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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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株式会社日立製作所は、新パネル採用の55V型プラズマテレビ「5500」シリーズを3月上旬に発売する。ディスプレイ部とチューナ部を別売し、ディスプレイ部は、サイドスピーカータイプの「W55-P5500S」とアンダースピーカータイプの「W55-P5500U」をラインナップし、価格は共に107万円。 チューナ部(AVCステーション)は用途別に4種類を用意。そのうち3種類に地上/BS/110度CSデジタルチューナを搭載し、「AVC-HR5500」にはタイムシフト機能付きのHDDを内蔵。「AVC-HW5500」にはインターネット接続機能を採用する。 ディスプレイ、AVCステーションの価格と発売日は以下の通り。
■ 高輝度e-ALISパネルを初めて採用
従来より日立製プラズマテレビのパネルは、主に富士通日立プラズマディスプレイ株式会社(FHP)が供給する「ALIS(Alternate Lighting of Surfaces Method)」パネルを採用している。ALIS方式では42V型が最大だったため、日立では50V型のみFHP以外のメーカーから調達していた。今回の55V型はFHP最大のパネルとなる。 e-ALISは、ALIS方式を大画面用に発展させたもので、前面パネルにはALISと同じく共通電極構造を採用。ただし、奇数ラインと偶数ラインを交互にアドレスした後、交互発光ではなく、全ラインを一斉に発光するのが特徴。電極数がほかの方式に比べて約半分で済み(縦解像度+アドレス用1本)、高開口率につながるという。また、新たに背面パネルに格子状セルを採用し、発光面積を増やしている。 パネル解像度は1,366×768ドットで、輝度は1,000cd/m2。「業界トップクラスの輝度」としている。また、現行の「5000シリーズ」と同じ放電ガスを使用し、青色の純度を向上させたという。さらに、AR(アンチリフレクション)フィルムを新たに開発し、反射光を低減したとしている。
e-ALISの42V型以下への展開について、ユビキタスプラットフォームグループのデジタルメディア事業部映像メディア本部長 野田哲夫氏は「あくまでもFHPの見解だが」と前置きした後、「大画面用の技術なので、下のサイズに採用する話は聞いていない」と回答した。
また、5000シリーズからデザインを一新し、サイドスピーカータイプ(W55-P5500S)と、アンダースピーカータイプ(W55-P5500U)が選択できるようになった。「サイドスピーカーは音質、アンダースピーカーは省スペースを求めるユーザーにアピールできる」(同社)としている。 ディスプレイ上面と底面にはアルミ素材を使用し、フレームにも「ミッドナイトサファイア」と呼ぶ新色を採用。さらに、50V型以上では初めてという、リモコンによるスイーベル機構も搭載した。AVCステーションとはこれまで同様、専用のデジタルケーブルで接続する。 スタンド、スピーカー込みのディスプレイ部の外形寸法は、W55-P5500Sが1,554×400×944mm(幅×奥行き×高さ)、W55-P5500Uが1,394×400×1,049mm(同)。重量はそれぞれ78.7kg、79.5kg。
■ 店頭では「録れるプラズマテレビ」を訴求 AVCステーションは5500シリーズ専用。AVC-HR5500は160GB HDDを搭載し、最大14時間のハイビジョン映像を録画できる。追いかけ再生、タイムシフト再生にも対応。AVC-HW5500にはWebブラウザ、メール機能を搭載する。 また、従来製品の5000シリーズ同様、アドバンスドDIPP、巡回型オートノイズキャンセラー、デジタルゴーストリダクションを装備。地上アナログチューナは全モデルともダブルチューナ。ハイビジョンを含む2画面表示、4画面表示にも対応する。 機能的には、5000シリーズと同等だが、プロセッサなどが新パネル専用にチューニングされており、5000シリーズのAVCステーションを5500シリーズのパネルにつなぐことはできない。
映像入出力端子は、i.LINKを1系統2端子、D4入力2系統2端子、S2映像入力3系統3端子、コンポジット入力4系統4端子、モニター出力1系統1端子を搭載(AVC-5500のみi.LINK非搭載)。また、AVC-5500以外は光デジタル音声出力も備えている。外形寸法は、AVC-HR5500以外が430×240×85mm(幅×奥行き×高さ)、AVC-HR5500が430×330×105mm(同)。重量は、AVC-5500が3.4kg、AVC-H5500が3.9kg、AVC-HW5500が3.9kg、AVC-HR5500が6.9kg。 HDD内蔵型のAVC-HR5500についても、従来モデル「AVC-HR5000」と機能は同等。ハイビジョンを最大約14時間録画でき、i.LINK経由でのダビングやムーブに対応する。追いかけ再生、同時録画再生、更新録画、30秒マニュアルスキップ、1.5倍速音声付き早見再生(ハイビジョン/アナログ両チューナに対応)などの機能を搭載している。デジタル放送はEPG予約に対応。アナログ放送の予約ではGコードが利用できる。 現在、ハイブリッドレコーダ市場が拡大しているが、同社は「DVD部を使わないユーザーが大半を占める」と分析している。「中でも女性はダビングをほとんどしない」とし、「レコーダで重要なのはあくまでもHDD」という結論に至ったという。 その上で、プラズマテレビにHDDを内蔵する意義について、「追いかけ再生をはじめ、録画・再生はテレビの機能」と説明。ハイブリッドレコーダではなく、テレビに標準で内蔵するのが望ましいと話す。来春商戦からは「録れるプラズマ」というコピーをAVC-HR5500/5000と各ディスプレイの組み合わせに付与し、店頭展示も積極的に行なうという。
■ 大画面は55Vに移行 野田本部長は、2003年度のプラズマテレビ需要を25万台と想定。2004年度は29万台とした。また、2004年以後はアテネ五輪などのスポーツコンテンツにより、大画面モデルの構成比が伸張すると予測。55V型を「スタジアムサイズ」と銘打ち、「新サイズながら、55V型は新しいデファクトスタンダード」と強調した。
なお同社では、同社製50V型プラズマテレビの購入者にアンケートを行ない、大画面志向のユーザーについて特性を調査している。 それによると、基本的に富裕層で、4分の1がすでにフロントプロジェクタ、リアプロジェクションテレビ、プラズマテレビを所有し、購入時に32V~42Vとのサイズ比較をしなかったという。つまり、「もともと大画面に理解があり、とにかく大きなサイズでないと我慢できない」ユーザー層が浮かび上がった。また、42V型のユーザーについても、17%が「設置できれば50Vにしたかった」と答えている。 「予算を省みず、とにかく大きな画面を求める層がいる」という現実から、新製品のターゲットをこうした大画面志向のユーザーに据えたという。また、現行ラインナップ中の50V型は、順次55V型に置き換える予定。
□日立のホームページ (2004年1月22日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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