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カナダのViXS Systemsは6日、HD解像度のMPEG-2 TS映像のトランスレート/トランスコードに対応するマルチエンコードチップ「XCode 2121/2111」を発表した。 従来の「XCode II」シリーズでも備えていたMPEG-2ファイルを画質をあまり劣化させずに低ビットレートに変換するトランスレート機能や、MPEG-4ファイルなどに再エンコードするトランスコード機能をさらに強化。「XCodeHD」エンジンを搭載することで、新たにHD解像度の映像を画質を落とさずに低ビットレートに変換したり、SD解像度へのダウンコンバートが高速に行なえるようになったのが特徴。 また、デジタル放送の映像の入出力の際に必要な「暗号化/復号化(コンテントプロテクション)」機能や、1つのアナログ入力映像からMPEG-2とMPEG-4といった2種類の異なるMPEGファイルの出力が可能な「ミラーエンコード」機能も備える。 ただし、HD解像度のMPEG-2 TSファイルについては、直接エンコードできるわけではなく、あくまでもトランスレート/トランスコード機能のみ対応している。その他のMPEGエンコード機能については、従来同様アナログ映像のMPEG-2/4のエンコードに対応しており、携帯電話やPSP、第5世代iPodに対応するMPEG-4フォーマット(H.264には非対応)も直接出力が可能。 また、低ビットレートエンコードでも、高画質化を実現するために、3次元Y/Cコムフィルタなどのフィルタ機能をチップに内蔵している。なお、XCode 2121は最大2ストリームを同時にMPEG-2エンコード可能なモデルで、XCode2111はシングルストリームにのみ対応するモデルとなる。
発表会場では実際にXCode 2121搭載のリファレンスボードを使用して、映像ファイルのトランスコードのデモを行なった。再生時間38秒、ビットレート18Mbps、フルHD解像度のMPEG-2 TSファイルを、解像度はそのままでビットレートのみを9Mbpsに変換したり、ビットレート4Mbps、SD解像度のMPEG-2ファイルや、iPodやPSP用のMPEG-4ファイルに変換してみせた。いずれの場合も35~36秒程度とほぼ実時間で変換を完了。高速なトランスレート/トランスコード性能をアピールした。
また、会場には日立製作所 FPDマーケティング部 部長の尾関考介氏も駆けつけ、先日発表されたばかりのプラズマテレビ/液晶テレビ「Wooo」の最新モデルにXCode 2111チップが搭載されている点について言及。従来のHD映像のビットレートである18MbpsのHD映像とXCode 2111によるトランスレートでビットレートを8Mbpsに変換したHD映像の画質を比較、違いがないことを見せるデモなどを行なった。 ViXS System 社長兼CEOのSally Daub氏は、「これまでのXCode IIチップのシリーズが多くのメーカーにOEMされており、特にソニー製デスクトップ製品のほとんどに搭載されている」と語り、同チップのデュアルエンコード機能のAV市場での優位性を強調した。また、今後は、HD解像度のMPEG-2 TS映像だけにとどまらず、MPEG-4 AVCなどにも対応していきたい意向を明らかにした。 □ViXS Systemsのページ(英文)http://www.vixs.com/ □関連記事 【2006年4月4日】日立、「1080ALISパネル」採用のプラズマTV「Wooo」 -“WoooでREC”は250GB HDDに500GB分録画 http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060404/hitachi2.htm ( 2006年4月6日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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