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スカパー!、社長会見を開催。コンテンツ強化に取り組む
コンテンツ開発企画会社「スカパー・ウェルシンク」を設立


重村一代表取締役社長

7月29日開催


 株式会社スカイパーフェクト・コミュニケーションズは29日、社長定例会見を開催し、同社の今後の戦略を説明した。

 重村一代表取締役社長は第1四半期決算の概要を解説。売上高は187億7,700万円と、当初見込みを大きく上回ったという。サッカーのチャンピオンズリーグや、メジャーリーグなどの自主コンテンツが人気を集めたが、これらの広告宣伝費用がかさみ、営業利益は前年比75.4%の16億9,900万円、純利益は同74.6%の17億2,200万円となった。

 総登録者数は前期比約21万件増の368万1,000件で、そのうち個人契約者が同17万人増の320万8,000件となった。「加入者数はスローダウンしている。スカパー!に関しては予想通りだが、(110度CS放送の)スカパー! 110は伸び悩んでいる」という。

連結/単体決算概要 加入者数の推移

 スカパー!については、新規加入目標を35~40万人と掲げ、スポーツコンテンツの拡充や、アニメ、海外ドラマ、音楽、スポーツ以外のコンテンツ強化を図るほか、HDD内蔵型の新STBの開発や、新しい販売ルートの開拓、複数台割引などの顧客サービスの導入などの対策を検討しているという。さらに、CMキャラクターに松浦亜弥を起用し、「ファミリー層を取り込む形に宣伝戦略を変えていく」という。

 新STBについては、「海内ではDirecTVなどがHDD内蔵の次世代サービスを始めており、ARPU(1契約者あたりの月間平均収入)の上昇に貢献している。ブロードバンド通信とも絡めて、新しいSTBで、新しいテレビライフを実現したい。TiVoやReplayTVなどの例もあるが、日本の現状に合ったものとしたい。現在ハードウェアメーカーと話をしており、スペックを今年度中に決めたい」という。

スカパー!の施策 コンテンツ投資会社を設立し、コンテンツ強化に取り組む HDD搭載STBの開発も進める

 また、コンテンツの強化にも取り組む。加入動機として「韓国ドラマ」を挙げる割合が増えていることなどを例に挙げ、地上波よりも先行して新規コンテンツの開拓を行なってきた事例を紹介。さらに、地上波の世界でも、スポットCM依存型となってきており、アニメや時代劇がキー局から減少傾向となっているため、地上波のアニメプロデューサがスカパーに移籍するなどの動きも出てきており、「地上波のスタッフの中からも“スカパー!に行きたい”という流れが生まれてきた」という。

 同社ではコンテンツ投資にも積極的に取り組み、コンテンツ投資会社「株式会社スカパー・ウェルシンク」を新設する。7月29日設立で、資本金は1,000万円。重村社長は、「スカパーに参加している放送事業者と組んで、制作費を負担。その代わりパッケージやブロードバンド配信の権利を保有/シェアし、プラットフォーム事業以外での収益を増やしていく」という。

スカパー! 110の施策

 「例えば、アニメは世界に通用するコンテンツだが、地上波では海外でDVDなどのパッケージが売れてもリターンが無いので、地上波キー局は積極的に投資しない構造になっている。スカパー!では、パートナーと提携して積極的にやっていく。プラットフォーム事業だけでなく、ペイテレビ事業の将来を見据えてやっていきたい」と意気込みを語った。

 さらに、スカパー! 110については、新規加入10~15万件を目標とし、スターチャンネルのHD化を今秋に実現。スカパーの自主コンテンツを年末に投入するほか、パックセットの導入などで加入者増を目指すという。

 また、光ファイバ配信のオプティキャストについては、東京23区と大阪を中心にサービス展開。新築物件を中心に営業活動中で、2004年度中に152棟、約15,000戸の展開を目指すという。


中間期/通期業績見込みも若干上方修正

 なお、第1四半期が当初予測より好調であったものの、「下期についてはややきびしく見ている」という。理由については、「アテネ五輪商戦後の動向がはっきりしないほか、地上デジタルが前倒し気味にスタートしている。8月の第1週から関東広域の地上デジタル放送の出力が上がる見込みで、試験放送でありながら、実質的には今年度末放送開始のエリアまで、8月のアテネ前に見られる可能性がある。地上デジタルは販売店の店頭でも訴求ポイントになっているので、どう動くか注目している」という。

 また、アテネ五輪の対策としては、「オリンピックに興味が無い人もいるし、ドラマやバラエティ、音楽、アニメなど通常の番組の放送が減るということは、われわれにとってはプラス。そこでそれぞれのチャンネルで充実したコンテンツを放送することが重要だ」と語った。


□スカイパーフェクト・コミュニケーションズのホームページ
http://www.skyperfectv.co.jp/
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20040226/skyper.htm

(2004年7月29日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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