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【11月30日】 【11月29日】 【11月28日】 |
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富士通株式会社と株式会社日立製作所は2日、両社が折半出資しているプラズマディスプレイ事業会社富士通日立プラズマディスプレイ株式会社(FHP)について、富士通がFHPの株式の約30.1%とPDP関連知的財産権を日立に譲渡することで基本合意に達したと発表した。 今後両社は、3月末を目処に正式契約を締結し、富士通から日立に知的財産権の譲渡が行なわれる。FHPについては、債務超過の解消を目的とし、両者が財務支援を行なった上、FHPの株式が日立に譲渡される。これによりFHPは日立の連結子会社に移行する。 日立では、「FHPとの経営戦略の一元化を進め、市場をリードするプラズマテレビメーカーとして、世界のデジタル化の潮流に対応した、より高精細で大画面なテレビを市場に投入。プラズマテレビ市場での存在感を高めていく」としている。 なお、日立の子会社となった後も、FHPの社名や経営陣は当面現状通りとする。日立製作所 執行役常務ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの立花和弘氏は、「今回の譲渡により、FHP出資比率は日立80.1%、富士通が19.9%になる。FHPを連結対象とすることでパネル事業とセット事業の経営戦略の一体化が可能となった。プラズマ市場のポジションを確固たるものとして、プラズマ市場の拡大を担っていきたい」とした。 FHPを連結対象とした理由については、「グループ内でLSIやHDDなどのキーコンポーネントを取り入れた特化戦略を“Woooワールド”として展開している。プラズマテレビのHDDレコーダ機能搭載モデルは、夏商戦までは10%程度だったものが、12月には43%まで高まっているなど、キーコンポーネントをグループで持つことはコストや差別化の点で非常に重要。FHPを取り入れることで、セットとの統合をさらに進め、コスト競争力や高機能化を図っていく」としている。 また、「グループ内の情報通信システム、ユビキタスソリューションでの取引も多く、金融やホテルの導入などのシステム展開の拡大が図れる。高性能なパネルをセットメーカーに供給するのもFHPの使命と考えており、PDP市場の拡大を図っていきたい」と語った。 なお、今回の株式、特許の譲受は富士通からの提案を受けたもので、2004年12月より具体的な話し合いを続けてきたという。富士通では現在約150名の従業員がPDP事業に携わっているが、年金などの問題の解消が済み次第、FHPへの転籍となる見込み。なお日立が富士通から取得する特許の件数については、「重要特許40件以上と、数百の特許が含まれる予定(井本義之 ユビキタスプラットフォームグループCOO)」としている。 また、PDPを手がけていないセットメーカーのプラズマテレビ撤退の傾向と、FHPへの影響について、「ハイビジョン化は世界的な流れ。中国や米国、欧州のPDP市場拡大が予想され、需要の急増が予想される。需要増はあっても減ることは無い」とパネル市場についても拡大成長となる見通しを語った。 今後のパネル計画については、「(1080pの)フルHDのパネルについても開発を進めており、フルスペックのハイビジョンパネルは大画面のキーデバイスとして考えている(井本グループCOO)」としたが、投入次期については明言されなかった。なお、今後の価格動向については、「既に“インチ1万円”の時代に突入した。2010年には“インチ5,000円”程度を見込んでおり、現在の大型CRTとほぼ同価格となるだろう。そうした状況を念頭に置き事業計画も進めている(立花グループCEO)」としている。 □富士通のホームページ (2005年2月2日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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