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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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■ SENNHEISER、ハイエンド~ミドルレンジのヘッドフォンを大幅拡充
ヘッドフォンの老舗ブランドとしてオーディオファンに人気の高いSENNHEISERから、ハイエンドの「500シリーズ」を3モデルリリースする。 「HD595」、「HD555」、「HD515」は、ダイナミック型オープンエアタイプの新製品。従来の500シリーズから、デザインが大幅に変更されている。 今回は新たに「Eargonomic Acoustic Refinement"」(E.A.R.)システムを採用した。スピーカー部が3軸で自由に角度が変えられるため、頭のサイズや形状に関わらず、自然なフィット感が得られるという。さらにHD 555、HD 595では、イヤーパッドにビロードっぽいしっとり感のある素材を使った「Moisture-regulating Ear Pads」を採用し、より高いフィット感を実現している。 装着してみると確かに自然な形でフィットし、頭のデカい筆者でも両脇から締め付けられる感じが少ない。耳たぶ全部がすっぽり入るサイズだが、蒸れた感じがなく、長時間のリスニングでも快適に使えそうだ。 HD595と555はデザイン的にそっくりだが、595のほうがチタンカラーを採用して、高級感のある仕上げとなっている。 スペックを見る限り、今回の新モデルでは、従来機に比べ許容入力がかなり大きくなっているのが共通の特徴のようだ。基本スペックは以下の通り。
■ SHURE Eシリーズにスタイリッシュな新モデル 昨年のCESでデビューしたハイエンドイヤフォンEシリーズに、ニューモデル「E3c」が加わった。E3cは、ユニット部を小型化し、白いボディでまとめたモデル。現在発売されているE2cとE5cの中間に位置する
装着法は従来モデルと同じで、ケーブルが前に出るように装着し、耳の上を通して後に回す独特のスタイル。ノイズガード用のフィットラバーは8種類付属して、価格は179ドル。 ブースではMP3プレーヤーと組み合わせると最適として、iPodをソースにデモを行なっていた。装着してみたところ、ユニットが小型で軽量なので、装着にも違和感がない。遮音感はラバーが同じなので、従来モデルと同等だ。
筆者は普段E2cを愛用しているが、音のほうはE2cと比べてあまり違いは感じなかった。もっともソースがiPodなのではっきりわからないということも考えられるが、この価格はユニットの小型化というところに価値があると考えるべきかもしれない。
■ 分岐点を迎えたMP3プレーヤー 現在シリコンオーディオプレーヤーの中心となっているのは韓国と台湾だが、それぞれに特徴がある。台湾メーカーは、USBメモリやHDDにボタンを付けたような型が中心で、まあ早い話がどれを見てもほとんど同じようなものばかりだ。MP3プレーヤーのデベロッパーを一同に集めた「MP3 & Internet Audio Tech Zone」には、まさに台湾の町工場のノリで、小さなブースが有象無象のMP3プレーヤーを並べていた。まだちょっとしたミテクレと、価格だけで差別化を図る段階と言えるだろう。
一方韓国は、MP3プレーヤーの枠を超えていろいろな機能を一緒に盛り込み、すべてをここに集約しようという勢いが感じられる。iReverなどもそうだが、このまま行けばもはやミュージックプレーヤーとは呼べないエリアにまで突入しそうだ。 SamsungのMP3ブランド「Yepp」のスポーツモデル「YP-60」は、単にスポーツ時にも音楽が楽しめるというだけではない。ボディ上部にセンサーが埋め込まれており、そこに指を乗せると心拍数やカロリー消費量を測定してグラフで表示できる。ブースではエアロバイクに乗ったおねえさんがデモンストレーションを行なっていた。
オマケといえばオマケの機能だが、差別化もここまでくるとなんだか意味もなく欲しくなってしまう。またSamsungのような資金力のあるところは、サウンドエフェクトとしてSRSの「WOW」を搭載するなど、本業のサウンド面でも他メーカーとの差別化を計っている。
■ 岐路に立つ日本の音楽ダウンロードサービス さて、差別化という意味では、iPodとiTunesのように音楽ダウンロードサービスとハードウェアを組み合わせる例がここ米国ではトレンドになりつつある。ポータブルサウンド業界ではまったく認知度がないHPがさっそくこれに相乗りするなど、もともと家電ではなくPC業界なだけに、その動きも激しい。
Yeppの「YP-910」は20GB HDDを搭載するミュージックプレーヤーだが、Napsterのダウンロードサービス対応をうたったモデルだ。 一度はケチがついたNapsterの名前だが、NapsterブランドのCD-Rも登場するなどの動きも見られた。
いかにしてコンシューマでクリーンなイメージに仕上げることができるのか、今後の動向に注目したい。 一方で米SONYが発表した音楽ダウンロードサービス「Connect」は、iTunes Music Storeと同じ価格で真っ向からぶつけてきた。これに乗せてSONYが売るハードウェアは、新フォーマットHi-MD対応MDプレーヤーやCDプレーヤー、ネットワークウォークマンである。
ただ個人的には、サービスとハードウェアが1対1という図式は、あまりいいものではないと思っている。熱心なMacintoshユーザーは別として、Windowsユーザーにはプレーヤーの選択肢が多いからだ。ハードウェアを買い換えたら曲も全部買い直し、というのでは、あまりにもイケてない。 一方日本では、SONYがすでにBitMusicというサービスを行なっており、昨年12月に値下げしたばかりだ。だが未だその姿は、成功とは言い難い。値下げしたとはいえ、最安値で1曲158円と、米国で99セントというフィット感に対して、割高感とまでは言わないが、中途半端感を感じてしまう。せめて缶ジュースと同じ120円のような、比較対象がある「ピッタリ感」が欲しいところだ。 米SONYのConnect担当マネージャー氏に話を聞いたところ、Connectは米SONYが米国内で立ち上げるサービスであり、日本でこのサービスを展開することはないという回答であった。ちなみに彼女は、本社が日本で先行して行なっている同じようなサービスであるはずの「BitMusic」という名前すら知らなかった。両者はまったく無関係に存在していると考えていいだろう。 日本ではBitMusicのほかにも、大手レコード会社12社による出資で設立された「レーベルゲート」がある。しかし、米国で次々に始動してくるダウンロードサービスが日本にやってきて価格勝負になってきたとき、それに耐えうるだけの魅力的な品揃えとハードウェアを供給できる体制を早急に整えなければ、継続は難しいだろう。 特に洋楽ファンは、安いからという理由で輸入盤を購入することに慣れている。ネットでも音楽CDなら、日本にいながら輸入盤を購入することができる。著作権法の違いから、ストレートに「ダウンロードサービスの輸入盤」という話はないと言われているが、物理メディアは輸入OKでダウンロードはダメ、ということにユーザーが納得できるか、難しいところだ。 日本のユーザーは、商売のやり方に対して強く抗議したり反発したりという、わかりやすいアクションを起こさない。そのかわり、ダメだとわかれば一斉に見向きもしなくなる。
日本での音楽ダウンロードサービスの成功は、非常に重要だ。なぜならば、その後に続くブロードバンドの映像コンテンツ配信サービスのたたき台となるからだ。今年、この決着次第で、世界と一緒に未来へ進むのか、それとも米国と韓国に置いて行かれ「メディア鎖国」状態に陥るのかが決まると見ている。
□2004 International CESのホームページ (2004年1月12日)
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