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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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導入開始の4月5日には、社団法人地上デジタル放送推進協会(D-pa)の「コピー制御お問い合わせセンター」に5,536件もの問い合わせが集中したという。その多くは「B-CASカードをなくした」、「カードが付いていたとは知らない」、「カードをどこに挿入するのか分からない」といったB-CASカードに関する質問だった。 しかし、録画機器でも、DVDレコーダの一部などでは、コピーワンスの制御信号に対応せず、デジタル放送の録画ができない機種もある。その動作や対応状況は各メーカー/機種ごとに異なっている。今までは、WOWOWのBSデジタル放送やスカパー!などの一部に限られていたコピー制御が、無料放送にも適用され、デジタル放送の普及とともに、より多くの人の混乱を招く可能性もある。
なお、地上デジタル/BS/110度 CSデジタルチューナを搭載したシャープの「DV-HRD2」、「DV-HRD20」などを除けば、現在のハイブリッド/DVDレコーダでは地上/BSデジタルチューナを備えていない。そのため、それらの機器では外付けのデジタルチューナをレコーダの外部入力端子に接続し、録画することとなる。 今回、HDD/DVDハイブリッドレコーダを中心に、各社のコピーワンス対応状況をまとめた。 (最終更新 5月17日)
■ 対応がまちまちの録画機器 コピーワンスの番組には「一回だけ録画可能」という制御信号が加えられており、対応メディアに“一回だけ”録画できる。記録メディアはDVDメディアの場合、CPRM(Content Protection for Recordable Media)に対応している必要がある。現状、CPRM対応メディアとしてはDVD-RW(VRモード)とDVD-RAMが用意されているが、原則的にデータ用のDVD-RW/RAMメディアでは利用できず、必ずCPRM対応のビデオ用のメディアを利用する必要がある。なお、DVD-RのCPRM対応メディアは現在発売されておらず、DVD+R/RWもCPRMには対応していない。 HDDへの録画はほとんどの機器で行なえるが、ソニーの「NDR-XR1」のようにHDDにもDVDにも記録できない製品もある。コピーワンスの導入により、HDDに録画した番組はデジタルメディアへのダビングが行なえず、対応メディアへのムーブ(移動)に制限される。 ムーブでは、HDDに記録したデータ化を書換え型のディスクに転送した後、オリジナルデータを消去する。最近発売されている製品の多くは、ムーブ対応となっているが、ソニーの「スゴ録」シリーズのようにムーブ非対応の製品も存在する。また、「ムーブ」の動作についてもメーカーや各機器ごとに、編集やレート変換を行なうムーブの可否などの違いがある。さらに、コピーワンス放送では作成したプレイリストをムーブできないなどの機能制限が加わる機種も多い。 デジタル放送を前提に考えると、今後のDVDレコーダ選びにはこの「ムーブ」の対応状況が非常に重要になってくる。なお、コピーワンス番組を録画したDVDの再生には、VRモード対応のプレーヤーが必須となるのは当然だが、やや旧式のプレーヤーなどではCPRMに対応しておらず、再生できない可能性が高い。また、現在のところ、パソコンでの再生環境は整っておらず、サイバーリンクがCPRM対応のDVD再生ソフトを4月23日発売する予定だ。 ■ 松下電器 松下電器のDIGAシリーズなどのDVDレコーダはHDD/DVD-RAMへのコピーワンス放送の録画に対応。また、ムーブにも対応し、再エンコードを伴うムーブや、編集後のムーブも可能となっている。 DMR-E100H/E200Hで搭載していたSDメモリーカードへのMPEG-4同時録画機能は、コピーワンス放送では利用できない。また、DIGAシリーズのHDD/DVDVHS一体型モデル「DMR-E150V」では、HDD/DVDからVHSへのダビングが可能で、DVD/VHS一体型のDMR-E75V/E70VでもDVDからVHSへのダビングが行なえる。
【訂正】
□地上デジタル放送なんでもQ&A ■ 東芝 RDシリーズは、初代モデルの「RD-2000」からHDD/DVD-RAMへの録画、HDDからDVD-RAMへのムーブに対応している。また、最新モデルの「RD-X4」では、拡張キットの適用によりDVD-RWへのVRモードでの録画に対応。DVD-RWでもコピーワンス放送の録画、ムーブに対応する。なお、再エンコードを伴うムーブには対応していない。 VHS/DVDレコーダ「D-VR1」では、DVD-RAMに録画したコピーワンス放送のVHSへのダビングはできない。なお、コピーワンスの導入により生じる制限事項などについて、同社では「RD-Style」で詳細な情報を公開している。
□東芝RDシリーズ/DVDレコーダーでの一回だけ録画可能な番組の録画について ■ パイオニア パイオニアは、ハイブリッドモデルの全製品でHDD/DVD-RWへの録画、ムーブに対応する。編集後コンテンツのムーブも可能となっている。 なお、編集後の番組をムーブする場合、松下や東芝の機種ではデータを分割後にムーブを行なうと、同一録画番組のムーブされない箇所(カットしたCMなど)はHDD上に残るが、パイオニア製品では、録画した番組を編集してムーブすると、ムーブ箇所以外の番組の全ての内容が消去される。 また、単体レコーダーでは、世界初の民生用DVDレコーダ「DVR-1000」がコピーワンス放送の録画に対応しない。
■ ソニー ソニーのハイブリッドレコーダは、「スゴ録」シリーズがHDDとDVD-RWへの録画に対応。ただし、ムーブには対応しない。「PSX」は、HDDのみでDVD-RWへの録画はできず、ムーブにも対応しない。「コクーン」シリーズの「NR-XR1」では、HDDにもDVD-RWにもコピーワンス放送の録画ができない。 なお、NR-XR1以外のコクーンやクリップオンではHDDへの録画に対応。ただし、コクーン「CSV-EX11」などの、バイオの「Click to DVD」と連携してDVDの書き出しを行なう機能は利用できない。
□「地上/BSデジタルテレビ放送」のコピー制御信号に関するお知らせ ■ 日本ビクター ビクターのハイブリッドレコーダ「DR-MH5」では、HDDやDVD-RAM/RWへの録画に対応する。ムーブには対応しない。
□ニュースリリース ■ シャープ 地上/BSデジタル対応ハイビジョンレコーダ「DV-HRD20/DV-HRD2」や、BSデジタル対応の「DV-HRD10/DV-HRD1」、ハイブリッドレコーダ「DV-HR350/DV-HR300」が、HDDとDVD-RWへの録画に対応。ハイビジョン対応レコーダで内蔵の地上/BSデジタルチューナを利用した場合は、HDDにHD/SD品質でのデジタルダイレクト録画(HD/SD録画)が可能となっている。 また、デジタル放送をVR形式で録画することも可能。記録メディアはHDDとDVD-RW。デジタルダイレクト録画、VR形式での録画のどちらでもHDDからDVDへのムーブに対応。デジタルダイレクト録画の場合はSD解像度にダウンコンバートされ、等倍速でのムーブとなる。VR録画の場合、高速ダビングが可能だ。編集後のコンテンツのムーブも可能。
□DVDサポートステーション基礎知識 ■ 三菱電機 三菱電機では、5月21日発売予定の「楽レコ」シリーズ3モデルと、2002年11月発売の「DVR-DS10000」ともにHDD/DVD-RWへの録画、ムーブに対応する。編集後のコンテンツのムーブには非対応。
■ 日立製作所 日立製作所の新型DVDレコーダ「WOOO」シリーズは、MSシリーズ「MS-DS400/250」とDVシリーズ「DV-DS160」で大きく仕様が異なっている。ともに、HDDへの直接記録に対応するが、MSシリーズではDVDへの直接記録に非対応となっている。一方DVシリーズはDVD-RWとDVD-RAMへの直接記録が可能。 MSシリーズでは、DVD-RAMへのムーブ、高速ダビングモードでのムーブ、再エンコードを伴うムーブに対応。編集後のコンテンツのムーブには対応しない。DVシリーズはDVD-RW/RAMのムーブに対応し、編集後のコンテンツのムーブも可能。編集後のカット部分(カットしたCMなど)はHDD上に残る。 ハイブリッドレコーダ「DV-AS55」は、松下電器のDIGAシリーズと同様にDVD-RAMへの録画に対応。DVDマルチドライブ採用の「MSP1000」は、CPRM非対応でHDD/DVDともに録画できない。
■ NECはコピーワンス非対応 NECのPK-AX300シリーズは、CPRMに対応せず、HDD/DVD-RAM/RWともに録画できない。AXシリーズはPK-AX10/20もHDDへの録画が不能となっている。また、地上デジタル対応のNEC製パソコン「VALUESTAR TX」では、録画は可能だが、ムーブには対応していない。 □社団法人地上デジタル放送推進協会(D-pa)のホームページ (2004年4月12日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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