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フラットディスプレイのイベント「FPD International」が開幕
-テレビ向けLCD/PDPは韓国・台湾勢が大量出品


会期:10月29日~31日

会場:パシフィコ横浜

入場料:2,000円


 フラットパネルディスプレイの総合展示イベント「FPD International」が29日に開幕した。会場は神奈川県・パシフィコ横浜。入場料は2,000円となっている。

 前回まで「LCD/PDP International」の名称で開催していたイベントで、今回より名称を変更。展示テーマは従来と同じく、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELパネルをはじめ、製造・検査装置、部材、設計支援、応用製品など。主催は日経BP社。


■フルHDプロジェクタ用パネルを実写したセイコーエプソン

 セイコーエプソンは、一連の同社製ホームシアター向け液晶パネルをステージデモなどでアピールした。特に注目なのは、27日発表のフルHD(1080p)対応液晶パネルの、60型リアプロジェクションによる実写展示。

 ただし1080p対応パネルによるデモながら、スクリーンとのマッチングのため、720p相当で表示されているという。それでも来場者の多くが足を止めていた。量産は来春頃になると見られ、フルHDながら、現在の720pのDLPプロジェクタと競合する価格になるという。

 なお、同じフルHDとして4月に発表された1.6型パネルについては、すでに三洋製の業務用機「LP-HD10」で採用されている。同社では、1.3型はホーム用、1.6型はデジタルシネマ用に位置付けるという。

民生向け初のフルHDパネルをリアプロジェクションで実写した D4テクノロジを使用した民生向けフルHD対応1.3型パネル

 エプソンブースには、同社製パネルを採用したフロントプロジェクタやリアプロジェクションテレビが並べられていた。ホームシアター向けのフロントプロジェクタとしては、松下電器「TH-AE500」、三洋「LP-Z2」、東芝「TLP-ET1」、日立「PJ-TX10J」を展示する。

 また、「Photo Fine」という名称の3.8型低温ポリシリコンTFTパネルも参考出品した。非常に薄く、会場には曲げた状態での展示も見られた。解像度は640×480ドット。

左は偏光板に挟み込んだ状態、中央と右は軽くカーブさせたもの

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-フルHD対応ホームシアター向け
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031027/epson.htm


■FHPはe-ALISの55V型パネルを参考展示

 富士通日立プラズマディスプレイ株式会社(FHP)は、8月に開発を発表した「e-ALIS」方式のPDPモジュールを参考出品した。

 e-ALIS(extended-ALIS)方式は、奇数ラインと偶数ラインを60分の1秒ごとに交互に表示していた従来のALISに対し、奇数ラインと偶数ラインを共通電極構造とし、交互にアドレスした後、同時に発光させる技術。見た目の解像度は減少するものの、開口率が向上し、全ラインを同時点灯させるプログレッシブ表示にも対応する。

 会場には、民生向けに製品化済みの42V/37V/32V型パネルに加え、55V型が参考出品された。パネル解像度は1,366×768ドットで、明るさは1,000cd/m2。製品化については未定としている。

参考出品の55V型PDP 32V(上段)、37V(下段左)、42V(下段中央)も展示された

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【8月19日】FHP、新開発e-ALIS方式採用の55V型WXGA PDP
-42V/37V/32V型パネルも輝度を向上
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030819/fhp.htm


■新会社NEC液晶テクノロジーが初出展

 4月にNECから分社して設立された新会社、NEC液晶テクノロジーもブースを構えている。パネルモジュールの展示は、産業用とモニター用が中心だが、23V型ワイドのテレビ向けパネルも出品されていた。すでに出荷済みで、解像度は1,280×768ドット、コントラスト比は350:1。視野角は上下左右85度となっている。

 また、業務用のPDPにも参考出品があった。1つは奥行き45mmの61V型PDP。もう1つは1,024×768ドットの42型HDモデル。

 シャープブースでは、従来から外販を進めている26V/32V/37Vを展示。ただし、テレビ用の新パネルは出品されていなかった。その代わり、多くの来場者の関心はCGシリコン液晶関連に集まり、特にオーディオ回路一体型液晶パネルが注目されていた。

 PDPメーカーであるパイオニアの出展はなく、代わりに、東北パイオニア、シャープなどによる有機ELディスプレイ生産の合弁会社、エルディスがブースを設けていた。参考出品は、4.3型トップエミッションタイプのアクティブ型有機ELディスプレイ。解像度は640×480ドットで、PDAなどへの応用を想定している。

NEC液晶テクノロジーのテレビ向け23V型ワイドパネル シャープブースのオーディオ回路一体型CGシリコン液晶は、視聴室に列ができるほどの人気 エルディスはトップエミッション型の4.3V型有機ELディスプレイを参考出品した
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【2001年2月22日】東北パイオニア、シャープなど3社が有機EL基板の生産会社を設立
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■韓国・台湾メーカーの出展が大幅に増した印象

 今回は例年にも増して、韓国勢など海外メーカーの出展が目に付いた。携帯電話向け、PDP向け、パソコン向け、産業向けと様々な分野をカバーするラインナップをもち、テレビ用のLCD、PDPパネルの展示も多い。

 まず、世界最大となる55V型ワイドLCDを展示したのがLG. Philips LCD。すでにInternational CES 2003など出品した製品で、解像度は1,920×1,080ドット、コントラストは比550:1。ほかにも、テレビ向けとしては、42V/37V/30V/26V型のフルラインナップを出品している。

LG. Philips LCDの世界最大55V型LCD Samusung ElectronicsはLGより1インチ小さい54V型LCDを展示 世界最大のPDPを謳うSamsung SDIの70V型

 一方、Samsung Electronicsは、54V型ワイドLCDを展示した。こちらもすでに発表済みの製品。また、PDPと有機ELを生産するSamsung SDIでは、世界最大という70V型PDPを展示している。解像度は1,498×940ドット。

 そのほか、au optonics(AUO)、Boe Hydis TechnologyChi Mei Optoelectronics(CMO)、HannStar Display Corporationなど、韓国、台湾のパネルメーカーが集結。それぞれテレビ向け大画面パネルをメインにアピールしている。

AUOの50V型PDP。解像度1,366×768ドット、コントラスト比は3,000:1 AUOの46V型LCD。解像度は1,920×1,080ドット、コントラスト比は800:1 Samsung ElectricsはFFL光源とEEFL光源の違いをディスプレイ
CHI MEIは47V型LCDを出品。解像度は1,920×1,080ドット、コントラスト比は800:1 CHI MEIブースには30V/27V型LCDも展示された。解像度はともに1,280×720ドット HannStarの32V型(左)、28V型(右)LCD。IPSより応答速度が速い「AS-IPS」を標榜する

□FPD Internationalのホームページ
http://expo.nikkeibp.co.jp/fpd/
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http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/event/16228.html
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-Samsungの46型液晶などが参考出品
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20021030/fpd.htm
【2001年10月31日】フラットディスプレイの総合イベント「LCD/PDP展」が開幕
-サムスンがテレビ向け40ワイド型TFT液晶を出品
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20011031/fpd.htm

(2003年10月29日)

[AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]


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