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地上デジタル/BSデジタルの全番組が来春よりコピーワンスに
−デジタルチューナ搭載PC用キャプチャカードの可能性は?


左から民放連・地上デジタル放送特別委員会委員長(テレビ新潟放送網代表取締役会長) 北川 信氏、日本放送協会理事 和崎信哉氏、ビーエス日本代表取締役会長、漆戸靖治氏

11月17日発表

連絡先:コピー制御お問合わせセンター
    Tel.0570-000-288(10〜20時)


司会のフジテレビ 高木広子アナウンサー
 日本放送協会(NHK)と、社団法人日本民間放送連盟(NAB)は17日、2004年4月からBSデジタル放送と地上デジタル放送に導入する「コピー制御方式」について、報道関係者向けに説明会を開催した。

 2004年4月から、2002年6月に総務省令の一部が改正されて無料放送についてもコンテンツ権利保護方式の導入が可能となったことを受けて、BSデジタル放送と地上デジタル放送でコピー制御信号(CCI 〜Copy Control Information)が導入される。

 コピー制御の導入を一番強く要請したのは「ハリウッドなどの映画業界」としており、それ以外にも「音楽業界や芸能プロダクションなど、さまざまなコンテンツホルダーが導入を希望している」という。

 今回導入するに至った経緯を、民放連・地上デジタル放送特別委員会委員長 北川 信氏(テレビ新潟放送網代表取締役会長)は、「デジタル放送になると、劣化なしに不正コピーが簡単に作れるようになり、インターネットに流出したりすることもある。そうすると、結果的にアーティストが楽曲を提供しなくなったり、タレントが出演を拒否したりする可能性もある」と説明。

 「そのため、1回だけ録画は可能だが、ダビングはできないというコピー制御を導入するにいたった。これにより、視聴者が個人的に録画して楽しむ分には何の支障もなく、放送局は良質な番組、出演者が確保できる」とし、不正を防ぎつつ、一般の視聴者の権利を守るというバランスをとったことを強調した。

 また、「本当に優秀なハッカーなら、コピー制御を破るのは不可能ではないだろう。それには、イタチゴッコになったとしても新しい技術で対処していくが、今回のコピー制御の導入は不正コピーできないことだけではなく、著作権に対する啓蒙の意味もある」と導入する意義を語った。

 日本放送協会理事 和崎信哉氏は、「BSデジタル放送が開始した2000年12月から2001年1月にかけて、一斉に不正コピーが出回った。地上デジタルも始めるにあたって、最もスピーディーに確実に制御できる方法が、今回採用した方法だった」と話した。

 また、「1社でも抜け落ちると、そこから出回るので、地上デジタル127社、BS民放5社、NHKのすべての放送事業者の対応が前提。今回の方法は、放送事業者や家電メーカーと話し合った末に採用した」。

 「こういった仕組みの場合、無反応な不正チューナを排除することが必要で、そのため放送は暗号化される。それを、正しい受信機にB-CASを差して受信することで、暗号が解読され、視聴できるようになる」という。

 コピー制御はコピーワンスとなっており、2004年4月から地上デジタルテレビ放送とBSデジタルテレビ放送は「原則として、『1回だけの録画可能』のコピー制御信号が加えられ」、「放送が暗号化されるため、その解除のため受信機へのB-CASカードの挿入が必須」となる。

今までのBSデジタル放送は、無料放送についてはB-CASカードが入っていなくても、視聴することができた。しかし、2004年4月以降はB-CASカードを入れないとBSデジタル/地上デジタルテレビを見ることができなくなる。

B-CASカード

 初期に販売されたBSデジタル受信機に付属していたB-CASカードの一部(2000番シリーズ)には、今回のコピー制御方式に対応したデータが書き込まれていない。2000番台の未対応カードは、地上デジタルとの複合機が登場する今秋まで販売されており、約180万枚程度出荷されているという。

 そのため、BSデジタル放送では10月1日より「コンテンツ権利保護対応データ」を放送波で送信し、データの書き込みを行なっている。また、B-CASカードが対応しているかどうかを確認できる「ヘルプチャンネル(データ放送707)」を2004年2月から開始する予定。

 なお、B-CASカードを紛失や破損している場合は、株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズで受け付ける。再発行料金は2,000円で、2004年4月までの移行期間として「特別に配慮してもらった価格で、通常の再発行料金よりかなり格安」としている

BSデジタル放送では、受信機へのB-CASカードの挿入をお願いする、ミニ番組やスポット放送を行なう

 今回のコピー制御の導入に視聴者が影響を受けるのは、デジタル機器へのコピーが不可能になること。さらに、DVD-R、DVD+R、DVD+RW、DVD-RWのビデオモードや、CPRM非対応のメディアへの録画もできない。ハイブリッドレコーダでHDDに録画した場合、CPRM対応メディアへの移動のみ可能で、コピーは不可能。なお、VHSなどへのアナログ録画は従来通り行なえる。

 「番組の中でのコーナーごとに、コピー制御を入れたり入れなかったりするのは難しい」としており、原則的にニュースやCMを含むすべてのデジタルテレビ放送にコピー制御がかかることになる。ただし、「緊急放送であれば、その重大性を考慮してコピー制御を外して放送することはシステム的に可能だ。その判断は各局が行なうことになる」という。

 また現在のところNHK、NABとも、「コピーワンス以外を導入することは考えていない」としており。将来的に「ネバーコピー」の設定を主張してくるアーティストなどが現れた場合も、「個人の録画の自由は守られるべきであり、一切コピーができないネバーコピーを導入する可能性はないと考えている」とした。

 DIGAなどで実現されている、メモリーカードなどに低解像に変換する機器については、NHK総合企画室(デジタル放送推進室)担当局長 榎並和雅氏は、「記録型DVDと同じコピー制御がされると」と説明。また、PC用のデジタルチューナ搭載キャプチャカードの可能性については、「コピーが作られる危険性があるので、(PCIを含む)バスにデータを流すことはしない。現在のアナログチューナを搭載したTVキャプチャカードのような製品は、デジタル放送ではないだろう」と話した。

 なお、2005年より予定されている携帯電話向けの地上デジタル放送については、「コピー制御方式はどうなるか、現在、検討している段階」という。

インターネットオークションや、ブロードバンド環境の普及により海賊行為を助長する環境が整ってきたという
海賊版のビデオCDでは、オンエアー時の臨時ニュースなどのテロップもそのまま入っている それぞれ左が海賊版で、右が正規版

□社団法人地上デジタル推進協会(D-PA)のホームページ
http://www.d-pa.org/
□社団法人BSデジタル推進協会(BPA)のホームページ
http://www.bpa.or.jp/
□ニュースリリース
http://www.nhk.or.jp/digital/news/031117/index.html
□関連記事
【10月1日】BSデジタル放送、NHKと民放無料放送にもコピーワンスを適用
−視聴・録画にB-CASカードが必須に。来年4月から
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031001/bsd.htm
【5月23日】地上デジタル推進全国会議設立総会が開催
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030523/gdb.htm

(2003年11月17日)

[AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]


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