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ローム株式会社とパイオニア株式会社、三菱化学株式会社は20日、有機発光トランジスタを用いた8×8ドットアクティブマトリックスパネルの試作に成功したと発表した。
有機発光トランジスタには、千歳科学技術大学 安達千波矢教授が開発したTPPy(テトラフェニルピレン)材料ベースの横型トランジスタを採用。三社と、京都大学、NTT、日立製作所からなる「包括的産学融合アライアンス」の中で創生された技術と、ロームやパイオニアの半導体、ディスプレイ技術や、三菱化学の有機材料合成技術などを用いてパネルの試作に成功した。 同トランジスタの本格実用化を目指して、8×8ドットのマトリックスパネルを開発。同パネルの最大発光輝度は約1,000cd/m2で、発光の外部量子効率は約0.8%。駆動トランジスタと発光素子を同一のデバイスで構築できるため、従来の有機ELディスプレイに比べ、部品点数を削減できる。そのため、折り曲げも可能なフレキシブルディスプレイでの実用化が期待されている。 新たに、有機発光トランジスタの安定した高効率発光を得るため、材料の成膜前に絶縁膜表面を改良。TPPy有機半導体層の配向を制御する技術を開発した。また、凹凸の少ない高反射率のゲート電極の開発などで、トランジスタの安定化を図っている。 有機発光トランジスタのスイッチングのため、高移動度のペンタセン有機半導体を用いたトランジスタを開発。これらを同時に基板に組み込むプロセスを開発し、アクティブマトリクス駆動で有機発光トランジスタを発光させることが可能となった。 □ロームのホームページ ( 2006年2月20日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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