◇ 最新ニュース ◇
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【Watch記事検索】
東芝、中期経営方針説明会を開催
-SEDテレビは2007年第4四半期発売


西田厚聰社長

5月11日発表


 株式会社東芝は11日、都内のホテルで経営方針説明会を開催。取締役代表執行役社長の西田厚聰氏が、2006年度以降の注力事業や、事業目標などについて説明した。

 冒頭で、2005年度決算の実績についてふれ「2005年度の売上高は6兆3,435億円、営業利益率は3.8%と、前回の経営方針説明会で公表した2007年度の目標値である6兆6,000億円、4.0%にかなり近づいた。そのため計画を1年前倒し、これを2006年度目標に変更する」とした。

 2006年度から2008年度までの3年間の中期計画として、売上伸長7%を維持、2008年度には売上高7兆8,000億円、営業利益率5%を目指す。セグメント別事業ごとの目標としては、2005年度の営業利益率8.9%の電子デバイス事業は、2006年度に同9.6%、2008年度には同10%、売上高2兆2,900億円を目指す。デジタルプロダクツ事業は2005年度0.8%の営業利益率を2006年度には同1.3%、2008年度には同2%まで引き上げたい考え。

2005年度実績と前回計画の2007年度目標値 中期計画 セグメント別事業目標

 具体的な目標達成に向けての計画としては、NAND型フラッシュメモリやSEDパネルといった高成長、高収益の電子デバイス事業、映像機器やPCを中心とするデジタルプロダクツ事業に集中投資。また、原子力発電や医用システムなどの社会インフラ事業は今後も、安定成長と安定収益を確保していく。

 中期計画における投資額としては、施設の設立などに合計2兆円を予定。そのうち61%にも及ぶ1兆円以上を電子デバイス事業に投資する。そのほかにも、Cellを応用したシステムやモバイル機器用の燃料電池(DMFC)の事業化に向けて、研究開発にも力を入れていくとしており、3年間の研究開発費は、前年計画費より2,000億円を増額、1兆2,600億円の予定とした。

設備投資戦略 研究開発計画


■NAND事業に注力、3年間で2棟の工場を新たに建設予定

 電子デバイス事業の中核であるNAND型フラッシュメモリ事業については、フラッシュメモリ搭載機器の増加などにより市場が将来的に更に伸長することが予想されているため、それに対応できるように生産能力の向上を計画している。70nmの微細化などコスト削減による競争力強化を計画。

 製造拠点である四日市工場への投資については今後も継続して行なう。現在はFAB3の300mmウェハ製造棟が稼動を開始しているが、四日市の敷地内には2006年8月から新たにFAB4の建設を開始する。量産開始は2007年第4四半期の見込み。これらと平行して別の地区にFAB5の建設も予定しており、量産開始は2008年度の見込み。こうした設備投資により2006年度と比較して、2008年度には生産能力は2倍に増強される見通し。

フラッシュメモリ価格の低下にともない、搭載機器のバリエーションは今後も広がっていくと推定 NAND型フラッシュメモリ市場の拡大予想


■SEDテレビの販売開始は2007年度第4四半期

 SEDパネルの製造についても今後の展開についての計画が発表された。SEDパネルの製造では、液晶などと比べて材料費のニーズが相対的に低いものが多く、設備償却が進めばコストは必然的に安くなる。現在は、さらにコスト削減を進めるため、本格的な量産を行なう準備段階だという。

 第1段階のパネル量産は、平塚のラインを使って2007年7月から開始する。製造されるサイズは55型から。そして2007年第4四半期には最初のSEDテレビ製品の発売を開始する予定とした。

 本格的なパネル量産は姫路のラインで2008年初頭から開始する計画で、SEDテレビの主要販売ターゲットとしては、2008年の北京オリンピック商戦時期を目指す。

 その他の映像事業については、既存DVD事業からHD DVD事業へのシフトや、大型液晶テレビの差別化による差異化製品の拡大。さらに、利益率の低い映像事業全体について、コスト構造改革を推進。収益力を改善していく。

 また、HDDなどのストレージ事業については、2002年度から2005年度までに35%の売上高伸長を達成している。今後も2.5インチ以下の小型ドライブに特化、650億円の設備投資を計画する。これにより生産能力は2008年度までに1.7倍に増加する見通しで、今後3年間で売上高伸長率17%を目指す。

 PC事業は、低価格製品との競争に際して、価格でぶつかるのではなく、独自技術による囲い込みを推進していく考えを示した。他社にない差異化製品を継続的に投入することで、事業を拡大していく方針。

SEDテレビの今後の計画 映像事業の主要商品計画 2010年度のビジョン

 西田社長は、5年後の2010年度のビジョンとして、売上高9兆円、営業利益5,400億円、営業利益率6%を掲げた。これについては、「みなさんからは、東芝の財務体質は予想以上に悪いと言う評価をされてしまい、なかなか信じてもらえないが、毎年目標を達成していくことで、みなさまの信頼を得られるようにしていきたい。また、社内目標としては今回提示した数字以上に高い数字を設定しており、それを実行しようとしている。市場の動きなどもあるので、実際には状況がどう動くかは分からない。だが、それでもここで決めたことは実行するつもりで臨んでいきたい」と意気込みを見せた。


□東芝のホームページ
http://www.toshiba.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/library/pr/pr2006.htm
□関連記事
【3月8日】東芝とキヤノン、SED搭載TVの発売は2007年第4四半期
-年内出荷は断念。2008年北京五輪商戦がターゲット
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20060308/sed.htm
【2005年8月9日】東芝、経営方針説明会を開催
-SEDは8月から作り貯め。下期にCell関連の生産開始
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050809/toshiba1.htm

( 2006年5月11日 )

[AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]


00
00  AV Watchホームページ  00
00

Copyright (c)2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.