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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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パイオニア株式会社は、カーオーディオのハイエンドシリーズ「carrozzeria χ」の新モデルとして、プリメインアンプの「RS-A9χ」とパワーアンプの「RS-A7χ」、CDコントロールレシーバ「RS-D7χ II」を4月中旬に発売する。また、同シリーズとの組み合わせを想定した7.7cm径のミッドレンジユニット「TS-S1RS」も6月上旬に発売する。各モデルの価格は以下の通り。
carrozzeria χシリーズは、'93年に第1弾製品が発売された同社のハイエンドカーオーディオシリーズ。光デジタル伝送とDSPによるデジタルチューニングで、理想の車内音場を作り上げるというODR(Optical Digital Reference)思想に基づいた製品構成となっており、今回発表されたアンプはいずれもデジタルアンプ。各ユニットの接続も光デジタルケーブルを用いている。
■RS-A9χ/A7χ
RS-A9χは、最大出力100W×4ch(4Ω時)、300W×2ch(4Ω時)のデジタルプリメインアンプ。最大の特徴は、車内に設置した各ユニットのクロスオーバーネットワークの調整や、車内音響特性の乱れを補正するイコライザなどのデジタル信号処理に、位相制御が自由で演算誤差が少ないという「FIR(有限インパルス応答)フィルター」を採用したこと。位相の変化がなく、振幅特性のうねりが発生しない「直線位相」と、タイムディレイが発生しない「最小遅延位相」の2モードを選択できる。
また、このFIRフィルターは膨大なDSP演算処理を必要とするため、アナログ・デバイセズの32ビットSHARCプロセッサを左右チャンネルと演算係数生成用に計3基搭載した。これにより、より微小な係数の演算が可能になり、高度な音場のカスタマイズが行なえるようになったという。 A9χとA7χの増幅部の仕様は同じで、A7χの最大出力も100W×4ch(4Ω時)。電流信号を電圧信号に変換する「I/V変換回路」には、オリジナル設計の電流帰還型を採用。さらに、アンプ回路にも電流帰還型を採用しており、レンジが広く、歪みの少ない、ハイスピードなサウンドを実現したという。
入力された信号は内部のサンプリングレートコンバータで96kHzにアップサンプリングされる。DACはバー・ブラウン製の24bit マルチビットDACを採用。マスタークロック回路も内蔵しており、ジッタの低減を図っている。
回路は増幅部、電源部ともに左右チャンネルで完全に独立した、シンメトリー構成。筐体はアルミ製で、シャーシには銅メッキが施されている。ボトムカバーは非磁性体。大型のヒートシンクを装備し、ファンレスとなっている。重量は筐体のみで6kgあり、余分な振動を抑制するという。 スピーカー出力は最大4chまで対応。A9χの入力端子は、光デジタルとIPバスを各1系統用意。出力は光デジタルを3系統、IPバスを1系統備え、2ウェイから4ウェイシステムまで対応可能。RS-A9χがツイータとミッドローまでを担当し、A9χに接続したA7χがサブウーファを駆動する3ウェイや、A9χがツイータとミッド、A7χがローとサブウーファを担当する4ウエイも構築できる。 さらに、A9χ 1台とA7χ 3台をブリッジモードで使用することで、「フルバランスド・ピュアデジタルシステム」が構築可能。内訳は、A9χがツイータ、A7χ 3台がそれぞれミッド、ロー、サブウーファをそれぞれ担当する。 A7χの入力端子は光デジタルを2系統、IPバスを1系統。出力はIPバスを1系統用意するが、光デジタルは装備しない。外形寸法と重量はA9χとA7χで共通。外形寸法は330×585×71mm(幅×奥行き×高さ)。重量は13kg。
■RS-D7χ II 2003年5月に発売された、1DINサイズのCDコントロールレシーバ「RS-D7Dχ」のマイナーチェンジモデル。前モデルとの違いは、RS-A9χとA7χの新機能のコントロールと表示が可能になったこと。 また、前モデルでは緑色だった表示色をパールホワイトの有機ELディスプレイに変更。車内が明るい時の視認性が向上したという。
銅メッキ加工のCDメカシャーシを採用。ディスククランパー部に振動吸収材を使用することにより、ディスク回転時に発生する振動を抑制している。また、高精度のマスタークロック回路も搭載しており、ジッタを低減している。
そのほかにも、カー用のDVDプレーヤーを制御する「DVDコントロール機能」を搭載。チューナ部はFM/AMの受信に対応。CDプレーヤー部はCD-R/RWの再生もサポートする。入力端子は光デジタルとIPバスを各1系統、オプションでライン入力も1系統増設可能。出力はIPバスを1系統備える。
■TS-S1RS カー用のハイエンドスピーカー「RSシリーズ」のミッドレンジ/フルレンジ用ユニット。口径は7.7cm径。新開発のパルプ振動板と、DLC(Diamond Like Carbon)コーティング処理を施したチタン製センターキャップを採用。高い分解能を実現したという。 亜鉛ダイキャスト製のバックチャンバーを装着することで、中域の再生能力を向上させることができ、ツイータとミッドバスとのスムーズなつながりを実現したという。具体的には、非装着時の周波数特性が70Hz~24kHzで、装着時には160Hz~24kHzに変化する。 また、亜鉛ダイキャストのフレームや、耐共振構造のタングステンホルダーを採用。双方にポイント支持構造を採用することで、余分な振動や相互干渉を抑制したという。
■世界最高の音質
モーバイルエンターテイメントカンパニー事業規格部 HQプロジェクト担当部長の豊田邦夫氏は、新しいχシリーズについて「カーオーディオとして最高の音質を目指した。その結果、カーオーディオだけでなく、ホームオーディオのハイエンドとも並ぶ音質が実現した。私自身は“世界最高の音質”だと思っている」と、自信を見せた。
なお、デモではその自信を表すように、音質比較としてアキュフェーズやゴールドムンドの高級システムを用意。ユニットのデモでは、エソテリックのCDトランスポート、アキュフェーズのDAC、マークレビンソンのアンプなどが使われた。 同氏はχシリーズの音質について「巷ではデジタルアンプが盛況だが、厳密にはデジアナアンプが多い。そこで、すべてをデジタル処理するピュア・デジタルアンプを目指した。また、従来モデルは中高音域の評価が高かったが、今回のモデルではユニットも含め、低域のエネルギー感にもこだわっている」と説明した。
□パイオニアのホームページ
(2004年3月24日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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