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日本テレビ放送網株式会社(日本テレビ)は23日、地上デジタル放送やワンセグなど、新しい放送に対する同社の取り組みや、最新の放送技術などを展示する「デジテク2006」を開幕した。会期は3月23日~26日まで。入場は無料。会場は東京・汐留の日テレタワー 2F。
■ シャープのワンセグ&VOD試作端末を展示
会場には様々なコーナーが設けられているが、ホール中央ではワンセグ関連の展示を実施。「ワンセグ×プリント」、「ワンセグ×FeliCa」など、様々な技術をワンセグ放送と組み合わせて、その可能性を提案している。 その中で「ワンセグ×VOD」と題して、シャープ製のコンセプト端末が展示されている。4インチのカラー液晶を搭載した端末で、ワンセグの受信が可能。さらに、IPネットワークからコンテンツを取得できるVOD機能も備えているという。
利用イメージは、移動中などにワンセグを視聴している際「このニュース項目についてもっと詳しく知りたい」と考えた場合、端末で詳細情報映像のVOD取得予約を実行。仕事中などに端末が自動的に公衆無線LANなどを利用して、IPネットワークからコンテンツをダウンロード。時間のある時に、端末に保存した詳しい動画を再生できるというもの。
なお、日本テレビはブロードバンド放送「第2日本テレビ」を展開しているが、同サービス上でこうしたサービスを展開するかどうかは未定。端末も「あくまで利用イメージを提案するためのコンセプトモデル」だという。
そのため詳細な仕様は明らかにされておらず、記録媒体としてHDDやメモリーカードを採用しているか否かも明らかにされていない。
また、ワンセグ対応携帯電話を使ったVODサービスも提案。データ放送から番組の公式サイトなどに視聴者を導き、番組の舞台裏動画や特別映像などを提供しようというもの。 動画の配信方法としてはパケット通信と、テレビ電話機能の両方を想定。固定料金プランが存在し、ファイルサイズに制限のあるパケット通信では短いムービーを、テレビ電話機能のストリーミングでは長時間コンテンツを提供するなど、方式によって使い分けができるという。「技術的にはすぐにでも実現可能。ワンセグ放送を入り口として考え、様々なサービスと連携させていきたい」とする。
ほかにも、「ワンセグ×プリント」では、番組のデータ放送を使って視聴者に番組オリジナルの写真用フレームをプレゼントしたり、料理番組内で紹介したレシピを静止画データとして提供。視聴者がダウンロード/プリントアウトして、キッチンで活用するなどの利用提案を行なっている。 「ワンセグ×FeliCa」は、携帯電話のFeliCa機能を活用したもの。番組のサイトからFeliCa用の専用データをダウンロードすることで、FeliCa対応のゲートや、お店のレジなどで視聴者限定のサービスを提供できるという。 具体的には「番組を観た人だけ、料理が割引」という番組から、割引クーポンをダウンロードし、FeliCa機能を使って割引決済が行なえるという。同様に、FeliCa対応ゲートでは「番組を観た人だけが入場できるイベント」なども実現できる。
■ 山手線の地デジ巨人戦中継で音声対応も 会場内には電車を模したセットも用意。山手線の車内モニター「トレインチャンネル」において、地上デジタル放送を受信し、巨人戦のナイター中継をリアルタイムで表示する実験の説明が行なわれている。 実験の内容は既報の通りだが、移動する電車で地上デジタル放送を受信し、山手線のドア上部に設置されたトレインチャンネルモニターに映像を表示するというもの。実験は4月18日から行なわれ、巨人軍主催ゲーム6試合を生放送する。
基本は固定テレビ向けの12セグメントを電車で受信し、トンネルなどの電波が届き難い場所ではワンセグに自動的に切り替えて安定受信を図っているのが特徴。チューナ部の技術は松下電器が提供。既存のトレインチャンネルのシステムを利用しながら、電車に搭載するチューナ部のみを変更することで対応できるため、低コストで既存の車両を地デジ受信対応にグレードアップできるという。 なお、トレインチャンネルはシステム上音声の再生が行なえない。しかし、会場ではNTTアドバンステクノロジが開発した「ボイスユビーク」という技術も合わせて展示。これは、1bitの量子化伝送技術を利用し、赤外線で音声を無線伝送するというもので、受信機を小型化できるのが特徴。
デモでは指輪型受信機やうちわに埋め込んだタイプなどを試作。うちわを手にしている人のみ音が聞ける環境を構築していた。なお、今後どのように電車内の地デジ受信を展開していくかどうかや、ボイスユビークとの具体的な連携計画は未定。
□日テレのホームページ
(2006年3月24日) [AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]
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