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JVA、2005年のビデオソフト市場調査結果を発表
-オンライン購入が全体の1/4に


後藤健郎事務局長

4月5日発表


 社団法人 日本映像ソフト協会(JVA)は5日、ビデオソフトやAV機器の消費実態に関する「2005年DVDマーケット調査」調査結果を発表した。全国の一般ユーザーを対象に、インターネットを用いて2,311人分のデータを集計した。調査対象期間は2004年9月から2005年8月まで。

 なお、インターネットを利用できないユーザーとの差を減らすために、ビデオリサーチの一般消費者調査「ACR(Audience and Consumer Report)」の内容と照らし合わせて補正を行なうことで、より一般的な市場全体の状況に近づけたとしている。

 同調査によると、調査期間中に新品のDVDビデオを購入したことのあるユーザーは26.1%、そのうち37.5%が「最近DVDビデオの購入枚数が増えた」としており、その理由としては「低価格のソフトが増えた」、「ほしいタイトルが増えた」などを挙げている。同様にレンタルDVDの利用者は44%で、最近レンタルDVDの利用が増えたと感じるユーザーはそのうちの41.9%を占めている。なお、レンタルVHSの利用者は32.7%。

 こうした結果から得られたデータを元に算出したセルDVD、レンタルDVD、レンタルVHSの推定市場規模は6,702億円、中でもセルDVDビデオ市場は全体の46.6%を占める3,124億円となった。

 購入するDVDビデオのジャンルについては、海外の映画が最も多く49.9%。次いで日本のアニメーションが23.5%、日本の音楽DVDが22.2%と続く。ソフト購入のきっかけとしては、購入者の35.4%が「好きな俳優やアーティストの作品であること」を理由としている。

 購入ルートについては、最も多いのがレコード店の32.9%、次いで家電量販店の27.2%、インターネットのオンラインショップの22.8%と続く。利用者数でこそ3位のインターネットのオンラインショップだが、購入金額の割合では24.5%と最も高い。またJVAが公表している出荷統計と比べた場合にも、インターネットのオンラインショップの割合とレコード店の割合は逆転しており、JVAの出荷統計ではレコード店の統計結果に各店のオンラインショップの金額が含まれていることがその要因であるとしている。

 こうしたインターネットのオンラインショップを利用したことがあるユーザーは全体の中でも17.9%程度と少ないが、今後利用したいユーザーは66.3%と高く、今後さらに利用者が増えていく傾向にあると予想される。


■ ヘビーユーザーのDVD所有枚数は平均52枚

 セルDVDを購入するユーザーの内訳についての調査では、1年で3万円以上DVDビデオを購入するユーザー数が、DVDビデオを購入するユーザー全体の僅か6%であるにも関わらず、DVDビデオ購入金額の内訳ではこうしたユーザーの購入額が全体の78%を占めている結果が得られており、一部のヘビーユーザーによる購入額が市場全体に影響を与えていることが示された。
 こうしたヘビーユーザーを分析していくと、DVDビデオ所有枚数は平均約52枚で、全体の平均所有枚数が約9枚であるのに比べてもかなり多い。また、ヘビーユーザーはレンタルDVDも積極的に利用するユーザーが多かったり、ゲームや雑誌、漫画など鑑賞する物に対しては幅広くお金をかける傾向にあることも示した。

 今回の調査では、DVDビデオだけでなく再生機器についてのデータも集計を行なった。それによると、DVDビデオの再生機器を所有している割合は全体の88.8%とほとんどのユーザーが何かしらのDVD再生機器を所有している結果となった。内訳としては、DVD再生機能を備えるゲーム機の割合が31.8%、単体のDVDプレイヤーなどの家電系機器が59.7%、DVDドライブなどを備えるPCの割合が62.1%。こうした機器を所有しているユーザーのうち、月に1度はDVDビデオ鑑賞をするのは51.1%と、所有者の半数以上が視聴しているようだ。

 また、インターネット映像配信についても触れており、利用したことのあるユーザーは全体の31%で、その中でも有料配信を利用したことがあるのはわずか4%だった。利用者のうち58.6%が「レンタル店などに出向く必要がなく、自宅にいながらにして利用できる」点を利点としている反面、利用していない人の68.3%が「料金が割高である」点を挙げており、価格の改善で利用者の増える可能性を示している。

 JVA事務局長の後藤健郎氏は「1996年にDVDビデオソフトが市場に登場してから10年が経過した。これまで成長を続けてきた市場も安定期にさしかかろうとしている今、現状の把握を行なっておくことで、今後の展望を考える材料としたい。今回の調査はJVAとしても初の試みであり、あくまでも現状の把握が目的である。」と見解を示した上で、今後も継続的に調査を続けていくことで、DVDビデオ市場の動向などが把握できる資料として利用できるようにしていきたい意向を明らかにした。

 なお、今回の調査内容に、HD DVDやBlu-rayなど次世代規格に関する内容が含まれていなかった点については、あくまで現状把握が目的のため、普及が進んでいないこれら機器についての項目は盛り込まなかったとしており、次回以降の調査では、こうした機器への興味や期待に関する項目も盛り込んでいきたいとしている。

□JVAのホームページ
http://www.jva-net.or.jp/
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060320/jva.htm

( 2006年4月5日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


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