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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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松下電器産業株式会社と東レ株式会社は18日、プラズマディスプレイパネル(PDP)の新たな製品拠点として、両社の合弁会社である松下プラズマディスプレイ株式会社(MPDP)の第3工場を、兵庫県尼崎市に建設する計画を明らかにした。
新工場は、42V型パネル換算で月産25万台、年産300万台以上となる世界最大規模のPDP量産工場となる。 これにより、茨木第1工場、茨木第2工場と、中国・上海の工場をあわせて、松下電器として2006年度には300万台、2007年度以降には450万台の生産規模を実現することになる。 新工場は、兵庫県尼崎市の関西電力尼崎第3発電所跡地で、阪神高速道路湾岸線の尼崎末広の出口からわずか500mの立地。松下電器の茨木、高槻の工場からも車で30~40分程度の位置にあるという。 「工場建設予定地は、すでに更地となっており、すぐに着工にかかれるメリットもある」(松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社・上田勉上席副社長)としている。 165,000m2の敷地に、建築面積33,600m2の4階建ての建屋。同棟は100×300m強の長方形で、延べ床面積は134,400m2となっている。
2004年9月から着工し、2005年5月には建設完了。同年9月から立ち上げを開始し、11月には、年間150万台の第1期の量産を開始、2006年には、さらに150万台規模の生産能力が加わる第2期量産を開始する予定。 茨木第1工場に比べて、投資生産性は4倍、人員生産性は4倍、面積生産性は3倍を目指すほか、茨木第1工場および第2工場の稼働で蓄積したノウハウを継承することで、プロセス変更にも柔軟に対応できるよう高稼働率の工場を目指す。 新工場建設に伴う総投資額は950億円で、そのうち、120億円をMPDPの自己資金で、150億円を松下電器が、50億円を東レが出資し、残り630億円を借り入れる。 「新工場の稼働によって、PDPの安定した供給が可能になる。2008年度には、年間3兆円、1,000万台の市場規模が想定されるが、そのうち、300万台から400万台を当社で出荷したいと考えている。同時にパネルの外販も2~3割程度に引き上げたい」としている。
松下電器では、パネルの生産を、国内3工場、中国1工場体制として、これら4工場では最終セットまでの一貫生産を実現するほか、今年4月にはチェコに欧州市場向けのセット工場を稼働。7月以降には米国にも同様のセット工場を稼働させる考えで、これにより、消費地に近い場所での最終組立体制を確立する考え。「パネル生産は日本と中国に集中させ、セットは消費地の近くで行なう」(松下電器パナソニックAVCネットワーク社PDPビジネスユニット長・西村一之氏)という。 さらに、「高精細パネルにおいても、早期に1インチ1万円を切ることを目指したい」(上田上席副社長)と コストダウンにも意欲を見せる。 新工場では、6枚取り設備の導入といった新たな取り組みなどのほか、歩留まり率の向上にも取り組む予定で、これにより、コスト削減につなげたい考え。 また、需要拡大に対しても安定供給を行なえる体制確立を背景に、PDP市場でのトップシェア獲得を狙う。 PDPで先行する日立、富士通などのほか、液晶パネルで攻勢をかけるシャープ、さらに勢力を急拡大している韓国勢に対しても、大画面化、高画質、生産コストの優位性、知財などによって優位性を発揮したい考えだ。 □松下電器のホームページhttp://www.matsushita.co.jp/ □ニュースリリース http://www.matsushita.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn040518-2/jn040518-2.html □東レのホームページ http://www.toray.co.jp/ □ニュースリリース http://www.toray.co.jp/news/elec/nr040518.html □関連記事 【2002年5月21日】松下プラズマディスプレイ、PDP量産工場を着工 -竣工は2004年、業界最大150万台/年の生産体制へ http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020521/pana2.htm (2004年5月18日) [AV Watch編集部/Reported by 大河原克行]
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