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JVA、2005年ビデオソフト売上金額は6年ぶりに減少
-数量は過去最高。洋画の単価が下落


後藤建郎事務局長

3月15日発表


 社団法人 日本映像ソフト協会(JVA)は15日、2005年におけるビデオソフトの売上実績を発表した。ビデオソフト全体の売上金額は、前年同期比98.8%の3,708億6,000万円となり、6年ぶりに減少した。一方、数量では、1億1,467万2,251枚/本となり、同104%と過去最高を更新した。

 DVDビデオの売上は、3,477億700万円となり、前年比108%に増加。過去最高を更新し続けている。一方、ビデオカセットは231億5,300万円となり、前年比41.6%と大幅に減少。DVDとカセットの構成比は金額ベースで93.8:6.2、数量ベースで96:4となっている。

 これらの点について同協会では、「ビデオカセットの著しい減少については前年にも見受けられたが、2005年はさらに顕著になった」としており、DVDについても「最も成長した2004年(124%)に比べ、伸長率は鈍化しており、成熟期に入っている」と分析している。なお、DVDビデオ市場の拡大を受けて、今回の統計より、ビデオカセットとDVDビデオの掲載順を入れ替えている。

 流通ルート別の売上では、販売用が2,654億7,900万円で前年比102,7%、レンタル用が1,032億8,900万円で前年比90.3%と変動は少ないが、特にレンタル市場においてDVD/カセットの構成比が81.2:18.8(前年は58.8:41.2)とDVDの占める割合が大きくなり、今後もレンタル用DVDの在庫拡張が続くのではないかと協会は見ている。

ビデオソフト全体の実績
  金額
(百万円)
構成比 前年同期比 数量
(本・枚)
構成比 前年同期比
DVDビデオ 347,707 93.8% 108.7% 110,051,146 96.0% 110.0%
カセット 23,153 6.2% 41.6% 4,621,105 4.0% 45.0%
370,860 100.0% 98.8% 114,672,251 100.0% 104.0%

 販売用DVDのジャンル別売上金額では、子供向け以外の日本のアニメーションが前年比145.5%、邦楽の音楽ビデオが同116.4%と好調。また、テレビのバラエティ番組などの「芸能・趣味・教養」が123.7%と伸びた。一方、最もシェアの大きい洋画が91.9%と伸び悩んでいる。

 同協会では、洋画の停滞に加え、2004年の韓流ブームや「24」のような大ヒットがなかった点などがソフト全体の減少につながっていると分析。一方、数量では洋画は105.1%と増加しており、DVD販売キャンペーンなどにより単価が下がった結果と見られる。

DVDビデオのジャンル別集計(販売用)
  金額
(百万円)
構成比 前年同期比
邦画(TVドラマを除く) 20,358 7.8% 100.9%
日本のTVドラマ 6,931 2.6% 65.5%
洋画(TVドラマを除く) 77,223 29.5% 91.9%
海外のTVドラマ 11,956 4.6% 88.0
日本のアニメーション(一般向け) 63,208 24.1% 145.4%
海外のアニメーション(一般向け) 7,627 2.9% 58.7%
日本の子供向け(アニメーション) 6,012 2.3% 111.6%
日本の子供向け(アニメーション以外) 3,390 1.3% 97.9%
海外の子供向け(アニメーション) 1,448 0.5% 60.9%
海外の子供向け(アニメーション以外) 220 0.1% 50.6%
音楽(邦楽) 31,509 12.0% 116.4%
音楽(洋楽) 7,218 2.8% 83.3%
ビデオカラオケ 20 0.0% 45.5%
芸能・趣味・教養 19,041 7.3% 123.7%
ゲーム 0 0.0% -
スポーツ 3,759 1.4% 240.8%
学校教育・企業教育・語学教育 377 0.1% 4712.5%
成人娯楽 44 0.0% 84.6%
その他 1,838 0.7% 113.8%
262,179 100.0% 104.5%
数量
(本・枚)
構成比 前年同期比
5,131,604 5.7% 93.5%
1,303,190 1.5% 84.7%
36,719,388 41.0% 105.1%
1,823,322 2.0% 71.6
14,460,712 16.1% 154.5%
4,292,545 4.8% 66.9%
2,444,377 2.7% 126.9%
864,415 1.0% 105.1%
1,677,664 1.9% 75.2%
90,566 0.1% 42.6%
10,203,086 11.4% 113.3%
2,790,066 3.1% 92.5%
17,884 0.0% 55.2%
6,337,655 7.1% 134.1%
70 0.0% -
851,070 0.9% 181.8%
51,962 0.1% -
14,293 0.0% 109.0%
506,913 0.6% 96.6%
89,580,742 100.0% 107.6%

 DVDビデオの販売ルート別売上では、レコード店が47.3%で第一位。続いて家電店の16.1%、ビデオレンタル店ルートの9.4%となっている。Amazonなどのインターネットルートは7.6%だが、伸長率では前年比169.6%と最も大きい。

 統計では、HMVやタワーレコードなど、自社サイトで販売も行なっているレコード店の集計が「レコード店」に含まれるため、実際にインターネット経由で販売される量はさらに多いという。JVAでは、ユーザーの購入数による統計も行なっており、4月をめどに公開するとしている。

 後藤建郎事務局長は、「ビデオソフトの市場は基本的に映画のビッグタイトルの有無に左右されるが、現在はオンラインの動画配信の成長などにより、大きな転換期にある」と見解を示し、「GyaOなどの配信サービスは、映画については今のところ影響はほとんどないが、アニメやアダルトなど一部では影響が少なくない。今後、コンテンツホルダがどのような選択をするかに注目しなければならない」と述べた。

□JVAのホームページ
http://www.jva-net.or.jp/
□ニュースリリース
http://www.jva-net.or.jp/jva/newsrelease/031506/1.pdf
□関連記事
【3月14日】JVA、2006年1月のビデオソフト売上速報を発表
-DVDが数量/金額ともに再び増加
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060314/jva.htm
【2月9日】JVA、2005年12月のビデオソフト売上速報を発表
-DVDが減少。年計でも金額ベースで減
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060209/jva.htm
【2005年11月9日】ビデオレンタル店のDVD売上がVHSを逆転
-JVA実態調査。全体額では微減
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20051109/jva.htm

(2006年3月20日)

[AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]


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