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VT、西和彦プロデュースのMedia Center Edition搭載PC
-デノン製筐体を採用したハイエンドオーディオモデルなど


10月15日発売

標準価格:158,000~798,000円

連絡先:営業本部
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 ビジュアルテクノロジー株式会社は 、15日に発表されたマイクロソフトの新OS「Windows XP Media Center Edition 2004」を搭載するメディアセンターPCを10月15日から発売する。ハイエンドオーディオモデル「VT-100」と、エントリーモデルの「VT-50」の2機種をラインナップし、価格は「VT-100」が798,000円、「VT-50 スタンダードモデル」が168,000円、VT-50から光デジタル入力と同軸出力を省いた「VT-50 ベーシックモデル」が158,000円。

 どちらも、Windows XP Professionalをベースに、音楽や映像などのエンターテイメント性能を手軽に扱うための改良を加えた新OS「Windows XP Media Center Edition 2004」を搭載。リビングなどでの利用を想定した独自のGUIを装備しており、音楽やDVD鑑賞、キャプチャカードを使った録画などを、リモコンだけで行なえるという。


 ■ VT-100

VT-100

 デノンが制作した、8mm厚の横型アルミ筐体を採用したモデル。単品CDプレーヤーのような、オーディオ機器風の外観が特徴で、同社も「ハイエンドオーディオモデル」と名付けている。

 電源やCPUファンなどの静穏化と、ノイズの低減にこだわったという。電源は、ファンレスのドイツ製を採用しており、出力は360W。電源ケーブルは着脱式で、標準でトランスペアレントの「PowerLink Super」が付属している。

 CPUクーラーは、9cmの大型ファンを毎分1,700回転の低速で駆動させることで、ノイズや騒音の発生を低減。また、ビデオカードのグラフィックチップはファンレス仕様のRADEON 9600を採用。さらに、ケースファンも装備しておらず、筐体上部に放熱穴を設けるなどして放熱対策をしている。

 なお、具体的な騒音レベルなどは、「無響音室の手配がまだのため、計測していない」(同社)。だが、発表会で展示された機体は、かなり筐体に耳を近づけないと、起動していることがわからないレベルだった。

前面にUSB端子を2系統装備 オーディオ機器に見える電源スイッチ周りだが、HDDのアクセスランプが見える DVD+RWドライブを搭載

電源はファンレス仕様。ケースファンもカバーはあるが、ファンそのものは搭載していない 電源ケーブルは着脱式。同社での試聴の結果、トランスペアレントの「PowerLink Super」が付属している 放熱は、本体上部からも行なう

 CPUはPentium 4 2.6GHz、マザーボードのチップセットはIntel 865PE/ICH5。メモリは1,024MB。HDDはUltraATA/133の250GB。ビデオカードのビデオメモリは256MBで、映像出力端子は、D-sub15ピンとS映像、DVI端子も装備する。

アナログ5.1ch出力も装備する

 サウンドカードはEgo Systemsの「Waveterminal 192X」を搭載。24ビット、192kHzの録音・再生に対応したDAC/ADCを装備しており、録音時のダイナミックレンジは123dB、再生時は106dB。音声出力端子は、光、同軸デジタル出力と、アナログ5.1ch出力を各1系統装備。入力は、光デジタルを1系統、同軸を2系統用意する。

 ドライブはDVD+RWドライブを1基搭載。USB端子は前面に2系統、背面に4系統の計6系統装備しており、USB接続のFDDが付属。ほかにも、ワイヤレスキーボード/マウス、赤外線リモコンが付属する。

 ディスクの再生は、Media Center Editionのメニューから行なえるほか、ディスプレイなどを接続しない環境でも、リモコンだけで通常のオーディオコンポーネントのように操作可能。

 さらに同社では、WAVEファイルをCDから作成後、外部DACを接続して「HDDトランスポート」として使用する提案をしている。ただし、Media Center Editionに専用のカスタム設定が追加されているわけではなく、ユーザーが自身で録音機能の設定を変えてなければならない。

 また、ピクセラ製のテレビキャプチャカードを内蔵。Media Center Editionを使ったテレビ録画・視聴が可能なほか、付属のDVD+RWドライブと組み合わせて、DVDレコーダとしても利用できる。

 外形寸法は、433×446×158mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約30kg。消費電力は420W。インシュレータは着脱式のものを採用している。

リモコン。高級感のあるリモコンもオプションで用意する予定とのこと リモコン受光部はフロント液晶パネル部に内蔵されている。なお、音楽ファイルのタイトル情報などを表示する高機能版の液晶パネルもオプションで発売する予定 インシュレータは交換可能


 ■ VT-50 スタンダードモデル

 手軽にメディアセンターPCを体験できるというエントリーモデル。筐体は通常のPCケースだが、ファンレスの電源を採用し、ケースファンも省くなど、静穏・低ノイズを実現したという。

VT-50 前面にUSB端子やマイクインなどを用意する

 CPUは、AthlonXP 2000+を搭載。マザーボードのチップセットはVIA KM266AとVT8235。メモリは512MB。HDDはUltraATA/133の80GBで、グラフィックチップはファンレスのRADEON 9200SE ビデオメモリ128MB版を採用している。

 本体にテレビキャプチャカードを搭載。映像出力はD-sub15ピンとS映像を各1系統。音声出力は、光デジタルと同軸デジタル、5.1chのアナログ出力を各1系統装備。音声入力は、光デジタル、同軸デジタル、アナログ、マイクを各1系統備える。なお、光デジタル入力と同軸出力を省いた「ベーシックモデル」も用意され、価格は158,000円。

 ドライブはFDDとDVD-ROMドライブを内蔵。USB端子は前面2系統、背面4系統の計6系統装備。USB接続のキーボードと、オプティカルマウスが付属する。外形寸法は137×385×357mm(幅×奥行き×高さ)。消費電力は300W。


 ■ オーディオルームに置けるPCを

西和彦氏

 メディアセンターPCのプロデュースを担当した西和彦氏は「Media Center Editionは、Windows XPのバージョンの1つだと考えられているが、そうではない。これは、オフィスを席巻したマイクロソフトが、家庭へ進出した第1歩だ」と述べ、Media Center Editionに対する期待を示した。

 さらに、「ワープロ専用機が、PCのワープロソフトに駆逐されたように、市場は専用機から始まり、汎用機へ移るもの。現在HDD/DVDレコーダなどが売れているが、これらの専用機は、いずれ録画機能を持ったメディアセンターPCに取って代わられるだろう」と語り、同氏によるメディアセンターPCという新しい製品の今後を予測した。なお、年内の予想販売台数は、「VT-100」が月産10~100台、「VT-50」が月産100~1,000台。

 視聴に使われた機器は、パワーアンプがKRELL「450Mcx」(ペア:360万円)。プリアンプもKRELLの「KCT」(165万円)。D/Aコンバータは、デノンの「DCD-S1」(50万円) のDAC部。スピーカーがWILSON AUDIOの「SYSTEM-7」(ペア:360万)という豪華なシステム。また、音質比較用に70万円のアキュフェーズのSACDトランスポート「DP-100」も用意された。

 VT-100とDP-100の比較は、接続ケーブルにそれぞれ光デジタルと同軸デジタルを使用するなど、環境が異なるため、厳密な比較は困難だった。その場で聴いた限りでは、DP-100の方が音質的に好ましく思ったが、VT-100も今までのメーカー製PCとは比較にならない音質を実現していることは確かだった。

 会場から「ほとんど違いがわからない」という声が出ると、西氏は「同様の価格なら、メディアセンターPCを選ぶ人もいるのではないか」と答えた。

WILSON AUDIOの「SYSTEM-7」と、KRELL「450Mcx」 アキュフェーズのSACDトランスポート「DP-100」 KRELLの「KCT」

□ビジュアルテクノロジーのホームページ
http://v-t.jp/
□製品情報
http://v-t.jp/mcpc/
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-80万円の高級機や、13万円の廉価機など搭載PCが登場
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031015/ms.htm

(2003年10月15日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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