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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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ソニーは、2003年度第1四半期決算を発表した。売上高は、前年同期比6.9%減の1兆6,038億円、営業利益は同67.9%減の167億円、純利益は同98%減の11億円となった。
エレクトロニクス分野は、売上高が前年比9.8%減の1兆998億円、営業利益が同73.9%減の128億円と減収、減益となった。特にブラウン管テレビ市場の縮小により、テレビ部門の売り上げが前年比15.5%減の1,855億円と落ち込んだほか、情報・通信部門で、バイオのラインアップ整理などで同15.1%減の1,881億円と低下。オーディオ部門でも市場の成熟化と原価率の低下などにより、同11.9%減の1,422億円と減収となった。 コンポーネント部門はDVD±RWドライブなどが好調で同7.3%増の1,358億円、半導体部門はCCDなどの売り上げが貢献し、同9.7%増の530億円と増収となった。しかし、コンポーネント部門では、光学ピックアップの単価下落などにより減益に、半導体部門も減価償却費の増加などにより営業損益を計上している。ビデオ部門の売り上げは、同2.7%増の2,249億円だが、単価下落や特許関連費用の増加により、減益となっている。
ゲーム分野では、ハードウェア/ソフトウェアともに減収/減益で、売上高は前年同期比18.2%減の1,252億円、営業利益は31.6%減の18億円となった。 映画分野は売上高が前年比13%減の1,511億円、営業損失24億円の赤字となった。「アンガー・マネイジメント」や「ダディ・ディ・ケア」などの作品が売り上げに貢献したが、DVD/VHSの売り上げが減少。また、「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」の広告宣伝費の増加などが、赤字化の要因となった。 音楽分野は売上高が前年比8.8%減の1,170億円で、営業損失60億円となった。特に米国での不振が顕著で、音楽業界の継続的な低迷や、DVDの単価下落による製造部門の売上減が影響した。ただし、構造改革やリストラなどにより損益は約40億円改善されている。また、日本法人のSMEJは、ケミストリーの「Between the Lines」などのヒット作の貢献や、広告宣伝費の減少により黒字となった。
なお、2003年の業績予測については、4月に発表した売上高7兆4,000億円、純利益が500億円から変更は無い。 前年比では業績は低調だったが、売上高1兆6,544億円、純損失1,111億4,400万円と大幅な赤字を計上し、「ソニーショック」と呼ばれた2002年度第4四半期と比較すると、大幅に収益が改善された。 同社執行役 常務兼グループCFOの湯原隆男氏は、第1四半期決算について「想定よりはいい数字と認識している。信頼を取り戻すには着実に利益を改善していくことが必要だ。目標を着実に実行していきたい」と説明。
また、年末商戦に向けて6つの分野で戦略商品を投入していくことを明らかにした。まず、テレビシリーズのベガについては、フラットパネル製品のラインアップの拡充や地上デジタル放送対応などで、商品力の強化を図る。また、DVDレコーダやコクーンについても年末に向けてラインナップを広げ、プレイステーション 2ベースのDVDレコーダ/ゲームコンソール「PSX」も年内の投入に向けて開発を進める。 バイオについては、ラインアップを絞り収益を改善、カムコーダは6月発売の「DCR-PC105K」などを中心に内製部品を活用し、商品力を高めていく。デジタルカメラのサイバーショットについては幅広い商品展開でシェア拡大を狙う。 特にフラットパネルディスプレイ(FPD)については、日本のみならず欧州でも今年度に入って強い伸びを示すようになっており、昨年度実績の約3倍、売上高で2,000億円を目標にしていく。
(2003年7月24日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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