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社団法人 日本映像ソフト協会(JVA)は9日、2005年7月に実施したビデオレンタル店実態調査の結果を報告した。DVDレンタルがVHSを月平均金額、貸し出し本数などで初めて上回り、主軸が本格的にDVDへ移るという結果になった。一方、VHSとDVDを合わせた全体の月平均売上額は490万円で、’04年の495万4,000円を下回った。 この調査は、同協会のレンタルシステム加盟店に対するアンケートをもとにしたもので、今年は547店舗が回答。毎年1回行なわれており、今回で19回目となる。 ■ DVDが小規模店まで浸透。VHSは激減 DVDの月平均売上額は282万8,000円で、’04年の139万7,000円に比べ約2倍に増加。DVDレンタルを実施する店舗は、’04年の92.2%から95.4%に微増した。店舗の面積別の実施率では、20坪未満の店舗で87%、10坪未満で65%となっているが、50坪以上70坪未満、70坪以上100坪未満、150坪以上200坪未満、200坪以上の店舗では実施率100%となった。坪当たりの月平均売上金額では、VHSの4.7万円に対し、DVDは11.2万円。 この結果に関して同協会では、「大規模店舗以外でもDVDレンタルが浸透した結果」と見ており、「レンタル店におけるDVD導入は2002~3年にピークを迎え、現在は安定期に入った」という。
一方、VHSレンタルの月平均売上額は220万8,000円で、’04年比68.4%まで大幅に減少。2000年にDVDレンタルも調査開始以来、初めて月平均売上でDVDがVHSを上回った。また、月平均貸し出し本・枚数に関してもDVDは8,839枚(’04年4,755枚)、VHSは7,633本(同11,664本)、月平均仕入れ数でもDVDが248.6枚(同174.3枚)、VHSが96.7本(同213.5本)と逆転している。 また、VHS+DVDの総売上額規模別に見たVHSとDVDの構成比では、300万円以上の店舗では全てDVDがVHSを上回っており、大型店ほどDVDの売上が伸びる結果となっている。なお、’04年はいずれの店舗もVHSが6~8割を占めていた。
■ 会員数は増加したが、今後に課題も 平均会員数は、8,013人と3年ぶりに増加。女性の割合が34.5%となり、’04年より2ポイント上昇した。また、年齢区分では40代、50代、と10代が増加した。この傾向について児玉昭義専務理事は、「韓流ブームや邦画のヒット作など、特定ソフトへのニーズが影響した」としている。 一方、全体額が減少した結果について「コンテンツのネット配信やVODといった新勢力による影響は?」という質問に対しては、「現時点では様々な要素のうちの1つ」と回答したが、「特に店舗に足を運びにくいアダルト作品に関しては、レンタル店は無店舗型のオンライン配信サービスに比べ不利」と見ている。 また、調査表送付数の5,597票に対して有効回収率が9.8%(’04年11.6%)と低下したことについては、「統計として決して低い数字ではないが、加盟店の苦しい現状を示しているのかもしれない」とした。 今後も、DVDレンタルがビデオ全体の売上を左右すると同協会は見ているが、「現状においてDVDはVHSの代替にとどまり、新しい成長の要素とはなり得ていない」と分析。児玉専務理事は、「DVDは安定期に入ったが、これは停滞しているのではなく、新しいマーケティング提案ができるが、放っておくと衰退の恐れもあるということ。市場拡大に向けたトライアルを行なうことが必要」と述べた。 □JVAのホームページ (2005年11月9日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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