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三菱電機株式会社は15日、3原色の半導体レーザーを光源として利用し、色空間の国際標準規格「xvYCC」に対応したリアプロジェクションテレビを開発したと発表した。画質の向上が見込めるほか、カラーフィルタやカラーホイールが不要となり、輝度の向上やコスト低減も図れる。同社は「従来のプロジェクションテレビの画質や視聴スタイルを一新するテレビの実用化を目指す」としている。 開発されたリアプロジェクションテレビは、DLP方式を採用。しかし、光源として従来のランプではなく、光の3原色を構成する3つの半導体レーザーを採用している。 レーザー光は各色個別の光ファイバーを通して、DMDチップのある光学エンジンに結合。光ファイバー内で多重反射した光は、波面が乱れることで、レーザー特有の光の干渉による画像のムラ(スペックル)を低減している。 また、実際に表示される色が映像信号に忠実になるよう制御するため、独自のカラーマネージメント技術「ナチュラルカラーマトリクス(NCM)」を搭載。映像信号を輝度と色に分解し、さらに色成分を12の色相成分に分解。各成分を独立して演算・制御することで、最適な色を作り出すというもの。これにより、映像信号をレーザー光源プロジェクションテレビが持つ色再現範囲に最適に割り当てることができるという。
その結果、動画用拡張色空間の国際標準として「IEC (International Electrotechnical Commission/国際電気標準会議)」で承認・発行された「xvYCC」に対応。現行の放送などで使われている色空間規格より約1.8倍の色彩が表現できるという規格で、三菱電機では信号処理回路も全面的に見直し、xvYCCに最適な処理を施しているという。 さらに、DLPでは時分割で色を表現しているが、色の切り替えタイミングに合わせて直接レーザーをON/OFFできるため、ランプ光源で必要だったカラーホイールが不要になる。このため、コスト低減に繋がるほか、フィルタやホイールによって発生する輝度の低下も防げるという。
同社は今後、レーザー光源プロジェクション方式と超広角の光学エンジンを組み合わせ、高画質かつ薄型コンパクトなプロジェクションテレビの実用化を目指す。
□三菱電機のホームページ
(2006年2月16日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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