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CeBIT 2005レポート【HD DVD/DVD編】
NECはHD DVDドライブの量産試作機を出展
DVD+R/RWでもコピーワンス放送録画の可能性


NECはPCを利用したHD DVD再生デモを実施

会期:3月10日~15日

会場:Hannover Messe


 米AppleのBDA加入など大きなトピックのあったブルーレイ陣営に比べ、HD DVDを推進するHD DVDプロモーショングループはブースやカンファレンスを設けることもなく、大きな動きはない。しかし、NECがHD DVD-ROMドライブの量産試作機を出展するなど、2005年内の市場立ち上げに向けた動きは確認できる。


■ NECはHD DVD-ROMドライブの量産試作機を出展

NECはHD DVDの再生デモを実施。右側の赤いドライブが研究所による試作機、左側が今回初披露の量産試作機となる

 NECのブースでは、HD DVD-ROMドライブを利用したPCでの映像再生デモが行なわれている。

 一見するとCES 2005で出展したBD/DVD/CDの3波長対応HD DVD-ROMドライブと変わらないように見えるが、従来は研究所がテスト的に作成していたが、今回展示した新型ドライブは事業部による量産工程での検証を目的とした「量産試作機」と位置づけられている。

 従来モデルからの外見上の変更ははほとんど無く、ATAPI内蔵型のドライブをUSB 2.0の外付けケースを介してPCに接続しているが、ドライブ自体はピックアップの軽量化やLSIの小型化が図られているなど、より量産型に近い動作モデルとなっている。NECではHD DVD-ROMドライブを当初予定通りに9月に量産出荷、約2カ月遅れて11月にはHD DVD-R/RWに対応した記録型ドライブも発売したいという。

HD DVDドライブの量産試作モデル HD DVD用OPU(下)とLSI(上)

東芝はHD DVDプレーヤーを展示。特にCESからのアップデートは無し

 今回のデモでは「ディ・アフター・トゥモロー」などのVC-1や、MPEG-4 AVCの1080i映画コンテンツをPC上でデコードし、DVI経由でディスプレイに出力していた。PC用の再生ソフトはNeroのShowTimeと、CyberLinkのPowerDVDを利用、VC-1の場合はWindows Media Playerでも再生できる。

 デモ用のPCではCPUにPentium 4 3.6GHzを搭載しており、「この程度のスペックであればCPUパワーの半分も使わずに再生できる」という。今後ソフトウェアメーカーとの協力を進めて、HD DVDでの再生ソフトを増やしていく方針。

 なお、他のHD DVDプロモーショングループの幹事メンバーについては、東芝、三洋ともに大きなアップデートは無い。


東芝のHD DVDプレーヤー PC用の12.5mm厚HD DVDドライブも展示。HD DVDの再生とDVD/CDの記録再生に対応 三洋もHD DVDプレーヤーを展示している


■ DVD+RWの著作権保護規格VCPSがARIBに提出

 DVD+R/RWを推進する「DVD+RWアライアンス」のプレスカンファレンスでは、高速化ロードマップが示され、第2四半期までに8倍速対応のDVD+RWと、8倍速DVD+R DLの規格策定と、対応機器/メディア発売が予告された。実際に8倍速 DVD+R DLの記録デモも行なわれた。

DVD+R/RWのロードマップ。第2四半期に8倍速DVD+RWと8倍速DVD+R DLをリリース 8倍速DVD+R DLの記録デモも行なわれた

 また、質疑応答では、DVD+R/RWでのCPRM対応への質問が出たが、「CPRMはDVDフォーラムで採用している規格。DVD+RWアライアンスとしてはコピープロテクション技術として、HPやPhilipsが開発したVCPS(Video Content Protection System)の採用する。日本においてもARIB(社団法人 電波産業会)にすでに申請している」という(ソニー 技術戦略部 ストレージ技術室 シニアアライアンスマネージャー DVDテクノロジー 張間廣信氏)。

 VCPSは米国のデジタル放送で施される“Broadcast Flag”などに対応する著作権保護技術。Broadcast Flagでは、デジタル放送録画番組などのネットワーク経由での配信などが禁じられるが、録画制御を行なうのは、HDMIなどのデジタルインターフェイスを利用した場合のみで、アナログ録画には適用されない。一律にコピー回数を制限する日本のコピーワンスよりはかなり柔軟性の高い設計になっている。

 VCPSの機能の一部を利用するだけでコピーワンスへの対応が可能で、既に日本フィリップスにより日本のARIBへの申請が行なわれている。VCPSがARIBに認可され、機器やメディアで実装されれば、いままでコピーワンス放送の録画が行なえなかったDVD+R/RWでも録画が可能となる見込み。

□関連記事
【2004年10月21日】DVD+RWアライアンス、新技術発表会でロードマップを提示
-8倍速+R DLを2005年初頭に製品化へ
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20041021/dvdrw.htm


■ RWPPIとRDVDCが共同テストを実施。CPRM対応DVD-R/RWの互換性を確認

RWPPIとRDVDCが共同でラウンドロビンテストを実施

 DVD-RWを推進する「RWPPI」とDVD-RAMを推進する「RDVDC」は共同でラウンドロビンテストを実施。VRモードやディスク、記録ドライブなどの互換性検証を行なったことを明らかにした。

 DVD-R/RWについては物理層に関するテストを8倍速DVD-Rと4倍速DVD-RWで実施。8倍速DVD-Rでディスク、メディアともに95%以上の互換性を確認したほか、4倍速DVD-RWについてはほぼ全てのディスク、記録ドライブで再生互換が確認できた。ただし、4倍速DVD-RWではディスクアットワンス記録時の扱いについては調整が必要なことが確認され、改善を呼びかけていくという。


CPRM対応のDVD-R/RWでも高い互換性を確認

 論理層のテストでは、PALのDVDビデオディスクや、CPRM対応のDVD-R/RW/RAMについてのテストが行なわれ、CPRM対応8倍速DVD-Rに13社、CPRM対応4倍速DVD-RWに11社が参加。95%のディスクについては問題が無く、一部の組み合わせでは不具合も生じたが、テスト中にほとんどの問題が改善され、ほぼ100%の互換性を維持できているという。

 DVD-RAMに関しても同様にCPRM対応の5倍速ディスクや、マイナーメーカー製造のDVD-RAMディスク、下位互換性など高い相互利用性を確認。なお、RWPPIとRDVDCの共同テストは引き続き行なわれ、2006年第1四半期までに、16倍速DVD-Rや6倍速DVD-RW、16倍速DVD-RAM、Dual Layer DVD-Rなどについての検証が行なわれる見込み。


□CeBIT 2005のホームページ
http://www.cebit.de/

(2005年3月12日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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