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ファインアーク、Ogg Vorbis対応のデコーダLSI
-動作周波数8MHz、LSI内蔵SRAMで再生可能


FS-500の評価ボード

1月17日発表


 ファインアーク株式会社は17日、MP3、WAVに加え、Ogg Vorbisにも対応した⊿ΣDAC搭載のサウンドデコーダLSI「FS-500(FA3121037)」を開発・試作したと発表した。携帯音楽プレーヤーやゲームコンソールなどへの搭載を想定し、今後はファームウェアの最適化とパッケージの小型化を推進。年内に販売する予定。

 同社は、Ogg Vorbisに対応したポータブルオーディオプレーヤー用のシステムIPを2003年7月に開発。FS-500は、このシステムIPの処理性能を実チップとして検証するために開発・試作された。

 同システムIPは、ハードウェアとファームウェアのアーキテクチャを工夫することで、OggVorbisの再生処理をソフトウェアで実装していながら、低クロック・省メモリでの動作を実現したという。具体的にFS-500では、動作周波数8MHz、メモリはLSIの内蔵SRAMのみでOgg Vorbisステレオ音源の再生処理が行なえる。

 32bitのRISC CPUを内蔵しており、組み込み機器のメインコントローラとして利用できるほか、ホストインターフェイスを介してホストコントローラの制御下でサウンド処理専用のサブマイコンとしても使用可能。⊿Σ方式のDACも内蔵しており、PWM入力のD級アンプなどの外付け部品を追加するだけで、システムを構築できるという。

 また、ファームウェアは低クロックでも高効率で動作できる特徴を活かし、複数のOgg Vorbis音源を同時再生し、イコライジングやエコー、パン、位相シフト立体音像(3D再生)などの特殊再生機能も実現できるとしている。

 対応フォーマットはMP3、WAV(PCM/ADPCM)、Ogg Vorbis。さらに、WMA、AAC、AC3への対応も予定しているという。サンプリング周波数は32kHz、44.1kHz、48kHzに対応。単3電池1本でOggVorbis音声ファイルを連続38時間再生できる。電源電圧はIO部が3.3V、コアが1.8V。パッケージは試作機が144ピンのLQFP。製品版が176ピンのFBGAになる予定。

 なお、同社ではローエンド向けの低価格モデルとして「FS-300」も開発しているという。ローエンドモデルは玩具や電子辞書、家電製品、セキュリティ機器などに組み込み、音楽や音声、警告音や効果音など、サウンド再生機能を手軽に実現するソリューションになるとしている。

□ファインアークのホームページ
http://www.finearch.com/
□ニュースリリース
http://www.finearch.com/pless%20release/pr_20050117_J.htm
□関連記事
【2003年7月15日】ファインアーク、Ogg Vorbis対応のシステムIPを販売開始
-ポータブルプレーヤー向けに低クロック動作を実現
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20030715/fineark.htm

(2005年1月17日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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