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日本シーゲイト株式会社は10日、ポータブルプレーヤーなどに向けた12GB容量の1インチHDD「ST1.3」シリーズの国内発表を行なった。出荷は2006年第3四半期より開始され、ST1.3を搭載する製品は2006年末までに発売されると見られる。 ST1.3シリーズは、ポータブルメディアプレーヤー、携帯電話向けの1インチHDD。なお、米Seagateでは2月13日(現地時間)に発表している。最大の特徴は、垂直磁気記録方式を採用した点で、12GBの容量を実現。外形寸法は40×30×5mm(縦×横×厚さ)、重量は14gで、従来の4/8GBモデル「ST1」シリーズに比べ23%の小型化を行なった。
また、30%の省電力化も実現。オーディオプレーヤーでは全体の5%以内、ビデオプレーヤーでは1%以内の電力で動作可能。 さらに、耐衝撃機能の「G-Force Protection」を搭載。新たにショックセンサーを備え、落下を9cm以内で感知、11cm以内でヘッドをプラッタから待避させ、18cmでモーター速度を落とす作業を行なうことにより、落下より0.3秒、31cmでHDDの保護が完了。1.5mの高さからコンクリート面に落としても動作するという。動作時耐衝撃性は2,000G。なお、G-Force Protectionを搭載しないモデルも用意する。 従来モデルと同様、「RunOn」機能によりジョギングなどでの振動が加わった場合にも、HDDの動きを測定、予測してアームを制御するため、安定した再生が行なえるという。インターフェイスはIDE。なお、IDEに比べ低電圧、高効率の「CE-ATA」対応については来年をめどとしている。
■ VODによりビデオプレーヤー向けHDDが成長 ポータブルプレーヤーにおける1インチHDDの展開について、米Seagateのグローバルコンシューマーエレクトロニクスマーケティングディレクターのロブ・ペイト氏が説明。調査会社のParks Associatesのデータをもとに、「音楽プレーヤーではフラッシュメモリが中心となるため、HDDの割合は減少するが、大容量が求められるビデオプレーヤーや多機能化が進む携帯電話ではHDDの市場が拡大する」と予測した。 また、「コンテンツ数の多さだけでなく、各コンテンツの質の高さがユーザーに望まれるようになったが、容量を12GBに拡大したことで対応が可能になる」と述べた。なお、現在は薄さを求めるニーズが高いため1プラッタだが、複数枚のプラッタを搭載することも可能だという。 加えて、「DVD/HDDレコーダのタイムシフト視聴から、VODによって視聴者がテレビの放送時間から完全に解放されるという流れと同様、ポータブルプレーヤーでもVODコンテンツを視聴するスタイルが主流になる」と見ており、大容量のHDDがポータブル向けでも優位であるとアピールした。現在同社は1インチHDDで45%のシェアを獲得しており、ST1.3でもこれを維持することを目標としている。
□シーゲイトのホームページ (2006年3月10日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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