|
東映ビデオ株式会社は18日、8月5日より順次リリースするOVA「最終兵器彼女 Another love song」の完成披露試写会を東京・新宿明治安田生命ホールで行なった。会場には、ちせを演じた折笠富美子さん、ミズキ役の折笠愛さんに加え、原作者の高橋しんさんも登場。詰め掛けたファンから熱い声援を受けた。
「最終兵器彼女」は、小学館の週刊「ビッグコミックスピリッツ」で2000年1月から2001年10月まで連載されたコミック。連載終了後の2002年7月からテレビアニメが放送され、DVDも全5巻が東北新社から発売されている。 OVAシリーズ「最終兵器彼女 Another love song」は、テレビシリーズの番外編的な位置付けになっており、全2巻構成。第1巻は8月5日に、第2巻が9月21日にそれぞれ発売される。どちらにも通常版とスペシャル限定版を用意し、価格は通常版は3,990円、スペシャル限定版は7,140円。
通常版とスペシャル限定版の本編ディスクは共通だが、第1巻のスペシャル限定版には、オリジナルのドラマCDが付属。さらに、ケースもデジパック仕様となる。また、第2巻のスペシャル版にはBGMを収録したCDも収録。通常版とスペシャル版のどちらにも解説書やステッカーが付属している。
■ 「テレビ版を思い出しながら楽しんで欲しい」 主人公はドジで内気な女子高生のちせと、陸上部員のシュウジ。北海道の田舎町に住む2人は、交換日記から交際をスタートしたばかり。幸せな学園生活が続くと思われたが、ある日、国籍不明の敵によって札幌が空爆される。逃げ惑うシュウジだったが、突如現れた謎の物体が、空爆をしていた戦闘機を次々と撃墜していく。シュウジが見た物体の正体は、体から羽と巨大な武器を生やし、最終兵器に改造されたちせの姿だった。 とてつもない破壊力を持つ最終兵器に改造された少女を軸に、淡い主人公達の恋愛と、悲惨な戦争を鮮烈な対比で描いたことで話題となった同作品。テレビアニメ版ではシュウジの視点が主に描かれていたが、OVA版はちせの目線で描かれているのが特徴。そのため、かなり激しい戦闘シーンと、徐々に巨大な力に侵食され、変貌していくちせの過程が克明に描かれている。
また、OVA版オリジナルキャラクターとして、ミズキというエリート軍人が登場。ちせより先に最終兵器になったプロトタイプという設定で、兵器としての自覚がないちせを受け入れず、衝突を繰り返す。オリジナルキャラながら、大きな存在感のあるキャラクターで、テレビ版の雰囲気を崩さず、上手く溶け込んでいると試写を観て感じた。
テレビ版が人間としてのちせを描いたものならば、OVA版は兵器としての彼女がメイン。しかし、何の心構えもない女子高生が最終兵器として殺戮を繰り返すことに耐えられるわけもなく、戦いを拒否する自分と、戦わなくては愛する人を守れないという葛藤も生まれる。殺伐としていながらも、新たな人間ドラマを生み出していると言えよう。 「一番注目して欲しいのは、ちせとミズキの心の距離です」と語るのは、テレビシリーズに引き続きちせを演じた折笠富美子さん。「彼女に反発しながらも、心を通わせていく。その過程で生まれる、切ないことや、様々な感情を感じて欲しい」と見所を語る。
折笠コンビとして、ミズキを演じたのは折笠愛さん。「配役は名前で決まったのかもしれない」と笑う愛さんは、「ある意味で2人は姉妹のような関係。自分に出来ることと、できないこと。そしてやらなければならない事。辛い現実の中で成長していく2人の女性の姿を見て欲しい」という。
原作者の高橋しんさんは、ミズキのキャラクターデザインなどでOVAに参加。「自分も参加できたOVA版が、こうして素晴らしい作品として完成したことの嬉しさを、今日の試写を観てあらためて感じた」という。 加瀬充子監督は、「テレビシリーズと同じ時間軸で流れている物語なので、テレビシリーズを観ていた人は、その物語を思い出しながら観て欲しい。“あのシーンの後にはこんな物語があったのか”と、より深く楽しんでもらえるはず」と語った。
■ 実写版は2006年2月に公開予定 また、実写版の映画が、北海道の地でクランクインしたことも発表された。ちせ役は前田亜季さん、シュウジ役は窪塚俊介さんがそれぞれ演じている。監督は須賀大観氏。イベントでは、収録風景もビデオで紹介され、製作が順調に進んでいることを伺わせた。 実写版について、収録現場にも訪れた高橋さんは、「アニメ化の時にも同じお願いをしたのですが、原作漫画をトレースするだけの作品にはしないで欲しいと実写版でもお願いした」という。 その要望が反映された一例として、高橋さんは「窪塚さん演じるシュウジが眼鏡をかけていないこと」を指摘。「漫画と似せるために無理に眼鏡をかけたら、コスプレ感というか、変な違和感が出てしまいかねない。そういう意味で、眼鏡をかけていないシュウジを観た瞬間、ホッとした」と笑う。「原作の雰囲気というか、要素だけを守った、実写版ならではのサイカノを作ってくれると信頼しています」と、期待を語った。
□アニメ「最終兵器彼女」のホームページ
(2005年6月20日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|