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パイオニア株式会社は、ハイエンドスピーカー「TAD-M1」の設計思想を踏襲したという高級スピーカー「EXシリーズ」を発表。トールボーイとブックシェルフの2モデルと、ブックシェルフ用スタンド1モデルを11月上旬より順次発売する。各モデルの発売時期と価格は下表の通り。
同社のコンシューマ向けスピーカーのハイエンドモデルは、プロ向け製品のブランド「TAD」初のコンシューマ製品である「TAD-M1」(1本300万円)だが、その設計思想やユニット設計、素材、チューニングなどの技術を踏襲したというシリーズ。そのため、スピーカーシステムとしてはパイオニアブランドだが、ユニットはTADブランド。開発は日本、米国、欧州のエンジニアで構成されたチームが担当したという。
■ S-1EX
ダブルウーファを採用した、3ウェイの位相反転式トールボーイシステム。最大の特徴は、ツイータとミッドレンジに、TAD-M1でも使用された独自のCST(Coherent Source Transducer)同軸ユニットを採用したこと。 CSTは、広帯域にわたって駆動ユニットの位相と指向性をコントロールする同軸スピーカー方式。ツイータにはベリリウム振動板を採用し、100kHzの超高域再生が可能。ミッドレンジにはマグネシウム振動板を使用し、磁気回路にはネオジウムマグネットを採用している。ユニットの口径はミッドレンジ部が14cm径、ツイータ部が3.5cm径。 ウーファは18cm径のコーンユニットを2基搭載。振動板にはアラミド織布とカーボン不織布を3層にラミネートした新開発の素材を使用。さらに、センターキャップとコーン部を一体化したシェル形状を採用し、軽量化と高剛性を両立したという。 ボイスコイルやネオジウムマグネットは大型のものを採用しているが、磁気回路そのものはコンパクトにまとめており、振動板背面の抵抗を低減。ノイズの発生源となる空気流の乱れを抑えている。 各ユニットから発せられた音波を、リスナーの耳に同時に到達させるため、タイムアライメント技術を採用。バッフルに「プレシジョンカーブ」と呼ばれる形状を採用したほか、エンクロージャも8度傾斜しており、完全なタイムアライメントを実現したという。また、傾斜したことで重心位置がキャビネットの中心に移動。安定性の向上も図っている。
ほかにも、エンクロージャ内の定在波を除去するABD技術などを採用。インピーダンスは6Ω。再生周波数は28Hz~100kHzで、クロスオーバー周波数は400Hzと2kHz。出力音圧レベルは88.5dB(2.83V)。外形寸法は422×609×1,283mm(幅×奥行き×高さ)。重量は66kg(1本)。厚さ60mmのMDFに亜鉛ダイキャスト製の脚を採用した台座が本体を支えている。
■ S-2EX
位相反転式の3ウェイブックシェルフスピーカー。搭載するユニットはS-1EXと同じだが、ウーファユニットはシングル。ミッドレンジとツイータにはCST同軸ユニットを採用している。また、バッフル形状にもプレシジョンカーブを取り入れている。ただし、エンクロージャの傾斜はなく、定在波を除去するABD技術も省かれている。 インピーダンスは6Ω。再生周波数帯域は34Hz~100kHzで、クロスオーバー周波数は400Hzと2kHz。出力音圧レベルは85.5dB(2.83V)。外形寸法は291×413×565mm(幅×奥行き×高さ)。重量は28kg(1本)。スパイクも同梱する。
S-2EX用のスタンド「CP-2EX」の外形寸法は401×513×625mm(幅×奥行き×高さ)。重量は18.5kg(1本)。
□パイオニアのホームページ
(2005年9月2日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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