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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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社団法人日本映像ソフト協会(JVA)は18日、2003年から2007年までのビデオソフト市場予測の調査結果を発表した。2003年のセルDVDは6,903万7,000枚、2,140億1,400万円の売上と予測した。 今回の発表は、WebアンケートをもとにDVD再生環境を調査し、その結果をベースに現在の利用世帯数を算出、さらに同協会および株式会社文化科学研究所が定義した普及シナリオに当てはめて導き出したもの。普及値の条件として「DVD専用プレーヤー単体で最終普及8割」、「DVD再生機器のうち、ゲーム機やパソコンは専用機カテゴリに吸収されていく」などを挙げている。
調査によると、2003年9月末でのDVDの推定普及世帯は2,169万世帯、普及率は46.1%。台数ベースでは、専用プレーヤーや録再機などの家電が994万台、プレイステーション 2(PS2)などのゲーム機が1,121万台、DVD-ROMや記録型DVDドライブ搭載パソコンが1,330万台。 また、「実際にDVDを利用してるか」を表す利用世帯数は1,901万世帯、世帯利用率40.4%となった。普及率に対し5.7%減少しているが、これはゲーム機グループやパソコングループの利用率が低いためだという。 これらの結果のもととなったのが、DVDおよびVHS機器の所有者を対象にしたWebアンケートで、8月に実施。有効回答数は1,208、調査対象は12~59才の男女。DVDプレーヤーだけでなく、DVDが再生できるゲーム機やパソコン所有者を含んでいる。アンケートの結果は以下の通り。
所有機器はPS2が42.9%と最も多く、以下、DVD対応デスクトップパソコンが34.9%、据置型DVDプレーヤーが23.1%と続く。これらの重複保有も多く、家電、ゲーム、パソコン系を2系統以上保有する層は47%に上った。メインに使っていると想定される機器ごとに分類しなおすと、家電グループ45.8%、ゲーム機グループ31.3%、パソコングループ22.9%という結果になった。
再生機器所有者のDVD利用頻度は、月1回程度が22.9%と最も多い。また、13.7%が半年に1回程度と回答するなど、所有と利用が必ずしも一致していない状況がわかる。この傾向はパソコングループで高く、ここ半年間でDVDビデオを一切見ていない人は、パソコングループでは26.7%にのぼった。 なお、DVD再生機器を所有していない層の購入意向は85.7%と高い。希望購入の1位は「HDDが付いた録再機」(29.5%)。次いで「据置型DVD再生プレーヤー」(20.1%)、「DVD録画/再生プレーヤー」(HDDなし、15.1%)が支持された。
過去1年間でのソフトの購入枚数を見ると、43.5%が「1枚も購入なし」となっている。過去1年間での平均購入枚数は、全体が3.3枚、家電グループが5.8枚、ゲーム機グループが2.5枚、パソコングループが1.7枚。 平均所有枚数は6.9枚。グループ別では、家電グループ12.1枚、ゲーム機グループ5.1枚、パソコングループ3.3枚。ここでも全体の35%が「所有枚数=0」と答えており、非所有率は、家電グループが16.2%、ゲーム機グループが30.8%、パソコングループが40%となっている。 過去1年間の購入ジャンルのトップは「海外の映画」(64.1%)。以下、日本の音楽ビデオ(30.9%)、日本の映画(18.7%)と続く。所有機器グループ別でも傾向は変わらないが、家電・ゲーム機グループでそれぞれ3.9%、3%の「アダルトビデオ」が、パソコングループでは7.5%と比較的高い。
DVDレンタル利用者の割合は70.6%。過去1年間では60.5%となった。最近1年間で利用していない層は、全体が29.4%、家電グループが14.1%、ゲーム機グループが17.9%、パソコングループが35.6%。 1回あたりのレンタル本数は「1枚」が最も多く、46.5%となった。ただし、平均レンタル数は昨年より幾分多い2枚と増加した。ジャンルでは「海外の映画」、「日本の映画」が強く、セルで多かった音楽ビデオは、海外、日本とも少ない。また、VHSのレンタルに比べ、子供向けアニメより一般向けアニメの比率が高い。 DVDレンタルの品揃えについては「特に不満がない」が18.3%しかなく、改善の余地ありと見られる。ただし、昨年調査時には同じ回答が7.5%だったため、この1年で充実した店舗も多いと思われる。具体的な不満は、「全体的に枚数が少ない」(27.7%)、「新作タイトルの在庫が少ない」(15.6%)、「旧作の作品数が少ない」(13.9%)が目立った。 DVDレンタルの利用しない理由としては、「レンタルはVHSでよい」という回答が35.7%と多かった。特にパソコングループでは57.6%にのぼり、DVD搭載パソコンが映像再生機器として活用されていない状況が見て取れる。 同じタイトルがDVDとVHSの双方にあった場合は、「DVDをレンタルする」が62.1%、「VHSをレンタルする」が31.4%、「特に意識せず、目に付いた方」が6.5%となった。
なお、今回のアンケートでは、ブロードバンドによる映像配信についても質問している。「インターネットでの動画映像鑑賞経験」では、全体の67.5%が何らかの動画コンテンツを視聴したという結果が出た。しかし、有料コンテンツはそのうち4.1%にすぎない。 視聴した有料コンテンツのうち、ジャンルとしてはアダルトビデオ(37.5%)、一般向けアニメーション(31.3%)、日本の音楽ビデオ(18.8%)がトップ3。また、全体の50%が視聴時のトラブルを訴えており、同協会は「アダルトが多くを占めるなど、いまだ市場として未成熟な段階」とまとめた。 児玉昭義専務理事も「ブロードバンドの映像系コンテンツは今のところ、DVDなどの広告媒体として機能していることが多い。我々にとってマイナスのメディアではなく、プロモーション的な関わりもある」とフォローした。
□JVAのホームページ (2003年12月18日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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