|
次世代光ディスクを巡る争いが本格化、2006 International CES開幕にあわせて、プレスカンファレンスを開催したHD DVDとBlu-ray Disc各陣営だが、展示会場でも新製品展示や詳細公開が行なわれている。 ■ 「1080p」をキーワードにするBDプレーヤー。50GB REは60ドル
Blu-ray Discに関しては、5日にBD-R/RE/ROMの仕様策定完了とライセンスの開始が発表された。各社からBD-ROMプレーヤーが発表/参考展示されたが、型番や発売時期、価格までを発表したのは、パイオニア「BDP-HD1」とSamusung「BD-P1000」のみ。 パイオニアのBDP-HD1は既報の通り、5月より1,800ドルで販売予定。SamsungのBD-P1000は初春発売で価格は1,000ドル前後となる見込み。 BD-P1000は、HDMI出力を装備し、720p/1080iでの出力に対応。独自の2つの対物レンズを備えた独自の1ピックアップ構造を採用して、BD-ROMのほか、全てのDVDフォーマットやCDの再生をサポート。SD/CF/メモリースティックなどに対応したメモリーカードスロットも備えている。 LG電子は「BD199」を第2四半期に発売予定で、実機による再生デモも実施。HDMI出力を備えており、720p/1080(60i)/1080(24p)の出力が可能。Philipsの「BDP9000」の第2四半期の発売を予告している。大手のBDプレーヤーが出揃ったが、今春から夏の新製品で1,000ドルを切ってくる製品は無い模様だ。
また、「1080p」というキーワードを前面に出すメーカーも目立つ。BD-ROMに収録されるビデオストリームは1,920×1,080(60i)/(24p)だが、HDMIからの映像出力時に、プログレッシブ化を行なうことで、高画質化を図る付加機能としてアピールしている。 しかし、1080pと表現している場合でも、1080(60p/60フレームプログレッシブ)ではなく、1080(24p)出力までという製品もあり、また、現行のHDMI Ver.1.1では1080(60p)出力は帯域の問題から難しいという。
ソニーの「BDP-S1」はハードウェア的にはほぼ製品版で、1080(60p)の出力を謳っているが、HDMIについても次世代HDMI(Ver.1.3もしくはVer.2.0となる見込み)の採用を予定しているという。ただし、規格化作業の遅れや、BDソフトの市場立ち上げ状況によっては変化してくるため、実際の製品の最終仕様が固まるにはもう少し時間がかかる模様だ。 1080p信号を受けるディスプレイ側の準備も整っていないため、1080(60p)出力が実際に普及するまでは時間がかかりそうだが、プレーヤーの高画質化機能の一つとして多くのメーカーが注目していることが確認できる。 なお、「PLAYSTATION 3」については、SCEI久多良木CEOが次世代HDMI採用を明言しているが、PS3開発機を用いた、BD-ROM再生デモにおいては「1080/60p 12bit color HDMI output」と告知していた。
また、記録メディアについても、各社が出展しているが、松下電器が25/50GBのBD-R/REメディアを正式発表した。正式発表とともに、実売価格も明らかになった。 いずれもカートリッジ無しの“ベアディスク”で、実売価格は書換型BD-REの2層50GB「LM-BE50DE」が59.99ドル、1層/25GBの「LM-BE25DE」が24.99ドル。2層50GBの追記型BD-R「LM-BR50DE」が24.99ドル、「LM-BR25DE」が17.99ドル。
■ HD-XA1の仕様を公開。THOMSONやLGもHD DVDプレーヤーを出展
東芝は、5日に発表した実売799ドルのHD DVDプレーヤー「HD-XA1」と499ドルの「HD-A1」を出展。HD-XA1を中心にデモを行なっている。既報の通り、HD-XA1とA1の違いは筐体とRS-232C端子の有無で、HD-XA1については詳細がほぼ確定している。 HD DVD-ROM/R、DVD、DVD-R/RW/RAM、CD/CD-R/RWの再生に対応し、DVDオーディオには非対応。11bit 216MHzのDACを内蔵する。HDMI Ver.1.1出力端子を装備し、720p/1080iの出力が可能なほか、DVDビデオのアップスケーリング出力も可能。 その他の出力端子はコンポーネント(RCA)×1、S映像×1、コンポジット×1、同軸デジタル音声×1、光デジタル音声×1、アナログ音声×1、アナログ5.1ch×1。Ethernetも装備し、ネット経由でのインタラクティブ機能などにも対応する。また、本体前面にUSBポートを装備し、ゲームコントローラを接続して、HD DVDのインタラクティブゲームなどを楽しめるという。 外形寸法は450×340×110mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約10kg。筐体の剛性強化による高音質設計でA1との差別化を図っているほか、前面パネルを電動開閉式にと、蓄光式のリモコンを採用するなど、外装の高級感を出す工夫も取り入れているという。 また、AVノートPCも出展。HD DVDプロモーショングループのブースでは、本体での映像再生とHDMIを介したテレビへの同時出力デモを実施している。なお、同製品の詳細と発売時期は、3月までに発表される見込み。東芝ブースでは、USB 2.0の外付け型ドライブも参考出展している。
Blu-ray Disc Association(BDA)の全体の戦略/意思決定を行なう幹事会社(Board of Directors)ながら、HD DVDのサポートを表明しているTHOMSONは、RCAブランドのHD DVDプレーヤー「HDV5000」を発表。同社ブースで再生デモを行なっている。 第2四半期に、499ドルで発売。HDMI出力の装備やHD DVD再生対応以外の基本的な仕様は明らかにしていないが、東芝の499ドルモデル「HD-A1」のOEM製品で、ほぼ同仕様になると推測される。 またTHOMSON同様、BDAの幹事会社であるLG電子もHD DVDプレーヤーをHD DVDプロモーショングループのブースで参考出展している。同社ブースではBD-ROMプレーヤーやドライブを次世代ディスクとして出展、アピールしており、HD DVD関連の展示は行なわれていない。
■ 次世代ディスクのパッケージは? また、BDAやHD DVDプロモーショングループなど、次世代光ディスク関連ブースには、各映画スタジオのタイトルを収録したパッケージを展示し、スタジオの支持の多さを競っている。 今回の各ブースでの展示においては、Blu-ray Discが薄いブルーを基調としたクリアケース、HD DVDにおいてはやや深みのある赤のクリアケースに各作品のパッケージを施して展示。
パッケージまで対照的な色を採用しているのが興味深いが、実際の発売製品がこうしたパッケージになるかどうかは未定で、最終的にはコンテンツホルダが決定することとなる。ただし、各陣営とも、既存のDVDとの違いを意識させる仕組みは必要と考えているとのことで、こうした統一パッケージでの展示となったようだ。 □2006 International CESのホームページ(英文) (2006年1月8日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|