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アイ・オー、Sling Mediaのネット映像配信機「Slingbox」を発売
-自宅の映像を海外から視聴。WMV9でストリーム中継


7月8日発売

標準価格:オープンプライス


 株式会社アイ・オー・データ機器は、米Sling Mediaが開発したネットワーク映像配信ユニット「Slingbox」(スリングボックス)を7月8日から国内で販売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は29,800円前後の見込み。年間販売目標は3万台。輸入は伊藤忠商事株式会社が行なう。

背面

 Slingboxは、アナログテレビチューナを内蔵した配信ユニット。S映像/コンポジットとアナログ音声入力も備えており、チューナで受信/入力した映像と音声をインターネット経由で配信。パソコン用クライアントソフトが同梱されており、パソコンで視聴が可能。自宅のレコーダ内のコンテンツを海外から視聴することもできる。

 同様のコンセプトを持った製品としてソニーが「ロケーションフリー」を販売しているが、ロケーションフリーでは映像をMPEG-4で配信するのに対し、SlingboxはWMV9を採用。また、ロケフリではDNSの設定が必要だが、Slingboxでは不要。UPnPと「FinderID」と呼ばれる専用の機器IDを入力することでリモート環境からユニットにアクセス。パスワードで認証し、再生できる。

 複数のクライアントソフトから、1台のSlingboxを登録できるが、著作権保護の観点からリモートアクセスできるのは一度に1台のみとなる。マクロビジョンは検出しない。

特徴的なデザインのユニット。重量は354g

 同製品は米国で既に販売されているが、国内販売に当たり、日本語版クライアントソフトが同梱。マニュアルなども日本語化されている。また、英語版になるが米Sling MediaのWebサイトからフリーソフトとして公開されているクライアントをダウンロードすることもできるという。対応OSはWindows XP/2000。Mac OSやWindows Mobileへの対応も予定されているほか、本体もファームアップにより再生コーデックの追加などの機能強化も行なえるという。

 配信には独自のストリーミング技術「SlingStream」を採用。接続速度を継続的に監視することで、帯域に合った映像圧縮率を動的に調整。常に最適な映像クオリティを確保できるという。また、自動設定だけでなく手動設定も可能。ビットレートは50kbps~3Mbps、解像度は320×240ドットと640×480ドットが選択可能。ただし、640×480ドットはLAN内のみとなっている。

クライアントソフトの視聴画面。左のチャンネルボタンで、遠隔地のSlingboxのチャンネルを変更できる AVマウス機能を利用する際は、設定したレコーダのリモコンが表示される UPnP機能を利用し、「FinderID」を入力することでリモート環境からユニットにアクセスできる

 赤外線出力を備えており、AVマウスを使って最大2台までのレコーダや他のチューナなどをSlingboxを介してリモート制御可能。アイ・オー・データのAVLP2/DVDシリーズやAV-LS300DW/300Dに対応するほか、国内で販売されているハイブリッド・レコーダの一部機種用リモコンコードも内蔵。選択した機種のものと同じデザインのソフトウェアリモコンが表示される。なお、対応モデルは同社のサイトに掲載されており、今後も増加予定。

 入力端子はS映像、コンポジット、アナログ音声(RCA)を各1系統。出力もS映像、コンポジット、アナログ音声(RCA)を各1系統備える。外形寸法は269×102×41mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は354g。

AVマウスを使ってAV-LS300DWと連携しているところ 製品発売時に対応しているレコーダ一覧


■ デザインはチョコレートバーをイメージ

Sling MediaのJason Krikorianバイス・プレジデント

 Sling MediaのJason Krikorianバイス・プレジデントは、日本での販売開始に関して「数週間前にイギリスでも市場投入を発表したが、日本での展開にはそれとは違った意味合いがある。前の仕事でよく日本に出張し、そのたびに秋葉原の街を散策して最新のモバイル機器などに興奮していた。あの街に自分が手掛けたSlingboxが並ぶと考えると、非常に感慨深い」と喜びを語る。

 さらに、アイ・オー・データに関しては「パソコンとAVの融合に早くから取り組んでおり、技術力もある会社として非常に魅力的な企業だと感じていた。そんなアイ・オー・データが日本でのパートナーになってくれて、頼もしい限りだ」と語った。

Slingboxのパッケージ

 なお、Slingboxは非常に特徴的なデザインの筐体を採用している。会場では「金の延べ棒に似ている」という声も多かったが、デザインに関してKrikorian氏は「チョコレートバーをイメージしている。“テレビを外で見る”というのがいかに甘い体験かを味わって欲しい」と語り、会場を沸かせた。

 また、輸入を担当する伊藤忠商事の宇宙情報マルチメディアカンパニー、高取成光情報産業部門長は、今後の狙いについて「製品の拡販はもちろんだが、Slingboxをプラットフォームとして、新しいサービス事業も展開したい」と展望を語る。

伊藤忠商事の宇宙情報マルチメディアカンパニー、高取成光情報産業部門長 アイ・オー・データの細野昭雄代表取締役

 なお、アイ・オー・データでは近いコンセプトの製品として「Link Tuner」を展開している。これについて細野昭雄代表取締役は「Slingboxを販売するか否かに関して、悩んだのは事実」としながらも、「Link Tunerは現時点でLAN内の映像配信のみとなっている。また、こういうジャンルの製品はワールドワイドで供給できなければならず、コストも追求しなければならない。こうした判断で、Slingboxを取り扱うことにした」と説明。

 その上で、「もちろんLink Tunerも、今後はさらに日本の市場に適したモデルとして、高機能化という方向で進化を予定している」という。また、ロケーションフリーなどの競合製品に関しては「あくまで競合ではなく、“ネットワークを経由して自宅の映像を見る”という使い方を広めることを目的としたい」と語った。

□アイ・オー・データ機器のホームページ
http://www.iodata.jp/
□ニュースリリース
http://www.iodata.jp/news/2006/06/06_pr014.htm
□Sling Mediaのホームページ(英文)
http://www.slingmedia.com/
□製品情報ページ
http://www.iodata.jp/news/2006/06/sb100-120.htm
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【2005年9月5日】ソニー、端末をPC用ソフトにした新「ロケーションフリー」
-ノートPCで外出先から自宅のTV/コンテンツを視聴
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050905/sony.htm

(2006年6月23日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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