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パイオニア株式会社は15日、カーオーディオブランド「carrozzeria」の新スピーカーとして、ユニット3モデルと、2ウェイ用のパッシブクロスオーバーネットワークを発表した。いずれも4月中旬発売。各モデルの価格は下表の通り。
「carrozzeria」ブランドのスピーカーユニットは、2002年12月にハイエンドシリーズの「TS-T1RS」、「TS-S1RS」、「TS-M1RS」(以上すべて105,000円/2個)、「TS-W1RS」(105,000円/1個)を発売。これらは「価格や取付性よりも音質を第一に優先したモデル」と位置付けられている。 今回発表された3モデルはその下位モデルとなっており「音質と価格、取付性のバランスを重視した。幅広い人と車に、carrozzeriaの音を楽しんでもらえる商品」だとする。
【お詫びと訂正】
■ TS-T10RS アルミ製の振動板を採用したツイータ。28mm径で、内・外周の形状を非対称のリング形状とした「デュアルアークリングダイヤフラム」を採用。センター駆動によるピストンモーションを有効活用することで、70kHzまでの再生を可能とした。再生周波数帯域は1.4kHz~70kHz。インピーダンスは4Ω。 真鍮削り出しのイコライザーを中央に装備しており、不要振動の排除と指向特性も向上させたという。
ドライバー部にはネオジウムマグネットを使用。ボイスコイルには軽量なアルミ素材の平角線を採用することで、正確でリニアリティに優れた駆動が行なえるという。重量は1個120g。ネットはステンレス製。取り付け用スペーサーも同梱する。
■ TS-M10RS
13cm径のミッドレンジユニット。パルプコーンを採用しており、様々な繊維を混ぜることで音質をコントロールしている。センターキャップは逆R形状で、音の解像度を高めているという。 エッジ部は薄型・軽量のコルゲーションエッジを採用。振動板とエッジの干渉を低減している。再生周波数特性は40Hz~13kHz。インピーダンスは4Ω。
ドライバー部にはネオジウムマグネットを使用。15mmのロングプレート上を6.6mmの銅平角線ショートボイスコイルが駆動する「ハイ・トランジェント・ショートヴォイス」機構も採用しており、より正確な駆動を実現した。重量は1個920g。
■ TS-W10RS
振動板にパルプコーンを使った20cm径のウーファユニット。M10RSと同様に、センターキャップに専用開発した高内部損失のパルプ素材を使用。逆R形状と合わせ、高域特性の向上を図っている。さらに、エッジは薄型・軽量のコルゲーションエッジ。
再生周波数特性は30Hz~4kHz。重量は2.34kg。インピーダンスは4Ω。アルミダイキャストフレームには、磁気回路を裏側から保持するフルバスケット方式を採用。振動系で発生する力をフレーム全体で受け止めることで、反作用成分を低減している。
■ UD-N10RS
TS-T10RSとM10RSを最適な定数/周波数で組み合わせられるという専用設計のパッシブクロスオーバーネットワーク。大型の空芯コイルや大型フィルムコンデンサ、音響用電解コンデンサなどを投入している。 クロスオーバー周波数は5,200Hz。外形寸法は153×103×40mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は560g。 なお、発表会用に平面バッフルにT10RSとM10RS、W10RSを取り付けた、3ウェイスピーカーを用意。試聴デモも行なわれた。再生機器は、プレーヤーがRS-D7χ、プリアンプがPS-P90χ、パワーアンプがRS-A70χ×3台という構成。
carrozzeriaブランドは精密かつ純度の高い、クリアな再生音が特徴だが、新モデルでも分解能は非常に高く、その純度にさらに磨きがかかったような印象を受けた。スピーカーユニットは最上位モデルと比較すると低価格だが、精密なソースの音を的確に表現する能力は十分に感じさせた。
□パイオニアのホームページ
(2006年3月15日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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