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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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日本ビクター株式会社は14日、新開発の高画質映像技術「GENESSA」(ジェネッサ)を搭載したプラズマテレビと液晶テレビを発表した。愛称は「EXE」(エグゼ)。
プラズマテレビは42V型の「PD-42DV50」、35V型の「PD-35DV50」を6月上旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、PD-42DV50が58万円前後、PD-35DV50が50万円前後と見られる。 液晶テレビは、32V型の「LT-32LC50B」を6月中旬、「LT-32LC50S」を6月下旬に発売。また、26V型「LT-26LC50B」を6月上旬に、「LT-26LC50S」を6月中旬に発売する。いずれもオープンプライスで、店頭予想価格は、LT-32LC50BとLT-32LC50Sが50万円前後、LT-26LC50BとLT-26LC50Sが40万円前後の見込み。
■ PD-42DV50/35DV50
共にパネル解像度852×480ドット、地上/BS/110度CSデジタルチューナ搭載のプラズマテレビ。先代モデル「PD-42DV4」などから一転し、今回はチューナ・パネル一体型を採用した。 特徴は、32bit CPUを使用したテレビ向け映像処理LSI「GENESSA」と、聴取補助システム「きき楽」を取り入れたこと。どちらもテレビでは初の搭載となる。 GENESSAは、入力映像をリアルタイムでガンマ補正する「インテリジェントγ」、色再現処理の「カラークリエーション」などで構成。4月20日に技術発表しており、その際、2004年夏モデルへの搭載を示唆していた。 インテリジェントγは、フレーム単位でガンマカーブを変化させるのが特徴。動画に対し、16次関数を用いてリアルタイムに階調制御を行なう。暗部や明部の階調を引き出すと同時に、コントラスト感も向上させる。また、コントラストが上がることで、自然な精細感も得られるという。
新たに搭載した「きき楽」は、音声帯域の補正とダイナミックレンジ圧縮を行なう「はっきりトーク」と、音声スピードをゆっくりスタートさせることで聞き取りやすくする「ゆっくりトーク」からなる技術。2002年12月発売のTV/FM/AMラジオ「RF-BF1」で初めて搭載した技術で、テレビへの採用は今回が初めて。 はっきりトークは、聞き取りにくい小さな声(中音域)を大きくし、不快に感じる大きな音を自然な音量に変える。そのため、アナウンサーのニュース原稿や、ドラマのセリフが聞き取りやすくなる。さらに、出力レベルの小さな音を上げる一方、大きな音を下げることで、突然のCMの音量アップなどを抑えることができるという。 ゆっくりトークは、話し始めをゆっくり開始しすることで、会話を聞き取りやすくする技術。バッファリングした音声をまずは低速で再生開始。検出した次の無音部分で会話が止まるよう、徐々に速度を上げる。ニュース番組なら、次の話題に移る前の無音部分で帳尻が合う仕組み。ラジオのRF-BF1では、約6秒間の音声をバッファしていたが、テレビ用にバッファを約2秒に調整したという。
外部入力からの音声にもゆっくりトークを適用可能。ただし、出力はテレビのスピーカーからのみとなる。また、会話と共にBGMが入っている場合は、BGMのテンポが変化してしまう。 ゆっくりトークは、NHK放送技術研究所の技術協力を得て開発したもの。「急速に進展する高齢化社会を見据えた技術」とし、「ストレスなくテレビを楽しめる」という。ラジオやテレビ以外にも、ほかのジャンルへの展開を検討されているという。 また、部屋の明るさにあわせて画面の明るさを自動調節する「E.E.センサー」も搭載。同社のCRTテレビから搭載する機能で、薄型テレビ購入時の重視点として上位にくる「電気代が節約したい」というニーズに応えられるとしている。 搭載チューナは地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタルに対応。「第3世代デジタルワイドGRT(ゴーストリダクション)」や「ノイズクリア」も搭載している。 G-GUIDEによるEPGも装備し、地上アナログ放送の番組表も取得できる。さらに、テレビ向けインターネットサービス「Tナビ」も使用可能。リモコンははっきりトーク、ゆっくりトーク、E.Eセンサー用の独立ボタンを設けた新デザインに変更した。ボタンは、地上アナログ/デジタル、CS1/2/3の放送局選択ボタンのみ発光する。 スピーカーには、駆動点を中心から偏心させた「オブリコーンスピーカー」を採用。ウェイト付きウーファと共にバスレフ構造BOXに搭載、さらにAHB(アクティブ・ハイパー・バス)回路をによる低音強調を行ない、「ハイパワーな低音を再生する」という。
映像入力端子は、コンポーネント×1、D4×1、S映像×3、コンポジット×4、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1を搭載。SDメモリーカードスロットも備え、JPEGファイルの閲覧が行なえる。i.LINKは2端子を装備。モニター出力兼録画出力端子1系統や、光デジタル音声出力も備えている。また、センターチャンネル入力、ヘッドフォン、サブウーファ出力、オーディオ固定出力の各端子も搭載している。 PD-42DV50の外形寸法および重量は、1,045×116×729mm(幅×奥行き×高さ)、38.8kg。PD-35DV50は907×123×634mm(同)、31.5kgとなっている。消費電力はそれぞれ333W、274W。
■ LT-32LC50B/S、LT-26LC50B/S ワイド液晶テレビの新製品で、プラズマテレビ同様、「GENESSA」と「きき楽」を搭載。32V型、26V型ともブラックとシルバーのカラーバリエーションを用意する。 全モデルともパネル解像度は1,366×768ドット。視野角は上下左右170度、パネル輝度は500cd/m2。GENESSAときき楽については、プラズマテレビとの機能差はない。
チューナは、地上アナログ、地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタルを受信可能。地上アナログ対応のG-GUIDE、第3世代デジタルワイドGRT、ノイズクリア、E.E.センサー、Tナビ、SDメモリーカードスロット、新リモコンなど、プラズマテレビと共通の機能を搭載している。 スピーカーは、オブリコーンスピーカーをバスレフ構造BOXに内蔵。ウーファは非搭載となっている。 映像入力はコンポーネント×1、D4×1、S映像×2、コンポジット×3、アナログRGB(D-Sub15ピン)×1などを搭載。i.LINK×2、光デジタル音声出力×1なども備えている。 スタンドは上7度、下3度、左右20度の調整が可能。外形寸法および重量は、32V型のLT-32LC50B/Sが834×108×632mm(幅×奥行き×高さ)、23kg。LT-26LC50B/Sが703×107×555mm(同)、19kg。消費電力はそれぞれ166W、138Wとなっている。
挨拶に立ったAV&マルチメディアカンパニーの篠崎陽一ディスプレイカテゴリー長は、2004年のディスプレイ事業のキーワードとして「オリンピック需要にあわせる」、「フラットパネルテレビの強化」、「地上デジタルチューナの搭載」を挙げた。 また、オリンピック開催年の市場規模は「通常の1.5倍以上になる」とし、「映像関連トータルで伸びる」と強調。2004年は「黎明期から普及拡大期にステージが進む」との予測を述べ、テレビの売上中、国内80%、世界55%を薄型テレビでまかなうとした。2006年には売上3,000億(世界)を目指す。 今回の新製品は日欧で同時期に発売し、その後米国、アジアへと導入する。また、7月には米国でHD対応のリアプロジェクションテレビを投入。リアプロジェクションテレビへもGENESSAを取り入れることを明らかにした。国内での発売は未定。 http://www.jvc-victor.co.jp/ □ニュースリリース(PD-42DV50/35DV50) http://www.jvc-victor.co.jp/press/2004/pd-42dv50.html □ニュースリリース(LT-32LC50B/S、LT-26LC50B/S) http://www.jvc-victor.co.jp/press/2004/lt-32lc50.html □関連記事 【4月20日】ビクター、32bit CPU内蔵のテレビ用映像処理LSI「GENESSA」 -リアルタイムのガンマ補正が可能、採用は今夏モデルから http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040420/victor.htm 【2003年5月29日】ビクター、第2世代DET採用42V型プラズマTVの低価格モデル -波動スピーカーや地上波EPG搭載、上位機種の半額を実現 http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030529/victor.htm (2004年5月14日) [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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