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第13回フラットパネルディスプレイ製造技術展(ファインテック・ジャパン)が2日から東京ビッグサイトで開幕した。会期は4日まで。 同イベントはプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの製造装置、検査・測定装置、部品・材料などの技術展示イベント。基板のプロセス、パネル組み立て、露光、ラミネート、乾燥、封止など、各製造工程で必要な装置や部材が一堂に会する。 今回は「クリーン・静電対策コーナー」を新たに設け、集塵装置や無菌衣、イオナイザといったクリーンルーム向けの製品も並んだ。また、モジュールの展示フェアも行なわれ、シャープ、東芝松下ディスプレイ、三洋電機などのパネルメーカーも出展。新パネルを披露した。 液晶ディスプレイでは、IT化が進む車載用ディスプレイの展示が数多く見受けられた。東芝松下ディスプレイは会期初日に会見を開き、2002年度の国内実績をカーナビ用が240万台、カーカラーテレビを含むと315万台と発表、市場の拡大ぶりを説明した。2002年の同社の国内シェアは70%、世界シェアは50%前後という。 経営企画部の岡田裕部長は、車載用ディスプレイを、モバイル用(携帯電話、PDAなど)、タブレットPC用、B5モバイルPC用と並ぶ主力商品と位置付け、広視野角タイプなどを参考出品した。また、環境分野をリードする自動車産業が顧客とあって、水銀フリー液晶を開発。会場で参考展示した。
車載ディスプレイで欧州のシェアが高いというシャープは、車載用初のCGシリコン(連続粒界結晶シリコン)採用の7.1型液晶ディスプレイを参考出品。解像度は1,024×768ドットで、画面輝度は180cd/m2。解像感とコントラストが高く、遠目からでも視認性が高い。 また、6.5型と7型の広視野角タイプのASV液晶も参考出品。解像度は6.5型が400×240ドット、7型が480×234ドット。視野角は6.5型が上下左右160度、7型が上下左右170度。7型では、バックライトにLEDやキセノンエキシマ放電管を採用したモデルも参考展示した。画面輝度はそれぞれ400cd/m2、300cd/m2。
現在有機ELは、携帯電話のサブディスプレイが主戦場となっており、各種部材もそれにあわせた展示が多かった。 その中で、東北パイオニア、半導体エネルギー研究所(SEL)、エルディスは共同で会見を開き、表裏の両面で画像表示が可能なデュアルエミッションのアクティブ型有機ELの開発を発表した。厚さ1.4mmの2.1型で、両面ディスプレイを可能にする。会場にも複数台を展示し(ただし、ディスプレイ部以外はモックアップ)、来場者から注目されていた。 なお、デュアルエミッション有機ELディスプレイを使った携帯電話について、SELの山崎舜平社長は「発想が根本から異なるため、ADCテクノロジーが取得済みという2画面特許には抵触しない」と説明した。 エルディスは、東北パイオニアとSELが共同で設立した有機EL用のTFT基板の専業メーカーで、半導体エネルギー研究所の研究成果をもとに、エルディスが基板を作成、東北パイオニアがパネルにしてOEM先に納入する。将来的には、エルディスから東北パイオニア以外への販売も視野に入れており、現在、2インチパネルで月産50万パネルの生産能力を持つ。
そのほか、富士電機は色変換(CCM)方式のパッシブ型有機ELディスプレイの試作機を展示し、オーディオシステムなどとの組み合わせ例を並べた。26万色の表示が可能とし、1DINカーオーディオなどに展開したいという。 色変換方式は出光興産が開発した有機ELのフルカラー化方式で、青緑色の単色発光を色変換層でRGBに変換する。2002年5月には富士電機による発光効率の強化が行なわれた。RGB塗り分け方式や白色発光+カラーフィルターに比べ、コストや歩留まりの面で優れているという。また、円偏光フィルターを使用しないため、発光効率や色再現性も向上するとしている。 今回展示されたのは、2002年6月に富士電機が開発発表した2.8型と、1DINカーオーディオ向けの240×64ドットパネル。後者はカーオーディオやAV機器の表示パネルでの使用を想定している。
□ファインテック・ジャパンのホームページ (2003年7月2日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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