、シャッフル、プログラムなども操作できるようになり、かなり操作性が向上した。

 また、システム設定にも新項目「リモートコントローラのゲームプレイ機能」が加わった。SCPH-5000ではリモコン受光部を内蔵したことで、従来機種のように受光部を取り外すことができない。

 ゲームをする時にはこの項目を「切」にしておくと、リモコンを誤って触ったり、他の人にリモコンで操作されたりすることを防げる。


●DVDプレーヤーとしての完成度は上がった

 なお、旧型のプレイステーション 2でもDVDプレーヤーソフトをVer3.0にバージョンアップすることはできるが、DVD-R/-RW(+R/+RW)再生、プログレッシブ出力は対応できない。追加されるのは、3段階の「早送り」、「巻き戻し」、「シャッフル」、「A←→Bリピート」の機能がコントローラで操作可能になる程度のようだ。

 プレイステーション 2はSCPH-50000で、やっとプログレッシブ再生に対応したわけだが、結局旧機種のユーザーは置いていかれてしまった。すでにプレイステーション 2を持っていれば、プログレッシブ出力するには本体の買い替えが必要になる。さすがに、初代の発表当時には、こういう形で対応するとは想像できなかった。

 現プレイステーション 2ユーザーにとっては買い替えるべきかどうか迷うところだが、もし初代ユーザーだったら、おそらくCD/DVDの読み取りが厳しくなっているころだろう。騒音もかなり低減されているので、買い替えたタイミングとしてはちょうどいいのかもしれない。

 また、プログレッシブDVDプレーヤーの購入を検討していて、まだプレイステーション 2を持っていなければ、さらに有力な購入候補になるだろう。

□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□ニュースリリース(PDF)
http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/030414.pdf
□関連記事
【2000年12月8日】プレステ2の新バージョンを検証(PC Watch)
〜 待望の純正リモコンが登場、まさに専用機感覚! 〜
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−DVD±R/RWの再生に対応。ファンノイズを1/4に低減
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【5月15日】新型PS2「SCPH-50000」試用レポート
〜はっきりわかる静音化に感動
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20030515/ps25m.htm

(2003年5月16日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


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