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SCEI、「PLAYSTATION 3」発売を11月上旬に延期
−次世代HDMI搭載も表明。「最先端のBDプレーヤーだ」


「PlayStation Meeting 2005」で展示されたPS3のモックアップ
3月15日発表


久夛良木健CEO
 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)は15日、PlayStation関連の事業方針などを発表する「PS Business Briefing 2006 March」を開催。

 その中で、PLAYSTATION 3の発売時期が従来予定されていた2006年春から、11月上旬に延期すると発表した。日本、アジア、米国、カナダ、EUの世界同時に立ち上げを目指しており、早期に月産100万台規模の生産体制を構築。2006年度に600万台の出荷を目指すという。


PLAYSTATION 3の発売日は11月上旬に 11月に世界同時発売を目指す 垂直立ち上げで月産100万台、2006年度内に600万台を出荷

 発売延期の理由としては、Blu-ray Discの規格化の遅れを挙げて説明。「昨年5月のE3での発表時には、2005年8月にBDの規格化終了、9月のフォーマット発行というスケジュールを元にPS3のスケジュールを決めていた。しかし、規格化は遅れ、自分たちがそこ(Blu-ray Disc Assosiation)に入っていないこともあり、勝手をいうこともできずにじれったかった。しかし、AACSを含めた規格がいよいよ固まり、発売日を案内できる」と、11月発売について言及した。

 久夛良木氏のプレゼンテーションでもBlu-rayについて、PS3の大きな特徴としてもっとも多くの時間を割いて説明するとともに、映像出力についても次世代HDMIを採用することを正式に表明した。



■ 「プアマンズBD? PS3は最先端のBDプレーヤーだ」

BDやAACSの規格化が終了し、PS3の発売日も確定

 久夛良木氏は、PS3の延期を切り出す前に、「(PS3の発売には)いつに無く慎重になっているが、PS3が持つ可能性にゲーム業界だけでなく世の中の多くの業界がかけてくれている。BDプレーヤーは皆さんがご存じの通り、DVDの後継として期待されるが、“ピュアなAV機器”としては、年間100万台とか1,000万台をねらえるものではない。しかし、PS2でDVDをサポートした時は、PS2の投入後DVDプレーヤーのインストールベースが急拡大し、ハリウッドのDVDのタイトルが投入を加速。PS2のソフトも買いやすく、ライブラリも増え、PS2のディスクの価格も下がった」とDVDの起爆剤としてのPS2を振り返った。

 しかし、DVDの立ち上げから3年程経過していたPS2の時と異なり、PS3の場合Blu-ray/HD DVDともに、次世代ディスクは市場はまだ立ち上がっていない。「今回は、PS2のように市場を牽引するだけでない。生活に根付いて当たり前なモノにするための大きな責任を多くの人がPS3に託している。テレビの小売店などからも熱い期待を受けている」と、さまざまな業界からの支持を訴え、「自らLSIを開発してそれをPLAYSTATIONとして提示してきたが、今回より多くの期待を背負って開発しないといけない」と説明。ゲーム機に留まらない業界の期待の程をアピールした。

次世代HDMIの搭載も正式発表

 HDMI出力については、「規格を見てみると、フルカラーと称していたのに各色8bit(合計24bit)までしか分解能がない。かつ、1080p(60p)にも対応していない、と非常に中途半端なものだった。これを次世代の水準にしてくださいと、PLAYSTATIONとして標準化団体に要望し、また、速やかにLSIをPS3用に供給して頂けるようにお願いしていた。その規格化も終わり、間もなく規格書が発行されると思うが、各色12bit(36bit)/1080p対応の次世代HDMIをPS3で利用できるようになる」と説明した。

 また、1080pハイビジョン映像の出力のほか、SDからフルHDまでの幅広いテレビに対応できることなどをアピール。さらに、メインCPUとして搭載するCELLの特徴などに触れ、「PS3ではBDの全てのスペックに対応するが、最新のLSIも製品の立ち上げ時期には全ての規格に対応できない。しかし、われわれのCELL(CPU)、RSX(グラフィックス)は明らかにコンピュータ。ソフトウェアやファームウェアの更新で最新のものに順次対応していける。PS3をプアマンズBDプレーヤーと言う人もいるようだが、PLAYSTATION 3はフル機能を搭載した一番最先端のBDプレーヤーだ」とアピールした。

 ゲームソフトも全てBD-ROMで提供する予定で、プレス価格については、「10ドル/1,000円以上するなどの噂もあり、現状ベンチマークが無いので不安に思う人がいるものわかる」としながら、「そう高価にはならない。立ち上げ時には全世界で月産1,000万枚規模の量産体制を確立し、現行のDVD9とさほど変わらないプレスコストを早期に実現する」と説明した。なお、地域ごとのメディア生産キャパシティは、北米が500万枚/月、日本が250万枚/月、EUが250万枚/月となる。

PS3の特徴。BDの搭載は“コミットメント”と強調した メディアはBD-ROMのみとなる予定

HDDはPS3では必須となる

 PS3では従来より着脱式のHDDの搭載が明らかにされていたが、必須なのかわからないという声もあった。久夛良木CEOは「“まずはHDDありき”ということで理解して欲しい。PLAYSTATION 3はHDDを使うことを考えて開発を行なって欲しい」と説明し、60GB 2.5インチHDDなどの計画を明らかにした。

 HDDを搭載することは「大きなコストプレッシャーで、全てのPS3に入るのかはマーケット次第」と述べ、HDDを外した構成での発売の可能性も匂わせたが、「プラットフォームとしては最初からHDDあり」で、特にゲームに関しては“必須”という位置づけを強調した。

 また、ネットワーク機能にも触れながら、「ネットに常時繋がっているものにHDDが無いというのは考えられない。安心して(HDD対応で)ソフトを作ってほしい。将来的にはデジタル家電的な使い方もできるし、われわれがそれを実証していかないといけない」と、ホームサーバーなどの応用についても言及した。なお、HDDについては、標準的な2.5インチのシリアルATAのHDDになる予定で、プレゼンテーションでは60GB HDDと示された。

PSPとの連携機能も搭載予定

 また、無線LANなどを介したPSPとの連携機能なども搭載。「シームレスなIPネットワークコミュニケーションが可能となる」としたほか、PS3の映像を無線経由でPSPで見るプランなどを紹介。「PSPをPS3の高級リモコン的に使うこともできる」という。その他、PS2/PS1ゲームとの互換性についても、「発売時からしっかりとやっていく」とした。



■ 11月時点で100万台体制を確立。価格についての言及は無し

 また、今回のイベントについて「発売を11月上旬にさせて頂きたいというお詫びと確認、支援について説明したかった」と述べ、発売延期について開発者などに謝罪するともに、11月上旬という発売時期についても説明した。価格については特に言及は無く、質疑応答も行なわれなかった。

PS2を上回るPS3の立ち上げ規模

 11月上旬といいうタイミングについては、「サンクスギビングから始まる海外の大きな商戦に余裕を持って発売したい。船や陸路の輸送を含めて、余裕を持たせた。7月や9月とかいう案もあったが、ソフトメーカーさんともしっかりしたモノをつくりたい、ということもあり11月にした。皆さんに一瞬お叱りを受けてしまうかもしれないが、全世界同時スタートとしました」と解説し、理解を求めた。

 月産100万台という数字については、「発売のタイミング(11月)で100万台になっているということ。月々100万台で2006年度内で600万台を生産する。これだけ新しい製品で月100万台というのは本当に至難なこと。PS2の実績も越えている」としながらも、「できるという裏打ちがあってやっている。また、今日発表を行なうことで、半導体メーカー/装置メーカーさんが動き始めるということも期待している。私の口からこの数をコミットメントとさせていただきたい」と、生産体制の確立に自信をみせた。

 また、オンラインゲームやショッピング向けのネットワークプラットフォーム計画についても説明。PS2のネット配信の失敗経験を例に挙げながら、ネットワークプラットフォームの重要性を語った。

 新プラットフォームの名称などは未定だが、「発売日には間違いなく利用できるようなサービスの導入が必要」とし、発売時に世界同時のサービス開始を行なうことを明らかにした。基本サービスは無料で、各社が既に構築済みのプラットフォームとの相互接続性を維持した形での立ち上げを目指す。

 その上で、オンラインゲームに必要な基本的なサービスや、コミュニティやランキング、チャット、ショッピングなどの機能を提供するという。サービスの構築には、「エバークエストII」などの実績を持つ、ソニー・オンライン・エンターテインメントと協力する。ネットワークサービス向けの開発ツールは、3月末よりSDK提供を開始し、7月頃には開発者向けのフル機能テストを開始する予定で、「われわれの一番弱い、おしかりを受けているところも改善していきたい」とした。

 また、開発ツールのロードマップも示し、4月にCellやRSXなどが最終仕様となったバージョン「DEH-R103X」、5月中旬に「DEH-R104X」を投入する。

ネットワークサービスの概要 開発ツールのリリーススケジュール


■ 3Dにリアルタイム性を加えた「4D-World」を目指す

PLYASTATIONシリーズのコンセプト。PS3は“Live”

 最後にPS3の目標について解説。インターネットの“ライブ性”について説明し、Goole EarthのSony米国本社の拡大図と見ながら、「タクシーが止まっているのが確認できるが、静止画だから動かない。ゲームの発想からこれは動いて当たり前。そうした意味では、まだまだインターネットは完全にライブじゃない。これがライブで、人が歩いていたら凄いことだけれど、それはゲームの世界。これは次にこれを狙いたい」という。

 PS1についてはPlane(面)の表現による2D表現の向上、PS2では3D(3次元)の空間表現を実現したが、「PS3の世代では、3DにTime(時間)の概念を加えたLiveな世界をネット越しに実現する“4D-World”」と説明し、「過去にも未来にも、いろいろな場所にも行ける。今のインターネットもそうなってきている。PS3になって、テレビがテレビが高解像度になりました、とかじゃなくて、もっと根幹的な変化が起こる。PS3で世の中が変わった、という風にしていきたい」と意気込みを語った。

Google Mapの米Sony NY本社拡大図 インターネットを介したリアルタイムコンピュータエンターテインメントがPS3の目標

 発表会では価格は明らかにされず、プレイアブルデモやモックアップなどの展示も行なわれなかった。PS3の発売延期はある意味想定されていた事態だが、久夛良木CEOは「コミットする/コミットメント(確約/約束)」という言葉を多用。具体的には、BD-ROMの再生、100万台体制の構築、PS1/2との互換性、BD-ROMメディアの採用などで、自ら対応を表明することで、11月の発売に向けて万全の体制を強調するとともに、パートナーに信頼を呼びかけた。

 さらに、同ブリーフィングではPSPをRSS配信に対応させる計画や、VOIP、GPSなどの新機能を取り入れる計画なども発表された

□SCEIのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□関連記事
【1月6日】2006 International CES【Blu-ray編】
−PLAYSTATION 3は次世代HDMIに対応
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060106/ces09.htm

(2006年3月15日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp/yamaza-k@impress.co.jp]


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