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社団法人日本映像ソフト協会(JVAS)は25日、同協会事務局で開会した定例理事会において、2005年度の役員人事を決定。会長に角川歴彦氏(株式会社角川書店会長)、副会長に高井英幸氏(東宝株式会社社長)を再任したと発表した。そのほかの役員についても交代はない。また、併せて2005年度における事業計画も発表した。
角川会長は、2004年度の映像ソフトの出荷実績が前年比108%の3,754億円で、過去最高となったことに触れ「これはDVDが順調に世帯普及したことと、優れた映画などのコンテンツに恵まれたことに起因する。また、アテネ・オリンピックを契機にDVDレコーダが普及したことも要因の1つだ」と分析した。
なお、セルDVDは前年比124%の3,198億円、DVDレンタルは627億円と、一昨年から201%と倍増した。角川会長は「DVDマーケットも成熟期に入ったと感じている。これから先は、今までと違った展開が求められると思われるので、今まで以上に協会の舵取りをしっかりやっていきたい」と抱負を語った。
高井副会長は今年度の映像業界について「映像ソフトの中心は、まだまだ映画だと考えている。そうなると映画館でヒットする作品がどれだけあるかが肝になるが、今年はスターウォーズ エピソード3や、宇宙戦争、バットマン ビギンズ、妖怪大戦争、星になった少年、亡国のイージスなど、強力な作品が揃っており、映画界全体を盛り上げてくれるだろう」と期待を語った。
2005年度の事業計画は、専務理事を務める児玉昭義氏(JVA事務局長)が説明。全体としては昨年までの計画を踏襲したものだが、知的財産権の擁護の点で「スターウォーズ エピソード3 のスクリーンをビデオカメラで撮影したものがインターネットで流れた事件があるが、こうした海賊行為はブロードバンドの進展やビデオカメラの性能向上など、技術の進歩が悪用された例。今年は特にインターネット上での違法行為を排除するため、監視と対応策の研究を強化していきたい」と語った。
また、それに関連し、国際的な著作権問題への対応を強化。「コンテンツ海外流通マーク(通称CJマーク)をJVAの会員のみならず、そのほかのメーカーにも広め、権利の侵害行為を防止を推進していきたい」とした。 映像ソフトに関する調査の面では、従来のビデオ流通チャンネルの実態把握に加え、AV機器も含めた消費実態について調査・研究する計画も発表。「一般消費者の消費実態や、映像の視聴実態について調査し、消費者ニーズの強弱や方向性を把握し、更なる市場拡大のための基礎データを作成したい」という。 また、将来のメディアについて角川会長は「ブロードバンド配信の技術も成熟期にさしかかっており、いよいよ本格的な市場が立ち上がろうとしている。協会としても今後のビジネスモデル構築に向けて、情報収集活動を強めていきたい」とした。 さらに、統一報道で揺れている次世代光ディスクについて角川会長は「統一を持ち出して現在のように混迷を深めるくらいなら、最初から最後までずっとHD DVDとブルーレイの2本立てで進めたほうが良かったのではないか。なまじ“すり合わせできるかもしれない”などと言うと混乱が大きくなる」とした上で、「2本立てで行くとしても、統一するとしても、協会はどちらかだけを支援することはない。どちらでソフトを出すか、もしくは両方で出すかは会員各社の判断になる」と語った。
なお、次世代光メディアに関しては、協会内に専門委員会を設置。情報収集を行ない、ハードとソフトの連携を図るための施策を検討しているという。
□JVAのホームページ
(2005年5月25日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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