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東京国際映画祭組織委員会事務局とNTT、NTT西日本、NTT東日本は、10月23日から31日まで開催される第17回東京国際映画祭で、4Kデジタルシネマの上映会を開催すると発表した。
上映会では、ハリウッドの映画スタジオメンバーで構成される「デジタルシネマイニシアティブ(DCI)」の推進する4Kスペックに準拠した機器を利用し、「4Kデジタルシネマ」版の映画「失楽園」が上映される。 上映会は、大阪と東京で一日づつ開催され、大阪は10月25日に、ナビオ TOHO プレックス(大阪市北区角田町7-10 HEP NAVIO 8F)で、19時開場、19時20分開演。東京は10月28日にシネマ メディアージュ (港区台場1-7-1 アクアシティお台場 メディアージュ内)で19時開場、19時20分開演となっている。 上映会の申し込みはインターネットで受け付けており、東京会場はMovieWalkerで、大阪会場はMovieWalkerに加え、公式応募サイト、映画の花道、goo映画などで受け付ける。締め切りは18日13時。なお、失楽園はR15指定のため、15才未満は入場できない。 プロジェクタはビクターの「4K2K D-LIAプロジェクター」を利用する。映像はNTTが開発した800万画素方式で、35mmフィルムからテレシネしたDCI標準化案準拠の4K(4,096×2,180ドット)、24fps、RGB10bit映像を採用。約2時間、6.5TBの非圧縮データをJPEG2000で385GBに圧縮し、サーバーからIPネットワーク経由でJPEG2000デコーダに転送、デコーダで複合化され、プロジェクタに出力される。 今回のデモでは会場に配信サーバーを用意し、映像の出力を行なうが、NTTの光ファイバ網を利用しながら、遠隔地への4K映像配信も技術的には可能という。
発表会ではNTT取締役 第三部門長の井上友二氏が、デジタルシネマのメリットなどを紹介。デジタル化により、フィルムの架け替えや、劣化などのオペレーションコストを削減できるほか、フィルムからのコピー/孫コピーを行なう従来の方式に比べて、画質面でのメリットが大きい点などを強調した。 さらに、デジタル化によりインターネット経由での配信が可能となることで、「世界同時上映も技術的には簡単で、オリジナルと同じものが配信できる」という。また、DCIではセキュリティ規格の策定に取り組んでおり、「フィルムが海賊版市場に流れることによるコピー被害も防げる。公開期限を指定した配信なども可能」などのメリットを語った。
NTTのデジタルシネマへの取り組みとしては、「光ファイバ網を利用するブロードバンドビジネスのひとつの柱と考えている。今回の上映会で観客の皆さんの反応をうかがいながら、開発、事業化に向けて取り組んでいきたい」という。 東京国際映画祭のゼネラル・プロデューサの角川歴彦氏は「今回4Kデジタルシネマを上映できることなり非常にうれしく思う。映画界が大きく変わっていく、その嚆矢となる取り組みと感じている。出版がペーパレスになるのと並んで、一映画人としてブロードバンドによるデジタルシネマは、最も重要な取り組みと感じている」と説明。 将来的なデジタルシネマ展開については「シネマコンプレックス(シネコン)が日本でも広がっているが、アメリカのシネコンと同様にハリウッド映画しかかからず、8スクリーンあっても3つは“ハリーポッター”など、大作頼みの状況。デジタルシネマ化によるコスト削減により、独立系の作品や大衆向けでない作品など、見たい人が選択できる環境ができるのでは」と予測。また、テレビ製作の現場でのデジタル化が進んでいることを例に上げ、映画で先行公開してからテレビで放送したり、その逆にテレビ放送後に映画化などの、テレビ/映画の新たな融合の可能性なども示唆した。 なお、今回採用されたビクター製の「4K2Kプロジェクター」はCEATECで上映されたものとハードウェア的にはほぼ同じだが、「24P化など、映画用にカスタマイズしているので、画質の印象はだいぶ違うだろう」という。 □東京国際映画祭のホームページ (2004年10月14日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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