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キヤノン株式会社は、レンズ一体型HDVカメラ2製品を発売する。HD/SD-SDI出力などを搭載した上位モデル「XH G1」は11月中旬発売で価格は84万円、SDI出力などを省いた下位モデルの「XH A1」は10月下旬発売で価格は57万7,500円。月間生産台数は2機種合計4,000台を予定している。 光学20倍ズームの「ビデオLレンズ」を内蔵するレンズ一体型のHDVカメラ。2005年11月に発売したレンズ交換式HDVカメラ「XL H1」の機能を引き継ぎながら、レンズの一体化やボディサイズの変更により機動性を向上、低価格化したモデルとなる。 「XH G1」と「XH A1」の違いは、XH G1にのみ、HD-SDI(Serial Digital Interface)出力、GENLOCK機能、タイムコード入出力端子を搭載していること。SDIは、ダウンコンバートしたSD-SDI出力もサポートしている。 XH A1は、それらの機能が省かれている以外の仕様は共通で、両機種ともファンタム電源対応のXLR端子を2チャンネル装備している。 撮像素子はXL H1と同じ、1/3型総画素数約167万画素CCDを使った3板式。有効画素数はHDVとSDワイドモードで約156万画素、SDの4:3モ-ドで約117万画素。3枚のCCDのうち、緑のCCDを水平方向に1/2画素分ずらして配列する倍密度画素配列処理により、総画素数を実質1.5倍に高め、水平解像度約800本を実現している。映像エンジンもXL H1と同じ「DIGIC DV II」を採用している。 内蔵レンズには、UDレンズ(Ultra Low Dispersion)と蛍石レンズを採用、通常の光学ガラスでは除去しきれない残存色収差の補正に適しているという。F値はF1.6~3.5。焦点距離は、35mm判換算で32.5~650mm(16:9)、39.8~796mm(4:3)で、最短撮影距離はワイド端で20mm、ズーム全域では1m。また、オプションとして、0.8倍ワイドコンバータレンズ「WD-H72」(57,750円)も用意される。 手ぶれ補正機能は、検出の難しい低周波の手ブレなど、さまざまな振動に対応する「スーパーレンジ対応光学式手ブレ補正機能」を備えるほか、「スーパークイックAF機能」を備える。コントラスト検知と外部センサーによる測距の2通りのオートフォーカス制御方式により、高速なピント合わせと高いフォーカス精度を実現するとしている。 ズーム操作は回転角度検知方式に対応した「高速モード」を備えるほか、絞りリングも装備し、手動による絞り調整も可能。なお、ワイドコンバータレンズ装着時には、外部センサーが隠れてしまうため、使用できない。 液晶ファインダーは、2.8型ワイド/20.7万画素で、本体上部に収納も可能な可動式を採用。ファインダーに表示可能な項目は、シャッタースピード、焦点距離などの撮影情報や、テープ残量、録画規格など全22項目、37種類から個別に選択が可能な「カスタムディスプレイ機能」を装備。
機能や操作感、動作もカスタマイズ可能で、21項目、31種類の「カスタムファンクション機能」を搭載。ピント合わせのスピードを遅らせることにより、微妙な被写界深度のコントロールが映像表現で実現できる「フォーカスリングレスポンス」など、撮影スタイルに合わせた機能や操作の設定が行なえる。 画質調整機能についてもXL H1同様、23種類の画質の設定と調整が可能。そのうち、カラーゲイン、R/G/B独立ゲイン、6軸マトリクスの10項目については、それぞれ-50~+50までの101段階で微調整が行なえる。これら画質調整パラメータはプリセット情報として、本体に9セット、メモリーカード内に20セットまで保存が可能なほか、XH G1/A1で共有することもできる。 HDV記録/DV記録の標準モード/ワイドTVモードのいずれの記録形式でも、通常の撮影モードの60iに加え、24Fモードと30Fモードの3種類の撮影モードから選ぶことが可能。音声はHDV記録時はMPEG-1 Audio Layer II(48kHz/384kbps)、DV記録時はPCMデジタル(48kHz、16bit/32kHz、12bit)となる。 SD/MMCカードスロットを備え、動画撮影中の静止画撮影も可能。静止画の記録解像度は1,920×1,080/1,440×1,080/848×480/640×480ドット。 i.LINK入出力(HDV/DV)や、コンポーネント出力(D3対応)、マイク端子、XLR端子×2などを装備。本体の外形寸法は約163×314×189mm(幅×奥行き×高さ)、バッテリパックとDVテープ、SDメモリーカードを含む重量は約2,330g。 付属品は、ワイヤレスコントローラや、バッテリパック「BP-950G」、ACアダプタ、ストラップ、16MB SDカード、D端子コンポーネントケーブルなど。オプションとして、Windows XP用ソフト「CONSOLE Ver.1.1」(70,350円)を用意。PCと接続して機能拡張が行なえる。
□キヤノンのホームページ ( 2006年7月25日 ) [AV Watch編集部/ike@impress.co.jp]
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