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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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サイバーリンク株式会社は、デジタル放送のコピー制御方式に関する説明会を開催。デジタル放送対応DVDプレーヤーソフト「PowerDVD 5デジタル放送対応版」や、同社のデジタル放送に対する取り組みを解説した。
また、映画会社や放送事業社、ハードウェアメーカーなどをゲストに招き、各業界での取り組みや協力関係をアピールした。 「PowerDVD 5 デジタル放送対応版」と「PowerDVD 5 Deluxe デジタル放送対応版」は、DVDレコーダなどで録画したコピーワンス番組の再生がパソコン上で行なえるDVDプレーヤーソフト。現状唯一のPC上でのCPRM対応のパソコン向けプレーヤーソフトで、通常版は4月より発売しており、Deluxe版も4月よりオンライン販売、7月よりパッケージ販売される。
同社の吉田宣也代表取締役社長は、「デジタルメディアの著作権保護というと、ユーザーにとっては"使いにくくなる”といったイメージをもたれがちで、コンテンツホルダ側でもパソコンを排除という動きがあった。しかし、著作権保護と利便性は相容れないものではない」と分析。また、「CPRM対応Power DVDではパソコンのデコーダソフトの最適解は何か考えて製品化した。ネット認証が必要など、ややユーザー負担を感じることもあるかもしれないが、とりあえずデジタル放送をパソコンで見られるような環境を作ることが重要と考えた。今後もより最適な環境を目指していく」と語った。 サイバーリンクの植松直人 営業本部長は、製品戦略などについて解説。また、CPRM対応PowerDVD 5で新たに導入されたユーザーウェブ認証の仕組みについて説明した。
ユーザーウェブ認証は、CPRM記録のDVDディスクを再生する際にインターネットに接続し、同社のサーバーから発行されるデバイスキーをPowerDVD 5に受け渡すことで、ユーザー認証を行なうというもの。そのため、最初にCPRM記録のディスクを再生する際にはインターネット接続環境が必要となる。認証用のデータは小容量のためダイヤルアップ環境などでも認証は行なえる。 CPRMの仕組みでは、ハードウェアにデバイスキーを、メディアにコピー不能なMKB(Media Key Block)、メディアIDを有しており、これらのハード/メディア固有の情報や、デジタル放送に付加されるCCI(Copy Control Information)を組み合わせたデータから生成されたキーで暗号化される。 暗号キーが万一破られた場合は、CPRMの仕組みを策定/管理している「4C Entity」が新たなMKBを発行し、メディアメーカーが実装。新MKBでは破られた暗号キーに対応するデバイスキーは使用不能とされる。破られた暗号キーを利用したレコーダは、正規の製品であれば新たなMKBから正しい秘密鍵を利用できるが、不法な製品では新MKBを備えたメディアの再生は行なえなくなる。 しかし、PCソフトの場合は同ロットでプレスしたディスクに同一のデバイスキーを割り振ると、暗号キーが破られた際にキーを無効化すると、同ロット製品の全ユーザーが再生不能となってしまう。そのため、個別の認証が行なえるネット認証を導入したという。
なお、PCでの録画対応については「4Cでの規定がまだ決まっていないため、今後の関連業界の協議などが残されている」という。しかし、DVDディスク上での不要部分での削除などの編集は、「すでに対応を進めており、できる限りがんばっていく」とした。
ワーナー・ホーム・ビデオ アジアパシフィッククリエーション アジアパシフィック代表の長谷瓦二氏は、「映画産業の立場から」と題し、著作権保護の取り組みについて説明した。 長谷氏は映画製作プロセスを簡単に紹介し、多大な経費がかかることを解説。「デジタル時代に入って、著作権の保護が非常に大切になってきている。適切な報酬を著作権者に与える仕組みを維持することが非常に重要」と語った。 また、“風と共に去りぬ”などの名画や“オレたちひょうきん族”のDVDの高い人気などを紹介し、「コンピュータソフトやゲームソフトと異なり、映画は感性に訴える商品。価値の永続性という点が大きく異なっている」とアピール。また、「海賊版の流通実態はその国の文化を推し量る指標となる。アジア各国を回るとがコピーの何が悪いのか? と思っている人がほとんどだが、教育の推進や法律の整備と並んで、適切なデバイスやソフトウェアの導入による権利の保護が重要だ」と訴えた。
また、株式会社ビーエスアイ 編成本部広報宣伝部長の仲尾雅至氏は、放送局の立場からのコピーワンス導入について解説。コピーワンス放送の導入実績については「各局の判断でコピーコントロール信号を外すこともできるが、今のところTBS、BS-iでは一律かけている」という。 また、コピーワンス放送の導入前に、BS-iで放映された松田聖子のライブ映像をネットオークションで販売していた会社員を告発し、逮捕に至った事例を紹介。「こうした事例を監視し、抑えるにも限界があるし、著作権法違反は申告罪なので、警察に通報しなければならない。一般の人が気軽にコピーできてしまうと、軽い気持ちでやっても、逮捕まで至ってしまう。それよりはコピーワンスの仕組みを導入して防いだほうがいい」とコメントした。さらに、コピーワンスの導入には「多大な経費をかけて告知を行ない、混乱を防ぐように努力している」とアピールした。
また、松下電器産業株式会社 パナソニックAVCネットワークス社 ネットワーク事業グループ ODS開発センター 企画チーム参事の潮房雄氏は、DIGAの特徴や同社製DVDドライブのラインナップを紹介したほか、CPRMのシステムについて解説を行なった。 □サイバーリンクのホームページ (2004年6月17日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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