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ソニー、端末をPC用ソフトにした新「ロケーションフリー」
-ノートPCで外出先から自宅のTV/コンテンツを視聴


クライアントがWindows用のソフトウェアになり、ノートPCなどを端末として利用できるようになった
10月1日発売

標準価格:オープンプライス


 ソニーは、インターネットを介して、海外からでも自宅で受信したテレビ放送やハイブリッドレコーダ内のコンテンツをワイヤレスで表示できる「ロケーションフリー」の新モデルを10月1日に発売する。ベースステーション「LF-PK1」と、Windows用クライアントソフト「LFA-PC2」の組み合わせで動作し、価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格はLF-PK1が33,000円前後、LFA-PC2が2,000円前後の見込み。

クライアントソフト「LFA-PC2」

 前モデルの「LF-X1/X5」は、ベースステーションと液晶ディスプレイのセットで構成されていたが、新モデルはクライアントがWindows用ソフトウェアとなり、ノートPCなどでワイヤレス視聴ができるようになった。これにより、実売10万円を越えるLF-X1/X5と比べ、大幅な低価格を実現した。

 ベースステーションLF-PK1は、5GHz(IEEE 802.11a)と2.4GHz帯(IEEE 802.11g/b)に対応した無線LANアクセスポイント機能を内蔵(aとg/bは排他利用)。また、アナログVHF/UHF/CATVチューナと、MPEG-4エンコーダを内蔵。アンテナ入力、および外部チューナ、レコーダなどの機器から入力された映像/音声を、PCにインストールしたクライアントソフトへ無線伝送できる。

 ただし、新モデルのベースステーションと、従来のLF-X1の液晶テレビ部を連携させることはできない。また、LF-X5に関してはX5のベースステーションとクライアントソフト「LFA-PC2」との連携は可能。しかし、後述するネットワークの簡単セットアップは利用できず、詳細設定を利用することになる。なお、LF-PK1と接続可能な機器が今後追加される可能性はあるという。

LFA-PC2を立ち上げたところ ベースステーションをLAN内、もしくはインターネット経由で認識。接続する 離れた場所からコンテンツやテレビ放送を視聴できる

リモコン操作も伝送可能。各社のレコーダやCATVチューナ、DVDプレーヤーなど、多数の機器のリモコンコードがプリインストールされている

 LAN内で接続したノートPCを「無線液晶テレビ」として利用でき、クライアントソフトにソフトウェアリモコンも備え、リモコン操作も伝送可能。ベースステーションはAVマウス端子を備えており、送られたリモコン操作を各チューナやレコーダなどに伝える。ただし、ベースステーション本体のON/OFFは制御できないため、常に電源をONにしておく必要がある。

 また、外出先からテレビや家電製品の映像をリアルタイムで視聴できる「NetAV」機能を引き続き搭載。自宅のベースステーションに入力された映像を、インターネットを経由して、外出先のホテルや、公衆無線LANなどから視聴できる。

150kbps以下など、回線が遅い場合はVBRからマニュアル設定に切り替えることで対応できる

 配信フォーマットはMPEG-4を採用。最大約2Mbpsまで対応したVBR機能を備えており、ネットワークの回線速度に応じてビットレートは自動的に変更される。また、150kbps以下の低速度モードもマニュアルで設定可能。飛行機内など、回線速度が遅い環境でも対応できるという。同社では「150kbpsでもニュースなどを見るには十分な帯域」としている。

 主な機能は従来のロケーションフリーと同じだが、新モデルからネットワーク関連のセットアップを簡略化。UPnPに対応したルータと組み合わせれば、最短3ステップで設定が行なえる。

 具体的には、ベースステーションとルータを接続。クライアントソフトをインストールし、無線LANに接続したPCを用意する。セットアップは、ベースステーションの背面にある「セットアップモード」ボタンを押し、クライアントソフトの「ベースステーション設定」をクリック。ウィザード形式で表示される3ステップの承諾事項などに答えるだけで設定が完了する。

従来の約半分の体積になったベースステーション ベースステーションの背面端子部 ベースステーションの設定画面

ウィザード形式の3ステップで設定が完了する 設定画面のパスワードなどは本体横に貼られたシールに記載されている 前モデルと同様に詳細な設定も行なえる

 簡単セットアップは、同社がロケーションフリー専用のDNSサーバーを用意することで実現しており、ユーザー宅のIPアドレスが変更されても、その都度ベースステーションと、そこに割り振られたIPアドレスの更新が行なわれる。そのため、別途プロバイダなどから固定IPアドレスを取得せずに外出先からのアクセス機能が利用できるようになった。なお、従来モデルと同様に詳細設定も用意しているため、UPnP非対応のルータ環境でも利用可能。

 クライアントソフトには録画機能はなく、視聴のみが可能。ベースステーションとクライアントソフトは1対1で機器認証しており、伝送されるデータは独自に暗号化されている。ただし、ベースステーションには最大4台までの認証登録が可能。家族で1台のベースステーションを共有することもできる。ただし、一度に接続できるのは1ユーザーのみ。

 なお、ベースステーションにはクライアントソフトの30日間お試し版が同梱されている。クライアントソフトはCD-ROMで提供され、店頭販売されるが、ダウンロード販売についても検討しているという。なお、1枚のCD-ROMで試用できるのは1人のみ。

 ベースステーションはLF-1X/X5に同梱するものと比べ、体積比で約半分に省スペース化。チューナはアナログVHF/UHF/CATVに対応。入力端子はS映像を1系統、コンポジットとアナログ音声を各2系統用意。外形寸法は46×128×183mm(幅×奥行き×高さ)。重量は470g。スタンドも付属する。クライアントソフトの対応OSはWindows 2000/XP。


■ 年内にロケーションフリー対応製品を2モデル追加

コーポレート・エグゼクティブSVPの西谷清氏

 コーポレート・エグゼクティブSVPの西谷清氏は「数年に、いつでもどこでも映像が見れる“ユビキタス”という言葉が流行した。しかし、それを実現できる製品や技術がなかなか登場せず、今では古臭い言葉になってしまった」と振り返った。

 そして「今回のロケーションフリーは、まさにそのユビキタスを実現するもの。言葉として新しさを出すために“ライブストリーミング”と呼んでいるが、コンセプトはユビキタスだ」と説明した。

 続いて、HENCビデオ事業部 LFX事業室長の前田悟氏が概要を説明。「ロケーションフリーは従来からある製品をリプレイスするものではなく、従来のAV機器と併存していく存在」とし、新たなマーケットと独自の機能をアピール。「オリジナリティのある製品として、AV機器の価格下落にも対抗できる」と語った。

 今後の展開として「年内にロケーションフリー対応製品をあと2機種発表する予定。どんな製品になるかはまだ明かせないが、驚くような機器になるだろう」とし、ロケーションフリーのマーケット創造に向け、積極的な商品展開を行なう考えを示した。

 また、デジタルチューナと接続した際でも映像が伝送できる事や、CMの区画外放送にあたるのではないかという疑問については「放送ではなく、あくまでユーザーの自宅の環境を外出先でも再現するというソリューション。用途も個人使用を目的としており、認証や伝送時の暗号化もキッチリ行なっている。著作権などの問題は発生しないと考えている」とした。

HENCビデオ事業部 LFX事業室長の前田悟氏 丸い円が2箇所黄色に縁取られているのは、2製品を今年中に発表するというメッセージ

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200509/05-0905/
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(2005年9月5日)

[AV Watch編集部/yamaza-k@impress.co.jp]


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