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アルプス、プライベートショー「ALPS SHOW 2004」を開催
-iPodをカーオーディオで制御するユニットを参考展示


会期:5月26日~28日


 アルプス電気株式会社は、同社の最新電子部品や各種技術の展示を行なうプライベートショー「ALPS SHOW 2004」を開催した。会期は5月26日~28日まで。会場は東京・品川の新高輪プリンスホテル。入場には招待券が必要となる。

 ALPS SHOWは1年おきに開催している製品展示会。同社が手掛ける通信、光学、磁気関連のデバイスや、入力装置、車載用の各種技術などを展示。また、グループ会社のアルパインも出展しており、カーオーディオの最新機種や試作機などを紹介している。


■ iPodと連携可能なカーオーディオ

外付けの制御・変換アダプタ「KCA-420i」とiPod

 アルパインのブースでは、iPodと同社のカーオーディオを連携するための、外付け制御・変換アダプタ「KCA-420i」を参考展示している。秋頃の製品化を予定しており、価格は1万円強になる見込み。

 iPodを同社のCDレシーバ「CDA-9831J」(発売中:47,250円)と接続するためのアダプタで、iPod内の音楽をCDA-9831Jの外部入力として接続し、車内で聴くことができる。さらに、CDA-9831JからiPodを制御することも可能で、曲のサーチだけでなく、シャッフル機能なども利用できる。また、曲名やアーティスト名をCDA-9831Jのディスプレイに表示することも可能。

CDA-9831JからiPodを制御できる

 iPod下部にあるクレードル接続用端子とKCA-420iを専用ケーブルで接続。KCA-420iは変換アダプタとしての機能を持っており、iPodからの信号を同社のカーオーディオが採用している専用バス「Ai-NET」の信号に変換し、CDA-9831Jに出力する。カーオーディオから送られた制御信号は逆の行程を経てiPodに入力される。

 iPodからの音声出力はアナログだが、CDA-9831Jは圧縮音楽ファイルの音質を補正する「MX(メディアエキスパンダー)」を搭載しており、「カセットアダプタなどを介してiPodを接続するよりも遥かに音が良くなる」(同社)という。なお、KCA-420iは電源供給機能も持っており、接続したiPodを充電することもできる。

クレードル端子とアダプタを接続。独自の「Ai-NET」に変換する 接続中、iPodの液晶画面にはアルパインのロゴマークが表示される

TVI-T990

 同ブースにはほかにも、7型ワイド液晶モニタ「TVI-T990」、DVDオーディオ/ビデオの再生に対応したDVD/CDレシーバ「DVI-9990」、D/Aコンバータ「DAI-C990」、ドルビーデジタルEX/DTS-ESのデコードも可能なDSP「PXI-H990」などを参考展示している。いずれも年末頃の発売を予定。価格などは未定だが、カーオーディオラインナップのハイエンドモデルと位置付けられている。

 TVI-T990はバックライトの透過率や視野角が従来モデルより向上。S映像入力端子を装備するほか、環境に合わせて4つの画質が選べるプリセットモードを装備。DVI-9990JはDVDオーディオの再生に対応し、i.LINKの6chデジタル音声出力も搭載。ジッタや光ノイズを低減するというブラック塗装や、ピックアップ部へのホコリの侵入を防ぐという「メカニズムカバー」を採用。信頼性と音質の向上を図っている。

 PXI-H990は、バーブラウン製のサインマグニチュード24bit DACを搭載。DVI-9990Jから送られたDVDオーディオのデジタル出力に対応するほか、ドルビーデジタルEX/DTS-ESに対応し、6.1ch出力も備えている。

DVI-9990 DAI-C990 PXI-H990

 ほかにも、2004年7月からサービス開始予定の「モバイル放送」用の車載チューナを展示。価格や発売時期は未定だが、アルプスのブースでは同チューナとの組み合わせも想定した車載用のモバイル放送用小型アンテナも参考展示していた。

モバイル放送用の車載チューナとアンテナを参考展示している


■ 各種デジタルチューナを展示

 会場で最も注目を集めていたのは、地上デジタル放送用のチューナユニットやアンテナなど。感度の向上だけでなく、車載用のダイバーシティアンテナなど、新しいタイプの製品も参考展示している。

 また、同社は回路設計やシミュレーション、カスタムIC設計などの高周波回路技術と、ファインパターン印刷やベアチップ実装、小型空芯コイルなどの要素技術を用いて、チューナの小型化と低消費電力化を追求。携帯電話などに組み込むための超小型チューナの開発も進めている。

 1セグメント受信用デバイスで最も注目を集めていたのは、アンテナ部にチューニング回路とインピーダンスマッチング回路を内蔵した「チューナブルアンテナ」。携帯機器に内蔵し、基板に誘起したUHF帯の電磁界をピックアップ。モノポールアンテナと同等の指向性を持つという。

地上デジタル放送対応の車載用ダイバーシティアンテナと、チューナの試作機 アンテナ部にチューニング回路とインピーダンスマッチング回路を内蔵した「チューナブルアンテナ」。小型のチューナモジュールとのセットで提案していくという

アナログ放送用の携帯電話内蔵用テレビチューナの開発も続けられている 米国で放送しているHDラジオに対応した車載用チューナも紹介していた


■ 新型ストラップリモコンやハイブリッドレコーダ用リモコンなど

 入力デバイスのコーナーでは、東芝のHDDオーディオプレーヤー「gigabeat G21」に採用されたストラップリモコンを展示。さらに、同リモコンの新モデルとして、アンテナ線を埋め込んだモデルも参考出品した。ポータブルテレビやテレビチューナを内蔵した携帯電話での利用を想定しており、アンテナの役目をしていたイヤフォンを接続する必要がなくなるという。

 さらに、軽く触れるだけで入力できる「FT(フェザータッチ)センサ」、グラインドセンサ/ポイントなどを利用した入力デバイスも多数展示している。DVDレコーダのリモコンやデジタルカメラ、携帯電話などでの利用を想定しており、ジョグシャトル感覚で再生速度の変更やフレーム送りが行なえるセンサや、バータイプのセンサの任意の場所に触れるだけで動画の任意のフレームにジャンプする機能などのデモが行なわれていた。

左がアンテナを内蔵したストラップリモコン 青い円形の部分がFTセンサ。軽く触れるだけで、ジョグダイヤルのような操作が行なえる 動画の制御を想定したFTセンサ採用リモコン。下のセンサに触れることで再生速度をコントロール。上部のバーボタンを触ると、動画の任意の場所にダイレクトにジャンプできる

 トラックボールを搭載したEPG用のデバイスも用意。ボールはクリックすることもでき、回転させて任意の番組を選択したら、押し込んで録画予約などの操作が可能になる。また、トラックボール部全体が上下左右にスライドするようになっており、左右で日付の変更、上下で文字の拡大縮小なども行なえる。

トラックボールを搭載したリモコン。EPGなどを項目選択がスムーズに行なえるほか、トラックボール部全体が上下左右にスライドすることで、画面のズームや日付の移動が行なえる バータイプのセンサをデジタルカメラに搭載した例。撮影した画像を表示し、バーを触ることでアナログ感覚で拡大・縮小ができる


■ そのほか

 ほかにも、垂直記録形HDDで使用する記録ヘッドや、a-Si TFT基板上に周辺回路を内蔵したLCDなどの参考展示も行なわれている。また、車載関連技術の展示ブースでは、路面の情報などをドライバーに伝えるためのフォースフィードバック技術を紹介。来場者が操縦可能なRCカーによるデモを実施し、話題を集めていた。

垂直記録のHDD用ヘッドなど、HDD関連技術の展示も行なわれている ゲートドライバを内蔵したa-Si TFTカラーLCD

路面の状況や車線の位置などをステアリングやアクセル、ブレーキなどのフィーリングでドライバーに伝える技術に関心が集まっていた


□アルプス電気のホームページ
http://www.alps.co.jp/
□ALPS SHOW 2004のページ
http://www3.alps.co.jp/alpsshow/
□関連記事
【5月26日】アルプス、プライベートショー「ALPS SHOW 2004」開催
~携帯電話用地上デジタルチューナなどが展示 (PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0526/alps.htm
【2002年5月16日】アルプス、プライベートイベント「ALPS SHOW 2002」を開催
―PLCモデムや小型チューナなどを展示
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20020516/alps.htm

(2004年5月28日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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