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カノープス株式会社は、チューナ部を外付けにしたダブルチューナ仕様のテレビキャプチャカード「MTVX-WHF」を5月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は49,980円前後の見込み。 独自の録画・再生用ソフトの最新バージョン「FEATHER2005 V2」を同梱しており、同ソフトウェアの対応OSはWindows XP。なお、「FEATHER2005 V2」は別売のプラグインを付属した「FEATHER2005 V2 Premium Edition」として単品発売も行なわれる。発売は4月下旬で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は9,800円前後の見込み。
■ MTVX-WHF テレビキャプチャ関連製品のハイエンドモデルとして開発されたモデル。最大の特徴は、PCが発するノイズの影響から逃れるため、チューナ部を外付けにしたこと。チューナユニットには、「MTVX2004HF」でも採用されたソニー製のスプリットキャリアチューナを2基内蔵。PCIカードとは映像用の75Ω同軸ケーブルで接続する。ケーブルはアルミ箔と編線で2重にシールドしており、ノイズの低減を図っている。 スプリットキャリアチューナは、画像と音声信号を独立した回路で処理することで、双方が及ぼしあう影響を低減。カノープス独自の画質チューンも施されているという。さらに、NEC製のゴーストリデューサも2基備えている。 なお、チューナユニットはアンテナ入力を2系統備えているが、分配器などは同梱していない。これは同社のこだわりで「チープなパッシブ分配器を使って、画質が劣化するのを避け、あえて2系統入力を採用した。ぜひブースター付きなどのアクティブな分配器を使って欲しい」とのこと。チューナユニットの外形寸法は約165×22×87mm(縦×横×高さ)で、重量は300g。
エンコーダにはViXSの「Xcode II L」を採用。1チップで2ストリームの同時エンコードに対応しており、2番組の同時録画をサポートする。録画フォーマットはMPEG-2。記録解像度は720×480/640×480/480×480/352×480/352×240ドットをサポート。ビットレートは新たに500kbpsからサポートし、最高15Mbps(Iフレームは25Mbps)まで対応している。 ソフト/ハードウェア面では複数枚指しにも対応しており、同社では3枚を使用し、6番組の録画予約、録画を確認したという。ただしPCの環境によって利用できない場合もあるため、サポート外となっている。 なお、Xcode IIはハードウェアトランスコード機能を備えているが、同機能を利用するためには、同社別売の変換ソフト「X-Transcoder4」を利用する必要がある。ただし、FEATHER2005 V2で、4.7GB以上の動画ファイルをDVDメディアの容量ピッタリにトランスレートする機能では、Xcode IIが利用できるという。 MTVX2004HFと同様に、CGMS-A(Copy Generation Management Sysytem Analog)に対応し、コンポーネントなどから入力したコピーワンスコンテンツもSD解像度で録画が可能。ハードウェアIDを使用し、録画したMPEG-2ファイルに独自に暗号化をほどこしている。録画した番組は編集や他形式への変換は行なえず、バックアップのみ可能。録画したMTVXがなければ再生できない。また、再生はFEATHERからのみ行なえる。 高画質化機能として3D Y/C分離と3DNRを同時に適用可能な「W3D」を2基搭載。また、コンポーネント入力を処理する10bit 3チャンネルA/Dコンバータも2基、独立フレームバッファDRAMも4画面備える。同社は、「話題のハイブリッドレコーダ4台分の機能を贅沢に採用した」と説明している。
映像入力端子は7ピンのDINコネクタを2系統装備し、S映像、どちらもコンポジット、コンポーネントとして利用可能。ただし変換ケーブルが必要となるため、どれか1つを選ぶことになる。音声入力はステレオミニを2系統用意。音声出力はステレオミニとカード上のコネクタのどちらかを選択する。
バンドルするFEATHER2005は、「FEATHER2005 V2」にバージョンアップ。独自の技術を使用し、ハードウェアオーバーレイで2画面表示が可能になった。
さらに、編集機能を向上。新たに、編集と意識せずに編集が行なえるという「スキップポイント」機能が利用できるようになった。 これは、ユーザーが行なう早送りや巻き戻しの動作を記憶する機能で、例えば録画した番組を再生中、「CMを早送りで飛ばし、本編が始まると再生ボタンで元の速度に戻す」といった動作を解析し、スキップポイントを記憶。再度再生した際は、早送りされた部分(CM)をカットした状態で再生するというもの。 「早送りで行き過ぎて、巻き戻しで戻った」というような操作ミスがあっても、最後の操作から3秒程度待ってポイントを打つため、間違った場所にスキップポイントが大量に打たれることもないという。同社は「微調整が終わって本編を鑑賞し始めたと判断した点で、柔軟にポイントを打つ」と説明している。
なお、このポイントはFEATHERでDVDオーサリングを行なう際にも引き継がれ、不要な部分をカットし、スマートレンダリングで繋ぎ合わせた状態でライティングが行なえる。また、同ポイント情報を、別売の編集ソフト「超編」に受け渡すことも可能。また、フレーム単位での正確な編集もサポートしている。
また、別売のプラグインを導入することで、CMを自動検出し、スキップポイントを設定することも可能。なお、CM検出機能は音声のアナログ/ステレオの判断ではなく、メディアドライブ株式会社が開発した独自の機能を利用しているという。 ほかにも、別売のEPG拡張キットを加えることで、番組視聴中にEPG画面を開かずに、番組名や情報を表示できる機能が追加可能。さらに、音楽CDをリッピングした際にCDDBから曲名を取得する「CDDB対応キット」も別売で用意する。3個のプラグインの価格は各1,050円で、5月上旬よりダウンロード販売される。
そのほかにも、音楽再生モードでAACフォーマットが再生できるようになったほか、静止画表示モードでの印刷機能、ネットワークモードでクライアント側から手動録画が行なえる機能などが追加された。なお、プラグイン以外の主な新機能は旧バージョンのユーザーにも無償アップデートで提供される予定。
■ FEATHER2005 V2 Premium Edition MTVX-WHFにバンドルされるFEATHER2005 V2の単品版。バンドル版との違いは、別売のCM自動検出拡張キット、EPG拡張キット、CDDB対応キットを最初から付属していること。 また、前バージョンの単品版「FEATHER2005 Premium Edition」に搭載していたSo-netのiEPGサイト「テレビ王国」の機能を利用した“おまかせ録画”機能も引き続き搭載。なお、同機能をバンドル版で利用するためには、別売の「おまかせ録画キット」(1,050円)が必要となる。
■ 画質にこだわるユーザーへ 同社執行役員で、カノープスユニテックカンパニーの中田潤常務は新モデルについて「外部チューナユニットや、高画質化回路など、徹底的に画質にこだわったモデル。PCIカードとチューナユニットを繋ぐケーブル1つにしても、コネクタサイズの限界まで太く、チューナユニットもできるだけ大きくて性能が良いものという観点で選んだ」と、こだわりのパーツ群を紹介。 さらに、ViXSのXcode II Lを採用したことについては「今まで様々なMPEGエンコーダを見て来たが、低いビットレートでも高いビットレートでも画質が良く、優れたチップだと思っている。また、今回の製品では対応していないが、エンコード動作中にビットレートの設定が変更できるという特徴もある。動画のネットワーク配信で利用できそうな機能なので、今後はこの機能にも対応していきたい」と、計画を語った。
なお、同社はデジタル放送をHD品質で録画/再生できるテレビキャプチャカードの開発ついて、「表示デバイスや著作権保護に関する技術など、様々な状況がまだ整っていないように感じている。しかし、一般市場向けにHD対応のキャプチャカードが市販されるような状況になれば、我々も対応していきたい」と語った。
□カノープスのホームページ
(2005年4月6日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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