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松下次期社長、プラズマTVの攻めの経営維持へ
-Blu-rayの事業拡大へ意欲


2月24日開催


 松下電器産業株式会社24日、都内のホテルで会見を開き、6月28日付けで代表取締役会長に就任する中村邦夫社長と、同じく代表取締役社長に就任する大坪文雄専務が取締役人事の説明を行なった。

代表取締役社長に就任する大坪文雄専務

 前日に大阪で行われた会見では、中村社長から、今年度に営業利益率5%を達成する目処がついたことで社長交代を決断したこと、後任の大坪専務を指名した理由として、プラズマテレビ事業やSDカード事業での実績を評価したことなどに触れられており、今回の会見では、これらの発言を受けた形で、在任の6年間に渡る中村改革への自己評価、大坪新社長の経営などについて質問が飛んだ。

 中村社長は、社長在任期間を振り返り、「最も大きな試練は、聖域と言われた家電流通改革に最初に取り組んだこと。この改革の成果が出てきたことで、最終的には松下電工との統合にもつながった。改革の原動力となったのは創業者の経営理念が社内に根付いていたことである」とした。

 また、大坪専務は「社長に就任というお話をいただいた時には驚いたのひとことであった。強い要請を受け、腹を決めて引き受けることにした。中村社長の経営スタイルである公平、公明の手法を継続したい。またシナリオ性のあるマネジメントも継続させたい。創業者の言葉のなかで、衆知を集めるという言葉が心に残っている。衆知を集めた全員経営を進めたい」とした。

 さらに、デジタル家電を担当するパナソニックAVCネットワークス社での社長経験などにも触れ、「パナソニックAVCネットワークス社の経営を通じて、スピーディーな経営の実践とともに、競争の厳しさを体験してきた。浅学非才の身であるが、これを松下グループ全体でやらなくてはならない」とした。

中村邦夫社長

 大阪での会見では、2010年に営業利益10%を達成するとともに、世界の優良企業の仲間入りを目指す“グローバルエクセレンスプラン”を策定する姿勢を示しており、今日の会見のなかでも「グローバルに強い企業になるためには、電光石火の策はない。製造業として、あくまでも自らが持つ強い技術をベースに、強い製品を生み出すことが必要。着実に成長を遂げていくことが唯一の策である」という言葉があった。

 一方、いくつかの具体的な製品戦略などについても触れ、「薄型テレビには関しては、プラズマに積極的な投資を行ない、高画質化、大画面化において、他社に先手を打つ、攻める経営を続ける。1月のCESでも、103インチのプラズマテレビを発表し、業界関係者に驚きを与えた。大画面テレビで勝てるシナリオを継続していきたい」(大坪専務)という。

 さらに、「SDカードはデファクト化に成功したものであり、あらゆる分野で利用されている。また、携帯電話でもワンセグ放送対応のものが登場し、こうした機能を搭載しながらも小型、軽量化したものを投入していきたい」などと語った。

会見の冒頭では、FF式石油温風機の事故および回収問題に対して謝罪した

 また、Blu-ray Discへの取り組みにも言及。「テレビの高画質化に伴って、高画質のコンテンツを求める声が高まっている。ブルーレイにはハリウッドからも多くのエールがあり、他の陣営の2倍のタイトルが揃っている。ディスクなどの量産体制なども含めて、準備は整いつつある」とし、優位性や今後の事業拡大への意欲をアピールした。

 なお、中村社長は会見の冒頭、FF式石油温風機の事故および回収問題に言及。「亡くなられた方、遺族の方にお詫びを申し上げたい」として謝罪。「何年かかろうとも、最後の1台を探し出すまでは続行する覚悟である」として、5月連休以降に常設の組織として対策本部を設ける考えや、役員の降格、自らを含む減俸処分などについても触れた。

□松下電器のホームページ
http://panasonic.co.jp/index3.html
□ニュースリリース(PDF)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn060223-2/jn060223-2.html
□関連記事
【2月23日】松下、新社長にAVC社大坪氏が就任
-中村社長は会長に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060223/pana.htm
【2月2日】松下、第3四半期は過去最高の売上高に
-プラズマテレビの販売金額は2倍
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060202/pana.htm

(2006年2月24日)

[Reported by 大河原克行]


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