◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
東京FM、ジグノシステム買収に関する説明会を開催
-FM携帯やデジタルラジオで有料コンテンツや物販を推進


TOKYO FMの後藤亘社長

11月5日開催


 株式会社エフエム東京(以下TOKYO FM)は5日、同社が10月8日に発表したジグノシステムジャパン株式会社(以下ジグノシステム)の買収に関する報告記者会見を開催。FMチューナ内蔵携帯電話を使ったモバイルコンテンツ事業や、地上デジタルラジオでの物販サービスなどの実現に向けた意欲を示した。

 TOKYO FMは10月8日に開催した取締役会で、ジグノシステムの第三者割当増資25,000株を引き受けることと、発行済株式のうち25,000株(1株28万円)の公開買い付けを実施することを決議。ジグノシステムの54.07%の株式を取得し、同社を傘下におさめると発表していた。

業務提携の目的

 会見の冒頭、TOKYO FMの後藤亘社長は、ジグノシステムが同社の新たな連結子会社になったことをあらためて報告するとともに、TOKYO FMが既に払い込みを行なったことや、公開買付期間の10月13日から11月4日までに予定株数25,000株に対して42,400株の応募株があったことなどを説明。

 また、買収の目的について「FMチューナ内蔵の携帯電話は、既にauから120万台、ボーダフォンで49万台を出荷し、ドコモからも今年の冬モデルとして発売される予定だ。通信と放送を融合させるこのチャンスに、モバイル関連事業や物販を強化したい。また、将来的には地上デジタルラジオの3セグメント放送で実施を予定している各種サービスの実現に向け、両社がさらに協力し、互いに成長発展していくための戦略的な提携だ」(後藤社長)と説明した。

 さらに後藤社長は、今後のジグノシステムの経営について、現在の経営陣が引き続き運営を行なうことや、経営レベルでシナジーを高めるためにTOKYO FMから役員や社員を派遣することなどを発表。また、ジグノシステムの元親会社であるプラザクリエイトとの関係についても「今後も友好関係を維持し、協力して新たな事業展開なども考えていきたい」と語った。


■ 番組公式サイトに有料コンテンツを

 TOKYO FMでは既にラジオ番組の公式Webサイトを開設したり、ラジオショッピングで取り扱う商品の写真をWebに掲載するなど、放送とWebを連携させたサービスを実施している。ジグノシステムと共同で展開するFMチューナ内蔵携帯電話に向けたサービスの具体的なイメージについては「従来はFAXなどでリスナーの意見などを聞いていたが、通信機能を持つ携帯電話を利用することで、リスナーと番組のコミュニケーションをより強化していきたい」という。

 また、「従来からある番組のWebサイトや音楽、データなどをコンテンツをジグノシステムの視点で再評価、再構築し、携帯電話向けのコンテンツとしても発信。上部の階層は無料で利用できるが、より詳しい情報は有料で提供し、収益を得る」などのアイデアが紹介された。また、「こうした新たしいサイトやサービスから、ラジオ番組の新しいアイデアが出て来る可能性もある」という。

ラジオ番組の公式サイトの情報や機能を強化し、携帯向けに発信、そこから収益を得る計画もある デジタルラジオでは、コンサートの情報を音声だけでなく文字データで端末に送信したり、通販番組では画像も閲覧できるようになる。また、品物やチケットの購入も通信を利用して端末から行なえるという 物販でも企画、販促から運用に至るまで、ジグノシステムと連携していく

ジグノシステムの飯田桂子社長

 なお、地上デジタルラジオでのサービスについて、ジグノシステムの飯田桂子社長は「画像や動画、高音質の音声、データ放送を兼ね備えたデジタルラジオは、ラジオという古いイメージの言葉とはかけ離れた、まったく新しいメディアであり、常々新しいネーミングを考えなくてはならないと考えている」とし、デジタルラジオの革新性をアピール。

 さらに、「ジグノシステムは今までに50個以上の携帯電話向けサイトの企画、構築、運営し、140万人の会員を集めてきた。それゆえ、通信の限界も良く知っている。それは、多数のユーザーに向けて一度に情報を提供するには向かないということ。逆に、放送は多人数に一度に情報を送ることに優れているが、情報を吸い上げる力が弱い」と解説。互いの弱点を補うことで「素晴らしい相乗効果が期待できるだろう」と語った。

 また、移動体向けの次世代放送の中から、地上デジタルラジオを選んだ理由について飯田社長は「携帯電話で得た経験から、わかりやすいサービスをできるだけ早く仕掛けることが重要だと考えている。そのため、将来的にはデジタルラジオで通信と放送の融合を目指しながら、現在のアナログラジオでも可能なサービスはすぐにでも開始できる。TOKYO FMは理想的なパートナーだ」と説明。さらに、「デジタルラジオの本放送はまだ先だが、試験放送の段階から様々なサービスを実施していきたい。逆に、そういった試みを続けていけば、本放送の開始時期も早まるのでないかという期待もある」と語った。

 また、飯田社長は携帯電話やポータブルラジオなどの端末以外に、カーオーディオ/ナビへの展開も検討しており、「通信機能を備えた次世代カーナビ(テレマックス)でも、TOKYO FMが持つコンテンツやデータを使って、現在いる街の情報が瞬時にカーナビに表示されるようなサービスも展開していきたい」と展望を語った。


□エフエム東京のホームページ
http://www.tfm.co.jp/
□ジグノシステムのホームページ
http://www.gignosystem.com/
□関連記事
【10月12日】東京FM、ジグノシステムを買収
-FM携帯向け新事業やデジタルラジオの楽曲配信に備え
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041012/tfm.htm

(2004年11月5日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c) 2004 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.