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NTTやWarner Bros. Entertainment Inc(WBEI)、東宝株式会社などに5社が展開している4Kデジタルシネマの共同トライアル「4K Pure Cinema」にSony Picutresなどが参加。5月より順次「ダ・ヴィンチ・コード」などの最新映画を同トライアルで配信する。
4K Pure Cinemaは、WBEI、ワーナー エンターテイメント ジャパン株式会社、NTT、NTT西日本、東宝株式会社の5社が2005年10月よりトライアルを開始。DCI仕様の最高水準となる4K規格(4,096×2,160ドット/800万画素)で、「コープス ブライド」などの作品をデジタルシネマ上映してきた。 今回、その共同トライアルに、Sony Pictures Entertainment Inc(SPE)、株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPEJ)、株式会社ワーナー・マイカル、NTT東日本の4社が参加。従来より4Kデジタルシネマ上映が行なわれていた「TOHO シネマズ六本木ヒルズ(東京都六本木)」、「TOHOシネマズ高槻(大阪府 高槻市)」のほか、新たにワーナー・マイカル・シネマズ板橋(東京都板橋区徳丸)を上映館に追加。5月20日よりSPEの「ダ・ヴィンチ・コード」を、6月3日よりWarnerの「ポセイドン」を上映する。 なお、「共同トライアル」となっているが、デジタルシネマのネットワーク配信や運用面での検証を進めるという位置づけで、一般の来場者は通常のデジタルシネマとして視聴可能。完全に上映用の品質を満たしているという。 同トライアルは、デジタルシネマの標準規格「DCI」に準拠し、商業用映画館にネットワーク配信を行なうもの。デジタルソースマスタは米国ロスアンゼルスの「Global Digital Media Xchange」から1Gbpsの実験回線を介して送出。送出したデータは暗号化され、NTTの配信センターで字幕や吹き替えパッケージを用意。それらをまとめてパッケージ化し、映画館へ配信する。配信データは暗号化されており、NTT西日本のサーバーで暗号鍵作成管理を実施。同サーバーと連携して暗号を複合化して、上映する。 なお、SPEは現在送出センターを持っていないため、「ダ・ヴィンチ・コード」のみ、日米間を空輸し、日本のサーバーから配信する。暗号化のプロセスなどは米国からの配信と共通。上映館にはストレージシステムのほか、4Kプロジェクタや、TCB(Theater Control Box)と呼ばれる制御装置、SMB(Secure Media Box)と呼ばれるDCIの暗号化に対応した映像上映装置が必要。データ容量は2時間の映画で約300GBとなる。上映期間が終わるとサーバー上のデータは消去される。
2005年より10月実施したトライアルは、「フェーズ1」と位置づけられ、ネットワーク配信の有用性、画質面のメリットなどが確認されたという。 NTT第三部門チーフプロデューサ ビジネスクリエーションプロデュースチームの曽根岡昭直氏は、今回の取り組みをフェーズ2と定義。「トライアルの期限は8月までだが、継続的に取り組みを進めていき、ビジネスに繋がるようにしていきたい。特に今回は、(データを仕様に沿ってまとめた)パッケージの互換性や、上映システムの運営時の問題などを検証していく」と、トライアルの目標を説明。 さらに、「東宝に加え、ワーナー・マイカルの協力を得て、国内のスクリーン数で40%以上を占めるパートナーと協力できた。WarnerやSPEの協力も得て、手応えをつかんでいる。映画は100年の歴史を持っているが、その映画がデジタル化するという大きな変革期を迎えている。一歩一歩前進し、デジタルシネマの普及を目指していきたい」と意気込みを語った。 □NTTのホームページ ( 2006年5月16日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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