|
ソニーと大阪のFM局である株式会社FM802は30日、東京・お台場メディアージュのソニースタイルで、両社のコラボレーション・プロジェクト「You are the NEXT! Project」の紹介イベントを実施。同企画の一環として、HDDネットワークウォークマン「NW-HD5」のオリジナルデザインモデルの発表や、ミュージシャンのCharを招いてのイベントなどを行なった。
「You are the NEXT! Project」は、2005年春からソニーとFM802が共同で実施しているプロジェクト。FM802が長年行なってきた若手アーティストの発掘・育成企画「digmeout(ディグミーアウト)」が発端となっており、同企画で斬新なデザインを発表している大谷リュウジ氏や形部一平氏にソニーが注目。両氏にデザインを依頼したネットワークウォークマンを、ソニースタイル限定商品として各100台限定で販売することになった。 デザイン以外の機能面はNW-HD5と共通で、HDD容量は20GB。大谷氏デザインの「NW-HD5/BI」と、形部氏デザインの「NW-HD5/SJ」が発売され、価格は36,800円。購入希望者は同社サイトでのメール登録が必要。6月23日から既に受付を開始しており、第1回目の販売は7月8日、第2回目は7月下旬を予定。予定数量を超えた場合は抽選となる。 大谷氏のデザインは、モノクロを基調としており、女性や動物などを清涼感のある繊細なタッチで描いているのが特徴。「昔から好きだったCharさんなど、音楽のジャンルとしてはロックをイメージしてデザインした」と語る大谷氏。ポイントは背面に描かれたエレキギターだという。
なお、オリジナルデザインモデルには両モデルに、音楽配信サイト「Mora」でのダウンロードクーポン5曲分が付属しており、それぞれのデザイナーが「このプレーヤーで聴いて欲しい楽曲」を選んでいるのも特徴。大谷氏は「Sex Pistols/Anarchy in The UK」や「Janis Joplin/Summer Time」などを挙げている。「新旧を問わず、強いエネルギーを感じる楽曲を選びました」という。 形部氏のデザインは、ポップでコントラストの強い配色と、どこかコミカルでキュートなキャラクターが持ち味。「NW-HD5/SJ」の背面には、空気中に漂っている音楽をウォークマンにダウンロードし、エネルギーに変換しているロボット少女が描かれている。形部氏は同ウォークマンに入れたい楽曲として、「Prince/Purple Rain」や「Queen/Bohemian Rhapsody」などを挙げた。なお、どちらのプレーヤーにも各氏がデザインしたTシャツ(Mサイズ)が付属する。そのほかの付属品はNW-HD5と共通。
■ 店舗も自由にデザイン
「digmeout」では展覧会やアートブックを発行してきたが、ソニーとのコラボレーション企画はプレーヤーだけに留まらず、ソニースタイルストアの店舗デザインにも展開していく。第1弾として、6月23日から7月31日まで「ソニースタイルストア大阪」において、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのアートワークなどで知られる中村佑介氏がデザインした店頭ディスプレイが設置されている。
また、第2弾は6月28日から7月25日まで大阪にある「digmeout CAFE」のデザインを形部氏が担当。ロボット少女を中心にしたアートワークを展開している。そして、今回第3弾として東京・お台場のソニースタイルを大谷氏のアートが飾ることとなった。期間は6月30日から8月7日まで。
なお、お台場ソニースタイルのデザインには、空間デザイナーとして世界的に有名な森田恭通氏が協力した。森田氏は「今回の仕事に声をかけてもらう前から大谷君のことは知っていた。素晴らしいセンスを持っていると感じ、ぜひ一緒に仕事をしたいと考えていたので、今回の企画が実現してとても嬉しい」と感想を語った。
大谷・森田デザインのソニースタイルは、入り口に黒いマネキンがディスプレイされ、中に足を踏み入れると大谷デザインのキャラクターをあしらった無数のシャンデリアに出迎えられるという斬新なもの。ほかにも、店舗を分断するように配置された「NW-HD5/BI」が目を引いた。
■ ウォークマンをキャンバスに
イベント後半には、大谷氏がデザインしたウォークマンのサウンドイメージアーティストであるCharが登場。「音楽関連のハードウェアは黒くて無骨で無個性なものが多かったが、24、5になった息子はステッカーやペイントでハードウェアを自分好みに再デザインしてしまう。今回のコラボといい、そういう発想は若い世代ならではのものだと感じる」というChar。 大谷氏のデザインについては、「黒を基調としたオドロオドロしさを感じさせる。世間から“悪い”と言われる側のロックンロールのイメージ」と感想を語った後、「でも、まだまだロックをわかってないな。俺は“良い”側のロックンローラーだけど」と冗談を交えて会場の笑いを誘った。
また、ギターを持ち込んでの生演奏も披露。大谷デザインをイメージした即興曲を奏でた。また、「1万曲以上も入るHDDウォークマンなら、こんな曲を入れたい」として、クラプトンやローリング・ストーンズなど、年代別の代表的なロックを演奏。「1万曲も選ぶの大変そうだから俺なら人にやってもらうな」と笑いながら生歌も披露し、大きな歓声を受けた。
FM802の栗花落光常務取締役は、今回のコラボレーションについて「FM局でありながら、ビジュアル面にも注力するという独自の活動を行ない、その結果として才能溢れる若者に沢山出会うことができた。その延長として、ソニーという世界規模の大きなメーカーとコラボでき、大変光栄に感じている。今後も参加アーティストとFM802に注目して欲しい」と語る。 ソニーの長島利通コネクトカンパニー商品企画部統括部長も「今回のデザイン企画では、“ウォークマンをキャンバスにしてください”というつもりでお願いした。おかげさまで新しいHDD/フラッシュメモリ型のウォークマンの販売は大変好調だが、今回のようなデザイン企画を含め、これからのウォークマンに期待して欲しい」という。
また、digmeoutのプロデューサーを務めるFM802の谷口純弘 業務推進局事業開発部開発課長は、digmeoutという言葉の由来について「dig(掘る)、me(私)という言葉をつなげ、“埋もれていた才能を掘り出して、外に広める”とか、“私を見つけだして”という意味を持たせている。まだまだ若いデザイナーに、今回のような大きなチャンスを与えてくれたソニーに感謝している」と話すう。
その上で谷口氏は「これまでの企画は“まだまだ序の口”というつもりでいる。今後も皆さんを驚かせるような展開をしていきたいと思うので、まずはdigmeoutという言葉を覚えていて欲しい」とPRした。
□ソニースタイルのホームページ
(2005年7月1日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|