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デノン、民生機初の「ドルビーバーチャルスピーカー」採用
-Hammer Head SHARCを搭載したDVDシステム


ADV-M71、SC-M31LTD、DSW-3.1(液晶テレビ、各種スタンド類は別売)
7月上旬発売

標準価格:「ADV-M71-S」77,000円
       「SC-M31LTD-M」16,000円
       「DSW-3.1-M」22,000円
       「SYS-3.1-M」10,000円

連絡先:宣伝部
     Tel.03-3837-8915


 株式会社デノンは、家電製品として初めてドルビーバーチャルスピーカー(DVS)機能を搭載したDVDチューナアンプシステム「ADV-M71-S」を7月上旬に発売する。価格は77,000円。

 同時に、ADV-M71-Sとの組み合わせを推奨するスピーカー「SC-M31LTD-M」(16,000円、ペア)と、サブウーファ「DSW-3.1-M」(22,000円)もラインナップ。さらに、5.1chにシステムアップするためのセンタースピーカー、サラウンドスピーカーのセット「SYS-3.1-M」も1万円で発売する。


■ ADV-M71

 同社のコンパクトオーディオシステム「ラピシアM31」シリーズの新製品。プログレッシブDVDプレーヤー、デコーダ、定格出力20W×2chアンプ、AM/FMチューナを一体化した製品で、デコーダ部に初めて「ドルビーバーチャルスピーカー」機能を搭載したのが特徴。製品発表会には米Dolbyの民生技術マーケティング担当部長のクレイグ・エガース氏が登壇し、DVSについて説明した。

ラピシアシリーズとしては奥行きが長い本体 前面パネルはアルミ製 背面。サービスコンセントや同社製品用のシステム端子を備える

 ドルビーバーチャルスピーカー(DVS)は、Dolby Laboratories International Services(ドルビーラボ)が開発したバーチャルサラウンド再生システムで、ドルビーデジタルなどの5.1ch音声をフロント2chでサラウンド再生する技術。2chソースは一旦ドルビープロロジック IIにしてからDVSを適用。5.1ch時と同様なサラウンド感を得られるという。原理や機能はPC用のDVD再生ソフトに搭載されている同名のものと同じ。

 従来のバーチャルスピーカー技術との違いは、人間が左右の耳で捕らえたときの音の方向、高さ、距離について、7,000の音声経路をシミュレートすることで再現するところ。スピーカーからの音には直接音のほか、壁などの反射による無数の間接音が存在するが、それらをDSPでリアルタイムに演算し、再現する。さらに、ほかのバーチャルサラウンド同様、クロストークキャンセル(必要のない帯域の打ち消し)を行ない、リアルスピーカー設置時と同じサラウンドを再現できるという。

 DVSを実現するため、ADV-M71には同社製ハイエンドクラスのAVアンプにも搭載しているAnalog Devicesの32bit DSP「Hammer Head SHARC」を搭載。このクラスの製品としては珍しいという。

 また、ADV-MSにはヘッドフォン再生でのバーチャルサラウンド技術「ドルビーヘッドフォン」も搭載。「サラウンドスピーカーの設置、音量の出せない環境といった、サラウンド再生での障害をすべて排除できる」という。ドルビーヘッドフォン処理した音声をアナログ出力することも可能。

Dolly Labの民生技術マーケティング担当部長のクレイグ・エガース氏 音響経路のシミュレートの例。7,000もの経路をDSPで再現する DVSにはレファレンスモード、ワイドモードの2種類がある

 デコード可能なフォーマットは、ドルビーデジタル、DTS、AAC。さらにオリジナルDSPシミュレートとして「ROCK」、「ARENA」、「JAZZ CLUB」、「VIDEO GAME」を適用できる。また、SYS-3.1-Mなどと組み合わせて5.1ch化すれば、「MONO MOVIE」、「MATRIX」、「5ch STEREO」も使用可能。

リモコン。再生ボタンや音量ボタンなどは蓄光式
 DVDプレーヤー部は、DVDビデオ、ビデオCD、音楽CD、CD-R/RWが再生可能で、MP3、WMA、JPEGの再生にも対応する。コダックの「ピクチャーCD」、富士写真フイルムの「FUJICOLOR CD」もサポート。

 アンプの最大出力は35W×2chで、SN比は98dB(2chダイレクトモード時)。6~16Ωのスピーカーに対応する。ラピシアM31シリーズとのオートパワーON、オートファンクション、タイマー再生、タイマー録音など連動も可能。付属のリモコンで、ほかのラピシアM31シリーズを操作可能なほか、各社のテレビ、ビデオもプリセットされている。

 映像出力端子は、D2、S映像、コンポジットを装備。アナログ音声出力×2系統、光デジタル音声出力×1系統、アナログ音声入力×1系統、光デジタル音声入力×1系統も備える。外形寸法および重量は210×367×95mm(幅×奥行き×高さ)、3.5kg。

メニュー画面例。基本的には「クイックシステム設定」だけで利用可能だという。各項目の詳細設定も行なえる


■ SC-M31LTD

 ADV-M71との組み合わせを想定した防磁設計のスピーカー。3ウェイ3スピーカー構成のバスレフ型で、ウーファは140mm、ツイータは25mm。さらに19mmスーパーツイータを搭載し、80kHzまでの高域再生が可能としている。ユニットフレームには非磁性体を採用。歪みの少ない透明な音質を実現するという。インピーダンスは6Ω。

 回折効果と不要共振を排除するため、18mm厚MDFの3次元加工バッフルを採用している。スピーカーターミナルは金メッキでバナナプラグにも対応。外形寸法は170×217×281mm(幅×奥行き×高さ)、重量は3.6kg(1台)。スピーカーケーブルとして約3mの「AK-1000」が2本付属する。

ウーファの振動板はグラスファイバ製。クロスオーバーネットワークも新設計された


■ DSW-3.1-M

 バスレフ型のアクティブサブウーファで、3.1chのアンプを内蔵。SC-M31LTDとの2.1chや、SYS-3.1-Mを用いての5.1ch再生で使用する。

 ユニットは160mm径ウーファ×1で、最大出力は30W×3ch、60W×1ch(サブウーファ)。再生周波数帯域は30~200Hz。クロスオーバー周波数はADV-M71などAVアンプ側で変更する。

 外形寸法および重量は210×380×314mm(幅×奥行き×高さ)、10.2kg。16個の天然素材コルク製滑り止めが付属する。

バッフル、胴板はオールウッドキャビネット。クロスオーバー周波数の切り替えはアンプで行なう センター、サラウンドの3チャンネル分の出力を備える


■ SYS-3.1-M

サラウンドスピーカー(上段)とセンタースピーカー(下段)
 2.1chを5.1chに発展させるスピーカーセット。センター×1、サラウンド×2で構成。ユニットは各スピーカーとも共通で、グラスファイバコーンの80mmフルレンジを採用。再生周波数帯域は120Hz~20kHz、インピーダンスは8Ω。

 外形寸法は、サラウンドが95×115×95mm(幅×奥行き×高さ)、センターが210×115×95mm(同)。重量はそれぞれ0.7kg(1台)、1.4kgとなっている。

□デノンのホームページ
http://denon.jp/
□Dolby日本支社のホームページ
http://www.dolby.co.jp/
□ニュースリリース
http://denon.jp/company/release/advm71.html
□関連記事
【5月7日】デノン、アルミパネル採用のミニコンポ「ラピシアM31」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030507/denon.htm
【2002年10月16日】【WPC EXPO 2002レポート Dolby編】
ドルビーラボ、「ドルビーバーチャルスピーカー」を発表
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20021016/wpc04.htm

(2003年6月12日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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