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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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日立製作所株式会社は14日、AV家電部門と白物家電を扱う子会社を一体運営するため、コンシューマ事業統括本部を10月1日に新設すると発表した。民生向け市場の比重を高め、製品構造を高付加価値製品に転換するのが狙い。現在1兆円の民生市場の売上高を2010年に2兆円まで高める。 同時に、「デジタルアプライアンス研究センタ」を研究開発本部内に新設し、デジタル家電向けの技術開発を推進する。
現在、日立のコンシューマ向け事業は、AV家電をユビキタスプラットフォームグループ、白物家電を日立ホーム&ライフソリューション株式会社(日立H&L)が担当している。日立H&Lは2002年4月に分社した子会社。また、2004年2月にはコンシューマ戦略本部を設立、事業展開について検討していた。 新設するコンシューマ事業統括本部は、コンシューマ戦略本部の後を受けるもので、AV、白物両分野の司令塔の役目を果たす。また、グループ戦略本部と協力し、コンシューマ事業に関わるグループ各社との連携も強化するという。 本部長にはユビキタスプラットフォームグループ長兼CEOの立花和弘氏、副本部長には日立H&L社長の石垣忠彦氏が就任する。なお、ユビキタスプラットフォームグループ、および日立H&Lは存続し、両氏は引き続きそれぞれのトップも兼任する。
■ AV・白物ともに「ニッチ・ビッグ」に注力
記者会見では、グループ法務・コミュニケーション部門長の八丁地隆執行役専務が、設立の趣旨を語った。「デジタル家電での成功はグループ内の幅広い事業分野に影響を与え、大きなビジネスチャンスをもたらす。コンシューマ事業を情報通信システム事業や、自動車関連事業にならぶ主力事業にしたい」。 さらに「プラズマテレビやDVDレコーダのWoooが好調で、白物ではビートウォッシュなど独自技術が評価されている。コンシューマ事業で勝者になるポテンシャルは持っている」と自信を見せた。
立花氏は、「今後のコンシューマ事業について」と題したプレゼンテーションを行なった。その中で、単価の高い「ニッチ・ビッグ」と呼ぶ製品が増えていることを示唆し、コンシューマ事業の方向性を「高品位・高付加価値な製品の提供」と位置づけた。白物家電も単なる洗濯機ではなく、たとえば乾燥機付き洗濯機やオール電化製品など、高級品にシフトする考え。 また、ユビキタスプラットフォームグループのこれまでの構造改革を説明。2001年にCRTテレビ事業を撤収するなど製品構造の改革に着手し、2003年には他社との協業など事業構造の再編に務めた。今後はデジタル家電に注力し、規模拡大のステージに移るという。
さらに、日立グローバルストレージテクノロジーズ、日立LGデータストレージ、ルネサステクノロジといった戦略投資会社にも触れ、グループ内でのシナジー効果を強調。「これらはすべてデジタル家電関連。デジタル家電の体制を確立できた」と語り、今後の基本戦略として「Made in HITACHI」作戦を掲げた。「白物家電の高いイメージをデジタル家電にも波及させ、グループの中核事業に育てたい」とまとめた。 販売面では、日立H&Lの持つ販売網を活用し、東アジア圏でデジタル家電の販路拡大を目指す。また、日立H&Lはユビキタスプラットフォームグループの技術を活用、高付加価値製品への転換を進める。 目標の売上高2兆円の内訳は、「1兆4,000億円がデジタル家電、6,000億円が白物家電。全体では60%が製品、20%がシステム、20%がデバイス」とした。また、成長に要する重要ポイントとしては「製品構造のスピーディな転換」を挙げた。
□日立のホームページ [AV Watch編集部/orimoto@impress.co.jp]
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