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NTTドコモとタワーレコードが業務/資本提携
-「音楽配信も積極的に進めたい」


左がドコモ執行役員 プロダクト&サービス本部の夏野剛マルチメディアサービス部長、右がタワーレコードの伏谷博之社長兼グループCEO
11月7日発表


 タワーレコード株式会社と、株式会社NTTドコモは7日、業務提携を目的とした資本提携を行なうことを発表した。ドコモは増資引受などによりタワーレコードの総株式の約42%を約128億円で11月下旬にも取得し、筆頭株主となる予定。また、現在の筆頭株主である日興プリンシパル・インベストメンツは約16.5%を保有し、2位となる。

発表会は和やかなムードで進行した

 資本提携で取得した資金を使用し、タワーレコードは、各店舗に「おサイフケータイ対応決済システム」を導入する予定。これは、NTTドコモが今後提供を予定しているサービスで、おサイフケータイにクレジット決済機能を内蔵させることで、携帯電話をクレジットカードとして利用できるようになるというもの。

 タワーレコード各店は、新クレジットブランド決済サービスのモデル店として、今期下半期を目処に対応システムを導入。専用アプリケーションの開発・導入は来年度を予定している。

 ほかにも、おサイフケータイの機能「トルカ」などと連携したサービスや、ポイントサービスの導入に関する環境整備についても検討を進める。また、タワーレコードが持つ音楽情報のiモードへの提供や、音楽配信も視野に入れ、携帯電話と音楽を融合させた、新たな利用シーンの創造を図る。

 提携の背景について、タワーレコードの伏谷博之社長兼グループCEOは「お客さんが音楽と出会う最良の場所を提供したいと、これまでリアル店舗を中心とした事業展開を行なってきた。しかし、音楽CDの生産高が6年連続で前年を下回るなど、音楽パッケージビジネスの市場は縮小している」と説明。

 そのうえで「店舗を活性化させ、音楽業界を活性化させるためにも、新しいチャンネルの展開が必要だと考えていた。そこで、身近なインフラであり、なおかつ“着うた”などで音楽生活インフラとして高いポテンシャルを持つ携帯電話に魅力を感じていた。最も広範な利用者と高度な技術を持つドコモと、音楽コンテンツ提供の経験とノウハウを持つタワーレコードが組むことで、最も便利で充実した音楽サービスが提供できるだろう」と展望を語った。

「今後の事業展開において、ドコモは心強い支えになってくれる」と語る伏谷博之社長 提携の背景

 ドコモの執行役員で、プロダクト&サービス本部の夏野剛マルチメディアサービス部長は「タワーレコードの利用者と、携帯電話のヘビーユーザーの層はかぶっている。そこで、タワーレコードの店頭で“おサイフケータイを使うと、生活がこんなに便利になる”という事例を示していきたい」と語る。

 さらに「音楽CDの支払いを携帯電話でするだけでなく、様々なサービスも検討していく」とし、例として店頭情報や販促キャンペーンの案内を携帯電話に配信したり、新譜の予約が携帯電話で行なえたり、トルカや二次元バーコードなどを利用し、店頭で携帯電話を通じて楽曲の視聴が行なえる……などの展開も想定。情報の流通プラットフォームとして、CDやアーティスト情報などを配信することも検討しているという。

「一部報道でドコモがタワーレコードを傘下に入れたという表現があるが、それは間違い。業務提携ありきだ」と語る夏野剛部長 クレジット決済システム以外に検討されているサービス

 なお、業務提携だけでなく、資本提携まで行なった理由について夏野部長は「iモードではトラフィックの増加がドコモの利益に繋がったが、おサイフケータイでは違う形で収益をあげたいと考えている。そこで、タワーレコードを連結化することで、タワーレコードの利益がドコモにも明確にリターンされるシステムが良いと考えた」という。

 しかし、おサイフケータイでコラボレーションを行なう企業の株式をその都度取得するわけではなく「もちろん普通の事業提携の方が多い。あくまで資本提携した方がスムーズに行くと判断した場合、今回のような方法も検討するというスタンス」と説明した。


■ 音楽配信も積極的に進める

 なお、タワーレコードは米Napsterと業務提携を行なっており、10月20日付で「ナップスタージャパン株式会社」を設立。来春を目処に、国内で音楽配信サービスをスタートさせることになっている。

 今回の資本提携と、音楽配信の関係について伏谷社長は「音楽配信事業についても積極的に進めたいと考えている。しかし、携帯電話と連携することでのシナジー効果の規模や、サービススタイルなど、様々な検討を重ねている段階。それが進んだ時点で、あらためてお話できればと思っている」とし、今回の発表会では明言を避けた。

 また、夏野部長は「ドコモとして音楽配信を行なう予定は無いが、フル楽曲の配信がどの程度利用されているか? 1台の携帯電話に何曲ダウンロードされているか? などの分析は進めている。その結果、現段階では単純に音楽を配信するのではなく、小売との連携や、ランキングや新譜など、音楽関連情報も含めた総合的な音楽サービスを提供した方が良いのではないかと考えている」と説明。「音楽と携帯電話の相性が良いことは確かなので、それをより大きく花開かせていきたい」と語った。

□タワーレコードのホームページ
http://www.towerrecords.co.jp/
□ニュースリリース(PDF)
http://www.towerrecords.jp/company/pdf/051107pressrelease.pdf
□NTTドコモのホームページ
http://www.nttdocomo.co.jp/
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【10月25日】Napsterとタワレコ、「ナップスタージャパン」設立
-日本初の定額制音楽配信を来春スタート
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20051025/napster.htm

(2005年11月7日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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