エプソン、レンズシフト搭載720p対応ホームプロジェクタ －dreamioシリーズ第2弾。D4パネルを初採用

EMP-TW500

10月24日より順次発売 標準価格：「EMP-TW500」498,000円 　　　　　　「EMP-TW200」268,000円 連絡先：プロジェクターインフォメーションセンター 　　　　　Tel.0570-004110

　セイコーエプソン株式会社は、縦横レンズシフト機構を搭載したホームシアター向けプロジェクタ「EMP-TW500」と「EMP-TW200」を発表した。TW500を12月初旬、TW200を10月24日に発売する。価格はTW500が498,000円、TW200が268,000円。

　ともに「dreamio(ドリーミオ)」ブランドの新製品で、8月発売の「EMP-TW10」の上位モデル。従来機種「ELP-TW100」の後継機種でもあり、今回はデータプロジェクタの流用ではなく、ホームシアター用として専用設計されている。

■ EMP-TW500

　遮光状態の良好なシアタールームなど、本格的な視聴に向くというホームシアター向けプロジェクタ。明るさよりは、コントラスト、色再現性、黒の沈み込みを重視し、ハイアマチュアをターゲットにしている。

　液晶パネルは0.7型1,280×720ドットのポリシリコンTFTパネルを採用。開口率を向上させた「D4パネル」を民生機として初めて搭載した。また、各画素への集光率を高めるため、マイクロレンズを装着している。

正面	背面	側面

　光源は200W UHEで、コントラスト比は1,200：1。光学絞りも採用し、コントラストを高めたという。縦横レンズシフト機能を備えた光学1.5倍ズームレンズを搭載し、上下最大2.5画面分、左右最大2画面分のシフトが可能。100型(16：9)の最短投写距離は3mとなっている。なお、ズームとフォーカスは電動式で、リモコンからも操作できる。

　カラープロセッシングを従来の8bitから10bitとし、色再現性を向上させた。カラーモードは「ダイナミック」、「リビング」、「sRGB」、「ナチュラル」、「シアター」、「シアターブラック」の6モードを選択できる。

リモコン

　また、新カラーマネジメント技術「ColorReality2」を搭載。3次元デジタル色ムラ補正、3次元デジタルガンマ補正などを総称したもので、特に明部の階調性が向上したという。具体的には、従来では不可能だった100IRE以上の白をつぶさずに表示でき、「雲のハイライトなどの表現が向上した」としている。

　ダイナミックとリビング以外では「EMP-TW10」と同じく、電動式の「エプソンシネマフィルター」が作動する。シネマフィルターを個別にON/OFFすることは不可能で、必ずカラーモードと合わせて使用する。カラーモードを指定後、絞り、ランプ出力、黒白伸張、RGBのオフセット/ゲイン/ガンマ、RGBCMYの色相/彩度については手動で再設定できる。

　プログレッシブ化に生じるジャギーを軽減するため、ファロージャのDCDiを採用した。また、3次元YC分離回路やテストパターン(クロスハッチとグレースケール)の表示機能も搭載している。

0.7型の「D4パネル」を初搭載	レンズシフトの説明。左右と上下のシフトに対応している

　画質調整はパソコン上でも可能で、パソコンとはUSB、RS-232C、Ethernetで接続する。専用ソフト「シネマカラーエディタ」の対応OSは、Windows 98 SE/Me/2000/XP、Mac OS 8.6/9.2.x/10.1.5以降/10.2.x以降。調整データの保存数に制限はなく、同社では「映画ソフトごとに調整したり、複数人で共有する」といった提案をしている。なお、Ethernet経由で本体のステータス情報を確認する機能も搭載する。

　映像入力に同社初のHDMI入力を搭載。そのほか、コンポーネント(RCA)×2、D4×1、S映像×1、コンポジット×1を装備する。動作音は28dB(シアターブラック/シアターモード時)。投写開始までの時間は約15秒で、電源OFFからクールダウン終了までは約30秒となっている。

■ EMP-TW200

　TW500と同じく、0.7型1,280×720ドットの液晶パネルを採用するが、光学絞りをなくし、輝度を1,300ルーメンに高めたモデル。遮光の十分でないリビングルームなどでの使用を前提としており、よりカジュアルユースに向けた製品としている。コントラスト比は800：1。

　光学絞り以外の主な違いは、パネルのマイクロレンズアレイを省略したことと、入力端子を簡略化したこと。具体的には、HDMI入力の代わりにD-Sub15ピンのアナログRGB入力を搭載し、コンポーネント入力を2系統から1系統に減らしている。また、DCDiやEthernet端子も装備していない。

　そのほかの機能はTW500を踏襲。レンズ部も共通で、電動ズーム、電動フォーカスを採用する。パソコンとの接続も可能で、エプソンカラーエディタも同様に利用できる。

EPM-TW200	レンズシフトノブ	背面

■ ホームシアター需要を喚起する店頭キャンペーンも実施

エプソン販売 真道昌良社長

　エプソン販売では、11月中旬より同社のサイトでTW500/200用の色調整データを配布する予定。また、店頭では「映画館を持ち帰ろうキャンペーン」を11月1日から実施する。

　TW500/200/10購入者のうち、先着5,000名に「おうちで映画館をつくれる雰囲気グッズ」を封入した「おうちde映画缶」を進呈するというもの。封入物の詳細は非公開。また、抽選で20名にオムロン製マッサージチェア「pisu style(ピーィス スタイル)」をプレゼントする。なお同キャンペーンは、既にEMP-TW10を購入したユーザーも応募が可能になる予定。

　エプソン販売の真道昌良社長は「dreamioブランド第1弾、EMP-TW10は発売以来、ナンバー1の地位を得ている」と報告。現在、約500店舗で取り扱っているが、体験型の展示は200店舗ほど。TW500/200の発売を機に、体験型展示を増加させる。11月からは柴咲コウさん主演のテレビCMも放映。3機種合わせて「年間45,000台ほどの規模にしたい」(同)という。

　TW10の購入者層は「40代から50代が多い」(同)という。今後は店頭での販促などを足がかりに、本来の狙いである30才前後をはじめ、購買層の拡大を図っていくという。

プレゼント品のおうちde映画缶。中身は関係者にも秘密	抽選20名のマッサージチェア「pisu style(ピーィス スタイル)」

【主な仕様】

	EMP-TW500	EMP-TW200
液晶パネル	0.7型ワイドポリシリコンTFT (マイクロレンズ付き)	0.7型ワイドポリシリコンTFT
パネル解像度	1,280×720ドット
表示解像度	XGA、SVGA、VGA	SXGA、XGA、SVGA、VGA
光源	200W UHE
最大輝度	1,000ルーメン	1,300ルーメン
コントラスト比	1,200：1	800：1
カラープロセッシング	10bit	8bit
レンズ	1.5倍電動ズーム/フォーカス (F2.1～4.3)
レンズシフト	○
対応ビデオ信号	480i、480p、1080i、720p
映像入力	コンポーネント(RCA)×2 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 HDMI×1	コンポーネント×1 D4×1 S映像×1 コンポジット×1 アナログRGB×1
その他接続端子	USB×1 Ethernet×1 RS-232C×1 トリガーアウト×1	USB×1 RS-232C×1 トリガーアウト×1
動作音レベル	27dB	28dB
外形寸法 (幅×奥行き×高さ)	450×345×119mm	440×320×114mm
重量	6.2kg	5.3kg

□セイコーエプソンのホームページ
http://www.epson.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.epson.co.jp/osirase/2003/031016.htm
□製品情報
http://www.i-love-epson.co.jp/products/elp/dreamio/
□関連記事
【10月14日】エプソン、ホームシアター用液晶パネル「D4シリーズ」を本格量産
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031014/epson.htm
【8月26日】エプソン、16：9パネル搭載の低価格ホームプロジェクタ
－168,000円。新ブランド「dreamio(ドリーミオ)」の第1弾
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030826/epson.htm
【3月26日】エプソン、高開口率のプロジェクタ向け液晶パネル「D4シリーズ」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030326/epson.htm
【2002年1月21日】エプソン、ワイドSXGA液晶でホームシアター市場に参入
－ファロージャDCDi搭載、実売は50万円弱
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020121/epson.htm

(2003年10月16日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]

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