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ニフティ株式会社は、SD-Audio(AAC)形式を採用した音楽配信サービス「MOOCS(ムークス)」を10月31日から開始する。楽曲の価格は1曲105円~270円。サービスの対象はニフティが運営するISP「@nifty」会員のほか、クレジットカードやWebMoney、Mobile Edyなどを利用することで@nifty会員以外でも利用できる。 MOOCSでは、楽曲をPCでダウンロードし、SDカードに転送。SD-Audio対応の携帯電話やオーディオ機器で再生する音楽配信サービス。楽曲はニフティがレコード会社などの権利者と直接契約を行ない、サービス開始当初には15万曲を用意、年内に20万曲以上をラインナップする予定。
同社では、デジタルコンテンツ配信事業をISP「@nifty」に次ぐ事業の柱と位置付け、MOOCSがこのコンテンツ配信事業の第1弾となる。今後は映像配信にも事業を拡大し、2007年度末には80億円の売上を見込んでいる。
MOOCSでは、対応する音楽管理ソフトとして、松下電器製の楽曲管理ソフト「SD-Jukebox V5.0 LE」をベースにした「MOOCS PLAYER」を無償で配布する。対応OSはWindows XP/2000。なお、SD-Jukebox V5.0でMOOCSが利用できるアップデータも10月31日に公開される予定。 著作権管理には、東芝のDRM技術「MQbic(マルチキュービック)」を採用、ダウンロード楽曲やCDの楽曲をSDカードに書き込む際には、CPRM技術を用いる。MQbicにはCD-Rへの書き込みや、チェックイン/チェックアウト機能や、ムーブ機能を有しているが、1つの楽曲ファイルを購入したPC以外で再生するといったPC間での楽曲共有には対応しない。 これらの設定はMOOCSではなく、楽曲の提供者が行なうことになる。配信フォーマットはMPEG-2 Audio AACを採用し、ビットレートは128kbps。SDカードに転送した楽曲は、携帯電話や、D-snapなど、すでに市場に出回っているSD-Audioに対応した機器で再生できる。
発表会ではニフティの古河建純代表取締役社長が、音楽配信サービス参入の理由について、「デジタルコンテンツの配信は、ニフティのようなISPが最も得意とするサービス。松下電器産業と東芝とのパートナーシップも参入を決めた大きな要因」と説明。また、「iPodのようなプレーヤーを買わなくても、携帯電話でも高音質で楽しめるサービス」とした。 また、ブログサービス「ココログ」、Podcastingポータル「Podcasting Juice」との連動も計画。「音楽好きのコミュニティを利用して、音楽の配信事業を高める。好きな曲を好きな時、好きな場所で聴けるというPodcastingのような機能も取り入れて、音楽配信事業を活性化していきたい」としたが、具体的な内容については明かされなかった。 音楽配信事業を担当するニフティ サービスビジネスグループの田代彰音楽・映像プロジェクト部長は、「メジャーからインディーズまで幅広いジャンルを取り揃える。ニフティが初めて提供するような楽曲も用意している」という。 「現在のところ楽曲提供レーベルは公開できないが、サービス開始までには公表する予定」としているが、現時点で公表できるレーベル名として、10月4日から幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2005」でサンプル楽曲を提供する、東芝EMI、ドリーミュージック、インディーズレーベルの「ダイキサウンド」の3レーベルが明かされた。
著作権技術「MQbic」を提供する東芝は、音楽プレーヤーとして「gigabeat」を展開しているが、gigabeatはSD-Audioには対応していない。この点について、東芝 ネットワークサービス&コンテンツ事業統括の河田勉統括責任者は、「今回は著作権管理だけでの協力。しかし、今後は東芝の中の機器でもMQbicへの対応を進めていきたい」とした。
□ニフティのホームページ
(2005年9月28日) [AV Watch編集部/furukawa@impress.co.jp]
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