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内閣官房 知的財産戦略本部は20日、コンテンツ専門調査会 第7回を開催した。同会合は、「日本を世界トップクラスのデジタルコンテンツ大国にする」という基本目標の下、デジタルコンテンツの振興政策について検討、今回「デジタルコンテンツの振興戦略」を発表した。同戦略は6月にまとめられる「知的財産推進計画2006」に反映される見込み。 振興戦略の大枠は、2日に発表された「コンテンツ専門調査会 デジタルコンテンツ・ワーキンググループ」第4回の報告内容から大きな変更はなく、IPマルチキャストに関する法改正などの方針が確認された。 テレビ放送におけるIPマルチキャストの積極活用については、ユーザーから見た場合、「いわゆるテレビ放送と、IPマルチキャスト放送との違いはわからない」とし、地上デジタルの普及政策にあわせて、「法改正を含め、必要な措置を速やかに講ずる」と表現。現在、通信事業者と放送事業者の間で大きく異なっている権利処理の問題を解決していく方針だ。 また、放送のプロテクションシステムについても、「検討プロセスの透明化を図るとともに、視聴者利便の確保と著作権の適切な保護の双方の観点からバランスの取れたシステムの採用を促進する」としている。 デジタル技術を利用したコンテンツのアーカイブや、マルチユースを想定した、契約の促進、権利の集中管理体制の整備なども提言。クリエーターが適切なリターンを得られるような、業界慣行の見直しや契約の促進、コンテンツを専門とするエンターテインメント・ロイヤーの育成なども盛り込まれている。 なお、発表された振興戦略には、「音楽CDにおける再販売価格維持制度の見直し」も含まれているが、コンテンツ専門調査委員会の依田巽委員からは、同方針に反対する意見も提出された。同提出資料では、「文化的創造物」という側面や、「再販制度の弾力的活用などの業界努力」などを強調しながら、「今回の提言は、音楽ソフトの持つ特性、わが国の再販制度の歴史的な背景・存在意義、消費者のメリットについての充分な検討と論議をすることなく、文化産業としての視点に立つことなくなされていると思われる」と指摘している。 □首相官邸のホームページ ( 2006年2月20日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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