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株式会社日立製作所は、プラズマ/液晶テレビ「Wooo」シリーズの新モデル発表会を開催し、同社の製品戦略や、新製品の特徴などについて解説した。 今回発表の「Wooo8000シリーズ」では、新しいALISパネル(プラズマモデルのみ)を搭載し、HDMI端子(液晶26V型を除く)を備えた計11機種を8月中旬より発売する。各モデルの主な仕様、型番、価格、発売時期は下表の通り。
■ 「ハイビジョン全面展開」に向け開発陣も集約
株式会社日立製作所 執行役常務ユビキタスプラットフォームグループ長&CEOの立花和弘氏は、同社のデジタル家電戦略について説明した。 同社では、2005年を「地上デジタルのスタンダード化」の時期と位置づけ、リビング用テレビのハイビジョン/大画面化を積極的に推進する。プラズマテレビ市場については、2004年までの導入期を第1期500万台市場と分析。2005年から2008年にかけて本格普及期に突入し、3,000万台まで市場拡大すると予測している。 また、薄型テレビに加え、HDD/DVDレコーダやDVDカムなどの「HDD/DVDアプライアンス」、「BB(ブロードバンド)パソコン」の3セグメントを「次世代3種の神器」と決め、重点的に投資する。BBパソコンについても早期のハイビジョン対応を目指すという。 経営戦略面では、日立LGデータストレージによるDVD関連デバイス、日立GSTによるHDD、ルネサステクノロジによるLSI、IPSアルファテクノロジによる液晶パネル、連結子会社化した富士通日立プラズマディスプレイによるPDPなど、キーデバイスの内製化を進める「Made in HITACHI」作戦により、デバイスレベルでの差別化や価格競争力の強化を図るという。 「次世代3種の神器に経営資源を集中し、ハイビジョン全面展開を図る(立花グループCEO)」とし、開発拠点も従来、テレビが横浜、PCが海老名、レコーダが東海地区と分かれていたが、2005年よりすべての開発拠点を横浜に集約。1,500人の開発体制を構築し、それぞれの製品分野で技術融合を図っていく。
また、同社ユビキタスプラットフォームグループ デジタルメディア事業部 山田健勇 事業部長は、ユーザー調査結果などを例に挙げ、「PDPは普及の第2章に入った。高画質はあたりまえで、さらなる差別化時代が始まる」と説明。PDPは「リビングの王様」と位置づけ、家族で映画を見たりスポーツ観戦を楽しむなどの用途を、液晶テレビは明るい部屋でのダイニングや、省スペース性などをアピールし、それぞれの特性にあった使い方を提案していくとした。 新ALISパネルや、Wデジタルチューナ、HDDレコーダなどの新製品の特徴に加え、強調されたのはデザイン。「北米市場をはじめ、単に大きさだけでなく“デザインで決める”という声が増えている。フロントパネルをなくすことで、ガラス面を広げフラット感を向上させたほか、上下のアルミバーの採用により高級感を演出している」という。 なお、「Wooo 8000シリーズ」のプラズマテレビは、同社のデジタルチューナ搭載PDPでは初のチューナ一体型となる。「一体型は2年前から開発していたが、コスト削減と地上デジタルの普及率を睨んで2005年を目指していた。今までのAVCステーション(デジタルチューナユニット)についてもこれまで通り使って頂くため、生産を続ける」としている。 ■ 1080p対応PDPは年内に発表? 海外勢との競争に自信 なお、質疑応答では1080pのフルHD対応プラズマテレビについて質問が出たが、「現在、開発、検討中で発売はもう少し先だが、年内にはなんらかの形で紹介できると思う。将来的には50インチ以上はフルHDが必要となると考えている(山田事業部長)」とした。 また、コスト削減と低価格化については、「現在パネル、セット、流通の3つの点からコストの削減を進めている。パネルのコスト低下に加え、一番大きなコスト減が期待できるのが、デジタル回路の合理化。年内にチップセット化を目指し、来年のモデルに搭載したい。デジタル回路のコストは50%程度削減できると考えている(山田事業部長)」という。 将来的なセットの低価格化については、「2007年末から2008年には、インチ5,000円という時代が来る。そこで競争力を保てるようにさまざまな取り組みを行なっていきたい」と説明された。 なお、32型/10万円など海外メーカーによる安価な液晶テレビについては、「不良率が(日立の)6~7倍と高く、品質の面で大きな違いがある。画質や付加機能でも明らかに違っている。また、デジタルチューナについては一種の非関税障壁になっている面があるため、そう簡単に同じようなものができるとは考えにくい。今でも海外では10万円台の市場で戦っているので問題はない(山田事業部長)」と、海外メーカーの国内市場参入に対して自信のほどを伺わせた。 国内シェアについては、「プラズマは松下が市場を凌駕しているが、国内3社の中でもトップシェアとなる35~40%を狙っていく。液晶はまだまだ日立のブランドが浸透していないが、新シリーズでラインナップも充実した。10%を早期に超えたい」という。
■ 黒木瞳を起用。キャッチは「見つめてください」
さらに、フラットパネルテレビ新「Wooo」に加え、8月末に掛けて、ハイビジョンレコーダ、カムコーダ、プロジェクタなどを次々と製品発表する予定という。ブランド戦略として、新製品は全て「Wooo」ブランドで統一し、「ハイビジョン映像ブランドに育てたい(立花グループCEO)」とした。 Woooブランドの新製品投入にあわせて、プロモーションキャラクターに女優の黒木瞳さんを起用することも明らかにされた。黒木さんを起用した理由については、「上品」、「親しみやすい」、「高い知名度」などが挙げられた。
発表会には黒木さんも登場し、新型Woooの感想などを語った。職業柄、映像にはこだわるという黒木さんだが、「美しい映像を見たい、と知人に相談したらWoooを薦められた」とのことで、従来よりプラズマWoooのユーザーだったという。 ドラマや映画のほか、スポーツやドキュメントなどを楽しんでいるが、「新シリーズはきらきらしているという印象。早く新しいのが欲しいな。是非、自分の出演したドラマを見てみたい」と述べ、8月に日本テレビ系で放送予定の「二十四の瞳」について言及。「(ドラマの舞台でロケ地となった)小豆島は、海も山もきれいで景色がとても美しく見られると思います」と新Woooをアピールした。 同ドラマにあわせて放送予定の新CMは「久米島で撮影し、おととい終わったばかり。風も強かったのですが、久米島の美しい景色がそのまま封じ込められていると思います」と語った。
□日立のホームページ
(2005年7月11日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp/yamaza-k@impress.co.jp]
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